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145 ヨシュア、頼りになる!

どうぞよろしくお願いします。

 私達が何やら相談し合っている姿を見て、ヨシュアが来てくれた。


「どうしたの?」


 マリアが例の席を見ながら言う。


「ね……、なんか大丈夫かなと?」


 ヨシュアが笑った。


「何もないといいな」


 私はため息をついた。


「アーサー王子殿下には学校行事で仕事があるからと最後の挨拶したんで、また近寄るのは避けたい。

 でも、トラブルは起きて欲しくない。女神寮の評価、下がっちゃうよ」


 今年はみんなで一丸となって取り組んだという手応えがある大切なお茶会。


 ヨシュアが「ちょっと見てくる」とそちらに偵察に行ってくれた。


 ユミエラとケビンが席を立ち、受付の方へ来た。

 ハーブはもういない。全然それどこじゃなかった……。


 ユミエラとケビンは受付で私達に挨拶してくれ、「ちょっと長居し過ぎた。ごめん!」と謝ってくれ、外へ出て行った。


 すぐ2年生が片付けをしてくれ、私は次のお客様を案内した。


 その時、不穏な言葉が耳に飛び込んできた。


「そうか……、ペスカの着ている制服は、君のか!?」


 アーサー王子、そんなにびっくりすることないでしょ!

 フレイが「そうです」とうれしそうに言っている声。


 ああ、うれしかったんだっけ?


 でも、早く帰りなさいよ!!


 私はにこやかに案内したお客様に「ごゆっくりお過ごし下さい」と声をかけて、受付に戻ろうとした時に人にぶつかった。


 バシャッと音がして私の前面に冷めたお茶が掛かった。

 ヨシュアだった。


「ごめん、ペスカ! ほら、早く着替えないと!

 皆様、失礼いたしました」


 そう周囲の客に詫びたヨシュアに腕をつかまれ、1階のヨシュアの部屋に連れて行かれる。


「ヨシュア……」


「悪い。その制服のことでアーサーが何するかわからなかったから、先手を打ってね。

 清浄魔法できれいになるだろうけど、今日はもう自分の制服に着替えて。

 ロマネスがこれをきっかけに退席してくれると思う」


 私は頷いて清浄魔法を自分にかけてきれいにした。


「……僕もあんまりいい気はしなかったから……」


「長居されるのが?」


 ヨシュアが笑う。


「ま、そういうことかな」



 階段で自分の部屋に行き、自分の制服に着替え、髪もいつものようにひとつに結び直した。いつもの髪飾りをつける。


 下へ降りて行って食堂のホールを覗くと、アーサー王子達もフレイ達もいなかった。


 トラブルが起きたという感じもない。大丈夫だったみたいだ。


 私はヨシュアとマリアとアンナ先輩がいる受付に行った。


「ありがとうございます。着替えてきました」


 マリアが不思議そうな顔をした。


「清浄魔法があるのに、着替えたの?」


 あ?

 そうか、いなくなってるなら着替えなくてもよかったのでは?


「もう着替えちゃった……」


「フレイが竜舎で待ってるって言ってたわよ」


 私は頷いた。


「終わったらって言ってある」



 その後は特にひやひやすることなく、終わった。


 ナプキンは残り6枚!

 ぎりぎりだったねー。想定より多めには用意していたけど、招待客以外の飛び込みで来ちゃった人、パトリシア先輩達以外にも数人いたんだ。


 記念として5年生の先輩方にとってもらう。

 それでピッタリ。


 窓の飾りは綺麗だからそのまま吊るしておきたいということになり、残すことにした。


 ミニ薔薇の小さな花のアレンジはそのまま食堂に飾っておくことに。


 外の門やドアを飾り付けていた白いリボンは清浄魔法を掛けしまう、飾りつけ用に少しだけ購入した白い花を1~4年生で分けた。


 そしてテーブルクロスは洗濯室へ持って行ってもらう。



 片付けもスムーズに終わり、軽く反省会。


「ペスカ先輩とテレーゼ先輩の男装、カッコよかったです!」


「私も来年やってみたいな」


「テレーゼ先輩に『姫様』って言われてドキドキしました!」


 2、3年生が盛り上がっている。


「1年生もすごく頑張ってたね。2年生がしっかりマナーを教えてくれていたからだね。

 来年もがんばろう!

 お菓子作りもありがとう! 驚きと好評を頂けたと思うけど、どうだった?」


 私の言葉にみんな頷きながら顔を見合わせてる。


「スノーボール、くちどけが面白いって! それに美味しいってみなさん言ってくれてました」


 お茶係を仕切っていた2年生の子が言ってくれた。


 マリアが3年生を労う言葉をかけた。


「3年生は演習の間で疲れているのに、本当に頑張ってくれて、ありがとう!」


 3年生のチェルシーが微笑んで言った。


「楽しかったです! 準備にあまり参加できなかったのが残念なぐらいでした!

 いろいろな素敵な楽しいアイデアいっぱいのお茶会。

 私達もこれから継いでいきたいです!」


 アンナ先輩がにっこり微笑んだ。


読んで下さり、ありがとうございます。

長めになっちゃいました。


さて、お茶会が終わりましたが……。周囲がそれぞれの思惑で動いていそうですね……。

この先の夏休みを書いています。

昨日、終わりというか最初の話に繋がるまでの流れが見えて、ああ完結まで行ける、良かったと思いました。

まだまだ続きますのでこれからもお付き合いしていただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。


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