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プロローグ

 『おはよう。』

通りかかった人に挨拶してみる。

何も聞こえなかったかのように、俺を見ることもなく通り過ぎていく。

『挨拶したら、挨拶を返すのが礼儀ってもんだろ!』

怒ってみたところで、誰も聞いていない。

一体何なんだ?

どうしたというのだ。

今日、何人の人に声を掛けただろう。

なぜか、俺の足元に花束を置いていく奴が何人かいた。

『何やってんだ?何で花なんか置いていくんだよ?それよりさ、俺の話を聞いてくれよ。』

そう話かけても、手を合わせ涙ぐみながら、

「優斗くん、天国でも元気いっぱい走り回ってね。」

なんて言っている。

俺はここにいるんだが?

こいつら何をやっているんだ?

『まあ、いいや。』

俺は、ここであいつが来るのを待っているんだ。


あいつに会えるまでずっと…。


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