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105/289

105 それぞれの思惑(前)

どうぞよろしくお願いします。

「……私にヨシュアのことを知っていてもらいたい、と?」


「ああ、知っておいてもらいたい。

 教会でルーチェに会うこともあるだろうし……。

 それに王子が4人もいるんだ。誰かに先王の時のようなことをされる可能性だってあるだろ」

 

 うーん、でも、ロマーナ先輩が話してくれたようにだいぶ環境は変わってきている。

 昔よりは女性騎士や女性魔法使いも多く現場に出るようになったしさ。


 王子って……、第2がステファンで、第4がヨシュア。

 第1と第3、知らんがな。パーティーにいたのかな?

 ちゃんとよく見てなかった。


「第1と第3って?」


 言ってしまってから、あ、これ不敬な言い方だったと焦った。


「すみません! えーと、第1王子殿下と第3王子殿下って、年末のパーティーの時にいらしてました?」


 ロマーナ先輩はふっと笑ってから答えてくれた。


「本当にペスカは危なっかしいというか、そういうことを気にしないんだな。

 いたことはいたけどね。

 確かにひとりずつ紹介してたわけじゃないし。

 ステファンはわかったろ?」


 私は頷いた。


「そうだよな……。

 うーん、あんまり個人的なことは言いたくないし……」


 えっ?

 今、話してたことって十分個人的なことのような気がするが?


「悪口とか言ったみたいに取られるのも……」


 ん? ロマーナ先輩が語ると……な人達なのか?


 そうか、自分のことなら話せるけれど、他人のことをいろいろ言うのはねということね。

 確かに、私だってキャロラインさんに感じたことを、キャロラインさんのことをよく知らない人に言うことはできないな……。


 その時、食堂にエースとマリアとキャロラインさんとステファン王子が入ってきて、キョロキョロすると私達を見つけて近づいてきた。



「私達もお茶しに来たよ」


 ステファン王子が笑って、近くの大きなテーブル席にみんなで座ることになった。


「ロマネス王弟殿下と何を話していたの?」


 キャロラインさんに笑顔で聞かれるが、その目に冷ややかさを感じてしまう。


「……学校のこととか、ヨシュアのこととか」


「ヨシュアって、マリアやペスカの同級で同じ寮の……」


 ステファン王子がその後を引き継ぐように言った。


「ジョシュアのことだな。

 弟は学校でうまくやっている?

 寮が違うと全然生活とかカリキュラムとか違うから、想像できなくて」


 ステファン王子は神寮だもんな。

 キルシェの言葉じゃないけど、男子校と女子校ぐらい違うかもね。

 ということはステファン王子は裸踊りしたのか!?


 マリアは頷いて答えた。


「ヨシュアはとても優秀です。

 誰とでも仲良くなれるし、柔軟な思考の持ち主で、とても頼りになります」


 うん、ヨシュアは友人がとても多い。


「ペスカから見て、どう?」


 ステファン王子に名前を呼ばれてちょっと驚く。


 あ、でも、出会った時、もうペスカって呼ばれてたわ。まだちゃんと紹介し合ってもないのに。


「はい、周囲をよく見ているし、とても優しいです。

 それでいて実行力もある」


「そうか、なら、良かった」


 ステファン王子は微笑み、キャロラインさんは話に入れなくてつまらなそう。


読んで下さり、ありがとうございます。

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