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私の人生と長い夢 (2)



『お母様!!』


『セシリア!!』



どうしてこんなことになったのだろう。


ただ、お母様とルキアン(おとうと)と一緒にお祖母様の家に行くはずだったのに。

ルキはさっきまでお母様に抱きついて寝てたはずなのに。

馬車は安全に森を走っていたはずなのに。


分からないことが多すぎる。

けれど、一つだけは分かった。


叩き起こされて泣いているルキ。私とルキを守ろうと必死に手を伸ばそうとしているのに、馬車の揺れでルキを抱くのが精一杯で、涙を流すお母様。



『お母様、』



今までありがとうございました。



『ルキと、...殿下にお願いします。』



丁度この世界に生まれて、こんな大切にしてくれた家族に恩返ししたいと思っていたところだ。

自分の中にある魔力を1か所に集める。



『っ...!?』


何かに気付いたお母様はさすが。



『ッ!!だめよ__!!セシリア!!』



お母様には、お父様とルキ、...家族と末永く幸せに暮らして欲しい。

もちろん、そこに私も居れば良かったのだけど。



「っ...」


こんな時になっても思い出すのは、淡い水色の瞳。


きっと、私は気づかないフリをしていただけなのだろう。

それならもっと早く、伝えておけば良かったな。






身体の魔力が抜けていく感覚。



『...さようなら、______』








***



そこまでが夢で見た私だった。


穏やかな日常。温かい家族に、美味しい食事。動き回っても疲れない身体。

今最も私が手にしたい居場所だ。






「っ...」


眩しい...。




目を開けると、そこは全く知らない場所。


「...え、ここどこ...?」




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