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プロローグ 夢の中
『将来、結婚しようね!』
懐かしい夢...。
あの時、私は、なんて答えたっけ...。
...あ、そうだ。
『気が向いたらね。』
『それっていつ頃?』
『...さあ。私、黒髪がタイプだから。』
自分の意志で話しているはずなのに、まるで自分ではないような、不思議な時間。
柔らかい草が生えている庭の木の下で、ある男の子に求婚された。
もう顔も覚えていないけど、...きらきら光る金髪が特徴的な子だ。
また、会いたいな...。
***
その願いは叶ったはずなのに...
「も、もしかして......アル?」
「...誰だ。お前は」