表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/42

出会い

気がつくと、ここに立っていた。


ここにいれば、また圭太が通りかかるはず。

そしたら伝えるんだ。とても大事なことを…

伝えるんだ…


電信柱の影から、〇〇公園の方をじっと見つめる。

圭太が、ここを通るはずなんだ。

ああ、見逃さないように、一瞬でも目を瞑りたくない。

俺は、瞬きさえうらめしく思っていた。



そこへ、背後から声がした。

「ここで何をしているの?」

突然話しかけられ、驚いて声のした方を見ると、黒いランドセルを背負った少年が立っていた。

『はい?』

いきなりで驚きすぎて声が裏返ってしまった。


すると、その少年は、

「こんにちは。お兄さん、ここで何をしているの?」

俺の目を、まっすぐ見て話している。

ここ数日、誰からも無視されていた俺は、今の状況が信じられなかった。


『お前、俺が見えるのか?』

自分でも不思議な質問だったが、ここで圭太を待っている間ずっと思っていたことが、口をついて出てきた。

「見えるよ。」

ニコッと笑いかけてきた。


『こ、声も聞こえるのか?』

「うん。聞こえるよ。」

『本当に?』

「本当だよ。お兄さん、ここで何をしているの?」

俺は、信じられなかった。


いや、これは普通のことなんだが……。



俺は、一体何を言っているのか。

そして、自分の声が届くことが、こんなに嬉しくて安心するものだとは思わなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ