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僕は「いってらっしゃい」と言いたい  作者: 雲母あお
永遠の仲良し

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15/42

声に出して

「あいつがもういないって認めたくなくて、ここに近寄ることができなかったんだけど。」


圭太は、一度言葉を切り、大きく息を吸ってはいた。

「ここで、その永遠に仲良しの親友が死んだんだ。」

圭太は、絞り出すように言葉を紡いだ。


「死んじゃったの?」

「うん。死んじゃったんだ。猛スピードで電信柱に激突して。馬鹿だろう?俺の親友は。」

ははは…。

圭太は、。乾いた笑いを浮かべた。

「自分で死んじゃったの?」

「そう!よそ見運転だって。あいつ何見てたんだか。きっと美女にでも目を奪われていたんだろうよ。馬鹿なんだよ。昔から。」

「よそ見してたんだね。」

「目撃した人がそう言っていたそうだよ。」

「そうなんだ。」

それから、圭太はまた黙って手を合わせ、電信柱に向かって何かを祈っていた。

しばらくして、目を開けると、

「零理君、時間大丈夫?付き合わせてごめん。零理君のお陰でここにこれた。ありがとう。零理君のお陰で俺1人でも、もうこの場所にいられると思う。まだまだこいつと話したいことがあるから1人にしてくれる?勝手でごめんね。」

申し訳なさそうに言いながらも、何かを決心した顔をしていた。

「ううん。圭太さん、ここまで連れてきてくれてありがとう。僕の家すぐそこなんだ。」

「そうか。それなら安心だ。」

「また遊んでくれるの嘘じゃない?」

「嘘じゃないよ。」

「じゃあさ、交換して!」

零理は、携帯電話を圭太の前に出して、連絡先の交換をお願いした。

「いいよ!」

圭太は快諾した。

「それじゃ、圭太さんまたね!」

「うん、またね零理君。」


歩き出した零理が、ふと足を止めた。


「どうしたの?」

圭太が尋ねる。


「あのね。圭太さん。心の声は、生きている人にも伝わらないよ。死んだ人にはもっとだよ。声に出さないと誰にも聞こえないんだよ。」


零理は、それだけ言うと、また歩き出した。

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