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107 新学期

どうぞよろしくお願いします。

 新学期が始まり、学校にフレイやエースが戻ってきた。ロマーナ先輩もね。


 ロマーナ先輩とパトリシア先輩は後2ヶ月ちょいで卒業でもある。


 ロマーナ先輩は魔法騎士として騎士団へ。

 パトリシア先輩は治癒師として教会へ行くそう。



「ペスカとマリアが来るの楽しみに待ってるわ」


 卒業後の話を聞いていたらそんなことを言われた。


 パトリシア先輩は卒業したらすぐ、ロマーナ先輩と、つまりロマネス王弟殿下との婚約を発表するそう。


 私はロマーナ先輩が、ヒーラーにした同級生と別れてあちこちに声かけてたりする軽薄な人と最初は見ていたことを話して……。パトリシア先輩はそれは気にしてなかったのかと聞いてしまった。

 失礼な話だけど、やっぱり心配だったんだよね。


 パトリシア先輩は笑った。


「まあ、ロマネスのちょっとした抵抗……、反抗というか。

 私達、幼馴染でもあるのよ。

 最初からこうなることを期待されて、会わされてた、みたいな。

 ロマネスにしてみれば、すんなりというのもしゃくだったんじゃないかしら。

 私も、私のどこが不満!? とは思ったりもしたけどね。

 そんなロマネスを見ているのが複雑ではあったけれど……。

 他の女性を一切見ずに最初から決められてたとして選ばれるよりかは、いろいろ知って、考えて、でもやっぱりパトリシアが一番だって、選んでくれた方がいいかなって」


 マリアが微笑んだ。


「ふふふ、戻ってくるのがわかって、他の方のヒーラーにならずに……。

 それって、愛ですよね!」


 パトリシア先輩は声をあげて笑った。


「愛!? なのかしらね?

 でも、おかげで、ロマネスは私には頭が上がらないんじゃないかしら!?」


 パトリシア先輩の手のひらの上でコロコロ転がるロマーナ先輩を想像して、私も笑ってしまった。


「あなたも……、ちゃんと素直になりなさいよ」


 パトリシア先輩が私に急に言った。


「そうですよね。もっと言ってやって下さい!

 ペスカ! あなたの場合、ロマーナ先輩枠がペスカなんだからね!」


 何てマリアが言うけど……。

 パトリシア先輩は私がしようとしていることをなんとなくは聞いてるので、気にしているのだろう。

 しないですめばいいのにと思っているのかもしれない。


 ん、でも、できることはしないと。


 パトリシア先輩に微笑んで言った。


「そうですね。

 まあ、素直になれるように……、頑張ってみます」


 ああ、嘘ついちゃった……。

読んで下さり、ありがとうございます。

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