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114 ミニ薔薇プロジェクト

どうぞよろしくお願いします。

 神寮の子達がヨシュアに連れられて女神寮に来た。

 運んできたものは裏の庭に置いてもらい、最初にお茶をどうぞと女神寮に案内する。


 今、3年生は演習で不在だけど、それ以外の子達は興味津々な感じで神寮の子達を迎え入れた。


 ハーブや薬科教室以外にもケビンやなんかがいて、人数、だいぶ増えてますやん!?


「ケビンは何で?」


「ひどいな、力がいる作業だろ! それに苗も運んできたぞ!」


「ありがとう! そうか、土掘るとかの作業要員か!」


 ケビンは寮の中を見回している。


「なんか、いい匂いがするし……、いいな」


「お茶会の時、入ったことあるでしょ?」


「あれは特別に作り込まれてた時だろ。

 なんか、いつもの生活しているって感じがいい……」


「なんか、危ない発言に聞こえるから、私以外には言わないでよ」


「ペスカの部屋とかも見たいな」


「あー、5年の先輩と同室だから、ごめん」


「僕の部屋なら見せてあげられるよ」


 ヨシュアが会話に入ってきて笑う。



 お茶を飲んでもらいながら今回のミニ薔薇プロジェクトに関わる女神寮の生徒達を紹介し、神寮の子達にも自己紹介してもらう。


 庭へ案内し、土の状態を見てもらう。


 ハーブは周囲を見回し「うん、陽が当たるのは充分だね」と頷いた。


 さすが! 太陽の位置とか方向とかちゃんとわかってるんだな。


「掘り起こして腐葉土を混ぜよう」


「よし来た!」「道具寄こせ!」「よっしゃー!!」


 神寮の力自慢の騎士や武道家の男の子達が率先して力仕事をしてくれ、あっという間にミニ薔薇の苗が植えられた花壇になる。


「ありがとう! 苗も全部もらっちゃって……」


 結局、神寮の方でこのミニ薔薇を実家で育てている子が数人いて、持ち寄ってくれたのだ。


 中には珍しい種類のもあるそう。


 花の世話をしてくれる女神寮の子達とペアになってもらって、もう一度自己紹介し合ってミニ薔薇の育て方について話をしてあげて欲しいとお願いする。


 ミニ薔薇の苗を見ながら話をしている。


「アブラムシには気をつけて。芽がやられちゃうからね」


「虫!? どうしたら!」


「呼んでくれれば、一緒に退治するよ」


「ありがとう、頼りになる!」



 なんか聞いてるとむず痒くなってきた。

 アブラムシくらい指でぷちぷち潰せる……けど?


 力持ち部隊は頑張ってくれたわりにそういう特典もないので、アンナ先輩やテレーゼ先輩の5年生や、マリアやシーナや私の4年生が中心になってねぎらった。


「すごく助かったわ。ありがとう!

 お茶会の招待状出すからきちんとお名前教えてね」


 アンナ先輩ににっこり微笑まれ、うれしそうだな。良かった。



「ペスカ! 水やってくれる!」


 2年女子と話をしていたハーブに呼ばれ、そちらに行って水やりをする。


 ふふふ、なんかおもしろい。


 私がニヤニヤしてたら、ハーブが「なんだよ」と少し顔を赤くした。


「いえいえ何でも」


 ケビンが近づいてきて「明日の休み、ペスカ用事ある?」と聞いてくる。


「おい、ペスカは!」

 

 ハーブが牽制のつもりか言ってくれるけど、大丈夫。


「明日はマリアとヨシュアと一緒に、マリアの家に顔を出す予定で」


「そうなんだ! フレイとじゃないんだ!」


 ケビンが笑う。


 ハーブが「いいかげんあきらめろよ」と呟いていた。


読んで下さり、ありがとうございます。

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