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僕は「いってらっしゃい」と言いたい  作者: 雲母あお
番外編

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一緒に

「優斗のうち行くぞ!」


圭太お兄ちゃんが、そういうと、僕の手を掴んだ。


今日は、放課後『永遠の仲良し公園』で圭太お兄ちゃんと遊ぶ約束をしていた。


「え!?だって、僕…」

突然の申し出に、僕はびっくりして、どうしていいか分からなかった。

僕の様子にお構いなく、圭太お兄ちゃんは言った。


「俺が一緒に行けば問題ない。零理も優斗に線香あげてやってくれないか。」


「圭太お兄ちゃん?」


「ずっと思ってたんだ。零理と優斗のところに行きたいって。なんでもっと早く思い付かなかったのか。よく考えれば、俺が一緒に行けば、違和感なく優斗のお母さんに紹介できる。そしたら、もう大丈夫なんだよ。知らない人じゃない。零理行くぞ!」


「で、でも…」


「でもじゃない!おれが、お前にそうして欲しいんだよ!生前の優斗のことも知って欲しいんだよ!少しでも!優斗の弟として。」


「圭太お兄ちゃん…」


圭太お兄ちゃんの勢いに押されて、僕は歩き出した。


そして、優斗お兄ちゃんの家の玄関の前に立ったら、感じたことのない緊張感に襲われた。



僕が足を踏み入れていいのかな…。

僕みたいな人間が……。



扉が開かれる。



「こんにちは。」

「圭太くん、いらっしゃい。」

それから、「この子は?」ってとても不思議そうな顔で僕を見た。


緊張して声が出ない。


「この子は、零理って言います。優斗が弟みたいに仲良くしていた子です。一緒に優斗に会わせてもらえませんか。」

圭太お兄ちゃんの話を聞いて、少し驚いた顔をしたけれど、ふわっと笑ったのだ。


その優しい笑顔に、僕は釘付けになった。


なんて優しそうに笑う人だろう。。。

僕のお母さんも、僕がこんなんじゃなかったら、こんなふうに優しく笑いかけてくれたのかな……


「いつの間にこんな可愛い弟を作っていたのかしら。優斗らしいわね。」

優斗お兄ちゃんのお母さんは、その場にしゃがみ込み、僕と真っ直ぐ視線を合わせてくれた。


「はじめまして。中原零理といいます。」

僕は、丁寧にお辞儀をした。


「ようこそ、零理くん。優斗と仲良くしてくれてありがとう。今日は来てくれて本当にありがとう。」


お辞儀をした頭の向こうから信じられない言葉が聞こえた。

僕に「ようこそ」って言ってくれたの…?

「来てくれてありがとう」って……?


驚いて顔をあげると、とびきりの笑顔が僕に向けられていた。



なんだろう。この気持ち……

胸がほわってあたたかい……



気づくと、緊張はどこかへ飛んでいって、体の力がふっと抜けていくのを感じていた。



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