不法侵入していました (1)
眩しくて目を開けると、そこは知らない場所。
...いや...ここどこかで...。
「おい。貴様どこから入ってきた。急に現れたな...魔法か?どこの国のものか答えろ!」
声がして、顔を上げると知らない人が5人ほど。その一人が私に剣を突き出している。
ていうか、え?魔法...?いや、剣ってことは物理...??
「えっと...それ、本物ですよね...?」
「なんだと?」
そう言うと、すごく不快そうに見つめてくる...騎士さん?
いやいや、ていうか、私なんでこんな冷静でいられる訳!?
知らない場所で知らない人に(たぶん)本物の剣突きつけられてるのに...!!
と、とりあえず状況を...!!
「キョロキョロして怪しい奴め。」
「お控えください。殿下の前ですよ。...ところで貴方、先程のは転移魔法ですか?」
わぁ...メガネ...って、なんでここにメガネが...!?
て、転移...?え?何が...??
「...殿下、どうされますか。」
もう一人の、特徴的な青髪騎士さんが中心に囲まれている人に言う。
そこで見つけた、キラキラ光る黄色い髪と淡い水色の瞳。
もしかして、...この世界は...!
周りをよく観察する。
ここ、やっぱり、...宮殿では...!?
なんか、歴史の教科書に載っていた洋風の建物に似てるし...。
なら...彼は、...
「も、もしかして...アル?」
頭の中である考えが横切る。
「...誰だ。お前は」
ですよねー!!
やっぱり、そんなことある訳ないけど...。
夢は夢だし...。
でも...彼の瞳...綺麗だな...。
って、なんか私、変態みたい...!?
そ、それより!ここはどこなのよ〜〜!!
「貴様...殿下になんて口を...!!」
あ、赤髪騎士さん怖すぎる...。
ていうか、殿下...?
だ、誰?彼じゃないんだったら...もしかして、第二王子でも生まれた?
...いや、私は何の話を...?
「おい、何か答えろ!!」
ひぇ...!怖いですって!
私も一応、よく分からないところで剣を突きつけられている被害者なんですけど..!?
夢の世界じゃないなら、ここはどこなのーー!?
「あ、あの...」
そんなヤバい(?)雰囲気の中、透き通るような高い声が聞こえる。
「この方...アルバード様の知り合いなのですか?」
...え、わ、私...?
次回(2)