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131 王家が責任をとる!?

どうぞよろしくお願いします。

 そこへモリソン男爵と夫人、王妃殿下とヨシュアとアーサー王子が来た。


「また泣いているのか、ペスカ!」


 アーサー王子殿下が叫んでこちらに来ようとするので、私はあわててお父様に抱きついた。


「大丈夫です! お父様の話を聞いて、気持ちは落ち着きましたから!!」


 

 モリソン夫人がお父様と私に謝ってくれる。

 

「ハウアー男爵、ペスカ。本当に申し訳ありません。

 私がもっと厳しく対応していたら……」


「いえ、ヨシュアからネックレスを借りたり、イヤリングを貸して下さったり、できることをして下さいました。

 最後に起きてしまったことは……。キャロラインさんのせいでもないし。

 義父ちちと話をして納得できました。

 逆に私が取り乱して泣いたことで、御迷惑をおかけしてごめんなさい。

 キャロラインさんもちゃんと謝ってくれたので、私は許しています」



 王妃殿下が進み出てきた。


「ハウアー男爵、お久しぶりですね」


「王妃殿下。お元気そうで何よりです」


「養女をとったなんてつい最近聞いたわ」


「……つい最近、養女にしましたので」


「性格がシエナに似ているわね。

 とても優しいところとか……」


「そうですね。ジョイもペスカのそんなところが気に入っているのでしょう。

 ペスカを通してシエナを見ているような時がありますよ」


「そう……。

 で、今日のこと。王城内で起きたことなので、王家が責任をもって髪飾りは直します。

 そしてペスカ……、ジョシュアとアリエスから話を聞きました。

 事情を知らずにあなただけを責めるようなことを言ってしまいました。

 それは、辛い思いをしたでしょう。ごめんなさいね」


「……私も嘘をつきました。

 自分の心を偽って……、だから……」


 王妃殿下は微笑んだ。


「あなたはこのことを大事おおごとにしたくなかった。

 髪飾りは王家が直します。それでバランシェ伯爵令嬢のしたことも王城内で王子達も一緒にいた時のことなので、ね。

 責任はすべて王家に。

 それですべて内密に済ませようと思うのだけれど、それでいいかしら」


 私は力いっぱい頷いた。


「はい、御迷惑をおかけしましたが……、御配慮、ありがとうございます」



 その場でヨシュアにはネックレス(ブレスレット)を返し、モリソン夫人にイヤリングを返した。

 持って来てもらった箱に首飾りとイヤリングはしまい、髪飾りの箱だけ王妃殿下にお預けすることになった。


「ちゃんと直すから心配しないでね。

 アーサーがすごくうるさいの。 もうペスカを泣かせるなって」


 私はアーサー王子殿下を見た。


「もう泣くなよ。

 ペスカの泣いている顔を見た時、胸がぎゅーっと苦しいくらい痛くなった。

 泣かれるのも辛いが、私以外に泣き顔を見せて欲しくない」


「御心配おかけしてしまい、申し訳ありません。

 お兄様みたいに優しく接して頂き、すぐ連れ出してくれたので見苦しく取り乱さずに済みました。

 ありがとうございます」


「……大丈夫だ。私がついている。

 髪飾りも私がきちんと直ったのを確認するからな!」


「……アーサーに髪飾りのことなんてわかるのかしら……。

 さっきだって、直すのにどうしたらいいかわからず、私の部屋に来たのでしょう!」


 王妃殿下が面白そうに笑った。


 お父様が私を抱く手に力が入った気がした。

読んで下さり、ありがとうございます。

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