13 王都観光
どうぞよろしくお願いします。
「先に服見に行く?」
エースが言って、私は首を振った。
「いやいや最後でいいよ!
男の子を付き合わせるのも悪いし!」
マリアの提案で王城前の商店街に行き、本屋と文房具店を回ることにする。
本屋へ行くとマリアは小説のコーナーへヨシュアとエースと行ってしまった。
私は残っていたフレイに「フレイはいいの?」と聞いた。
「俺はそんなに本読まないし」
「私は図書館で読むからなぁ……」
なんとなくふたりでぶらぶら書棚の間を歩き、絵本のコーナーに来た。
絵本……、そういえば小さい頃は欲しかったけど……。
ライオネルの家が村の中では裕福な方で絵本見せてもらってたっけ。
なんだか懐かしい。
「絵本、懐かしいな。
俺、この竜騎士の絵本好きでさ」
フレイが竜騎士と赤いドラゴンが描かれている絵本を手に取りパラパラめくった。
「憧れが本当になったんだね」
「ああ、今でも信じられないけれど。
自分のドラゴンと巡り会えたら実感するのかな……」
「ドラゴン探しに行くのは?」
「3年になったら。
その時演習でチーム組むだろ。
ヒーラーで、ペスカ、俺と組んでくれない?」
「いいよ。それまでにヒーラーの力もっと上げるように頑張る」
フレイがぽかんとしている。
「何?」
「いや、そんなに簡単にOKしてくれると思わなくて……」
「……初めて誘われたし、まだ誰とも約束してないし」
「あ、早目に申し込んで良かったわ」
「そうだね、私も行き先が決まって良かった」
ふたりで笑う。
「あ、ここにいた!」
ヨシュアが来て本屋から文房具店へ向かう。
お昼はヨシュアが薦めてくれたカフェに入った。
わ、すごくおしゃれなところ……。
とてもおいしかったけれど、私はなんとなく落ち着かない。
なんか私だけ、ちょっとみすぼらしいというか、浮いているというか。
まあ、村から出てきて初めての王都観光みたいなものだし……。
お店に入って来る女の子達はきれいな色のかわいい服を着て、おしゃれしている。
なんだかちょっと。
学校の中なら制服だから、あまり気にならないのにな……。
「フレイ! エース! ……女神寮の子達?」
女の子2人組が私達に声を掛けてきた。
「こんにちは。
女神寮のペスカ、マリア、ヨシュアです。
魔神寮3年生のエスカ先輩。こちらは……?」
フレイが私達を紹介してくれる。
「私の妹のレイカ」
エースが気がついたように言った。
「エスカ先輩は王都に住んでたんでしたね」
エスカ先輩はフレイとエースと少しおしゃべりしてから私を見て「やだ、制服のブラウス着てるの?」とぼそっと言った。
いけないことではないし、恥ずかしいことでもないんだけど……。
私は恥ずかしくなって顔が赤くなってしまった。
でも、サイズが合うブラウス、これしかなかったんだもの……。
あ、だからエース、先に服を見に行くかって言ったのかな?
先にちゃんとした服を着てからの方がいいってことだったのかな……。
私は俯いてしまって、頭の中がぐるぐるして、どんなやり取りがあったのかはっきりしないけれど、エスカ先輩は立ち去ったようだ。
「僕達ももう出ようか」
ヨシュアが言い出してくれて、私はほっとした。
マリアが私の手を握ってくる。
「気にしないで、ペスカの服だって悪くないわよ」
私は頷いた。
カフェを出るとマリアが「私達、服を見て帰るから! ここで別れましょう。今日はどうもありがとう!」と言って、私の手を掴んで歩き出す。
「また学校で! 今日はありがとう!」
私も歩きながらフレイとエースとヨシュアに言った。
読んで下さり、ありがとうございます。
誰かに借りるとかも考えられるんだけど、ペスカにはそれは選択肢にない。
マリアも気にしながら……、ペスカが気にするかもと言い出せない。
(マリアは実は王都近郊の出身です)




