表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

84/153

84 暴食の悪魔

 互いの一歩目は、同時に踏み出された。

 

 ガギンッッッ!!

 

 ククリナイフと不屈の魔剣が、不屈の魔剣とククリナイフが、打ち合った音が響く。

 両者共に力は拮抗している。

 技量、技術共に寸分違わぬ2人だ。

 相手に勝利するには技量以外の差。

 

 すなわち、精神(ココロ)

 

 それが、相手を上回っていなければ敗北は確定したに等しい。

 

 福幸が、力を一瞬抜き直後大きく振り払う。

 

「ハァァァアアア!!」

 

 悪魔の身体が後ろに弾かれる。

 

「『衝撃(インパクト)』」

 

 福幸の剣が淡く輝き衝撃を放つ、がそれを見逃す悪魔でも無い。

 

「させるカっ!! 『発衝(インパクト)』!!」

 

 互いの衝撃は空中で打ち消しあい轟音を残す。

 

「お前がホんとうニ、私の慈悲を受けないのであれバ、手加減はやめル。」

「慈悲? なんのことだ? 俺には俺の体を乗っ取ろうとする侵略者(インベーダー)しか見えないがな。」

「戯言ヲ、貴様の不幸を貴様の絶望を私が変わって受けてやろうと言うのだ。感謝こそすれど敵対される意味が分からないな。」

「そうかよ。」

 

 そう吐き捨てると、福幸はククリナイフを投げる。

 

 キンッ。

 

「あくまでも俺に敵対するんだナ?」

「答えるまでも無い。それにボロが出てるぞ? 悪魔。さっきからニュアンスが急に変わって聞き取り辛いんだよ。」

「フンッ、そうか。ならば、貴様を殺す。その上で変わってやる。」

「目的と過程が入れ替わってるぞ。」

 

「『原初の時、きたれり。我は人類を見守る者。』」

 

 福幸の言葉を聞かずにその呪文を始める。

 

 

「『愚かなヒトは悪魔を蔑む。故に、暴食は全てを食らう。』」

 

 呪文を止めるべく、弾かれた(・・・・)ククリナイフを起点とし魔法を発動させる。

 

「間に合えっ!! 【アース・ニードル】!!」

 

 土の槍が形成されるより先に黒い霧が発生し始め悪魔の中心から溢れ出る。

 土の槍は勢いよく飛んでいき、そしてその霧に触れた場所から消失しゆく。

 

「『ソレは我が骨肉、ならば我はヒトなろう』」

 

 黒い霧が圧縮し悪魔の武装となる。

 

「『暴食の悪魔は、全てを食らう。我が名は【暴食の天使(グラトニー・キング)】我は既に現界した。』」

 

 目の前の存在の圧力が大幅に増える。

 それと共に、体の至る所に黒い刺青らしきものが浮き出て背中には悪魔らしい羽が生えている。

 手に持っていた二振りの武器は消えており反対に手に大きな鉤爪がついている。

 

「おいおい、それはチートだろ。普通は自分との対決の時精神的に相手を上回るとかだろ。力で捩じ伏せるか? 普通。」

「知らぬ。」

「あー、完全に俺の要素も消え始めてんな。まぁ、殺したら真似する理由もなくなるか。」

「知らぬ。」

「同じことしか……、いやいい。どうせ知らぬとしか言わねぇんだろうし。」

 

 そう言って、一本の剣を構える。

 

「戦前の問答はいらないだろ。語り合うはこの一本あれば十分ってか?」

「知らぬ、だが一つ言えるのは……、貴様を殺すと言うことだけだ。」

「そうかよ。」

 

 疾ッ!!

 

 不屈の魔剣が神速で振るわれる。

 悪魔の新たな体となった羽が切り裂かれる。

 

「仕切り直しと行こうか。お前がズルをするなら俺もズルをする。不屈の魔剣、戦闘経験を俺によこせ。不屈の騎士までは言わないが……。」

 

 ちらりと、悪魔の姿を見てニヤリと嗤う。

 

「あのパチモンぐらいなら蹂躙出来そうだ。」

「ほざくな、人間風情が。」

 

 互いの距離ははじめに打ち合った時と大差ない。

 得て物、姿に変化はあれど大差無い。

 

 ガギンッッッ!!

 

 一振りの剣と鉤爪が打ち鳴らされたことにより後半戦が幕を開ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ