せんずる男
男は目覚めると、すと体の上から布団を除けた
全身に滲んだ汗に頭痛。 休日のほとんどを寝て過ごしてしまったということは時計を見ずとも明らかであった
右の目を二、三度擦りながら窓掛けから外を覗くと、すでに太陽は沈みかかっていた
そしてすぐに床へ足をぺたとつけ立ち上がり、声を漏らしつつ体をぐいと伸ばした
明日は月曜日。 男は風呂、歯を磨く、食事をする、などとするべきことを思い浮かべた
まずは風呂に入ろう。 男はそう決めた 目覚めてから一番に風呂に入るということは、男にとって
何年も昔からの日課であり何の疑いもなくするべきことと決まっていた。
早速男は風呂場へと向かった。
廊下の突き当りを左に行き、右手に風呂場があるということは男にとっては長い暮らしの中で考える必要
のないほど解り切ったことだった。
男は歩くたびにぎしぎしと鳴る廊下を進み風呂場の戸をがらりと開けた。
浴槽を洗い、湯を沸かす。 いつもの手順である。
しかし、それよりもまずシコりたいと思った。
男は戸を閉めるのも忘れ、急いで廊下をもどり、いつも座っている椅子へと腰を下ろした
下袴を下ろすのを忘れていた男は少しばかり立ち上がり下袴を下ろし、もう一度椅子へと腰を下ろした
端末を手に持ち、男は電子の海へと飛び込んだ。 男の親指はせわしく動き、画面を上へ上へと送っていた
今日はこれにしよう。 と心に決めた男は端末をそばに置き、ちり紙を七枚左の手に取る
右の手は男の愚息を包み 上下、上下と動いていた
しばらくすると男は妙な尿意を感じた
男の睾丸からは精子と精嚢分泌液が、前立腺からは前立腺液が、この三つが混ざり合い精液となり
男の愚息の管の中を満たし、先端からにゅりと溢れ出しちり紙の中へと着地した。
男は恍惚感に包まれた後、数秒の間を置いて立ち上がり、下袴をあるべき位置へぐいと持ち上げた。
くずかごの中にちり紙を投げ入れ、再び男は風呂場へと向かった。