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81 決別

「おい、起きろ!! 残念騎士!!」

「むにゃむにゃ……、もっとー、もっとよこしなさい!! わたしはきしなのよー!! むにゃむにゃ……」

「うわぁ、残念騎士だぁ……。」

 

 結局、交代の時間になる前に寝ている残念騎士を見て半ば諦め1人で夜警をしていた角内がそう言う。

 

「はぁ、置いていくか。」

「はっ!! んっ? 何処ここ? あんた誰?」

「はいはい」

 

 何も言う気力が湧かない角内は心のメモに、二度と関わらないと記しさっと毛布を仕舞い銃を消す。

 

「えー、となんだっけ? 福幸……だっけ?」

「えっ、」

 

(なんで、あいつの名前を知っている?)

 

 さっと、振り向く。

 顔が無意識に強張る。

 

(教会の関係者か? チッ、呑気に寝ていた。最低限の武装も今解除しちまったしクソッ!! 俺の馬鹿野郎!! アホそうな動きが演技の可能性もあることを忘れんな!!)

 

「あっ、いや、えーと、あんた名前なんだっけ、って!? なんでそんなに私の事警戒してんのよ!!」

「いや、お前が敵の可能性が出てきたからな。」

「何よー!! 砦町であなたと同じように助けてもらった子と勘違いしただけじゃない!!」

「そう、か。」

 

 息を吐き出して、落ち着く。

 精神を平定するためにスキルを起動させ冷静な思考を駆け巡らせる。

 

(少なくとも、コイツのコトは俺は知らない。と言うことは俺が城を脱出するより前の話だな。クッ、一体いつらへんの話なんだよ!!)

 

「あっ、そうそう。私が大聖堂に行く理由はねぇ!! その子を探すためよ(・・・・・)!!」

「なんだとっ!?」

 

 思わずたちがあり胸ぐらを掴む。

 

「な、何よ? 私そんな変なことを言ったかしら?」

「言ったも言った。問題が大有りだ。お前……、その言葉の意味を分かって言ってるのか?」

「えっ? 普通に教会にいるんじゃないの? 彼、異端審問官と仲良くしてたらしいし。」

「真逆も真逆だ!! あいつは大聖堂地下に捕らえられているんだよ!! 教会が定める人類の敵、即ち大罪スキルを持つ者としてなぁ!!」

「えっ、えぇっ!? う、嘘でしょ?」

「本当だ。俺の目的はそっからアイツを助ける事だ。チッ、こんなことなら連れてこなきゃよかった……。」

「アイツ、あんなに優しいのに大罪魔なの?」

「チッ、本当に何も知らねぇんだな!! チッ、言い合ってる時間が惜しい。死ぬ覚悟があるのならついて来い。」

「……、笑わせないでちょうだい。覚悟も何もあるもんですか!!」

「ねぇなら来るな。あそこは部外者が遊び半分で行って生きて帰れるほど、生優しくない。少なくとも、お前を簡単に殺せる俺ですらそうだ。そこになんの覚悟もないままに入る? ふざけんじゃねぇぞ!!」

「死ぬ覚悟なんて出来るわけないじゃない。私が考えるのはいつも、生き残ることだけよ。」

 

 どちらも、相応の思いがある。

 相応の決意がある。

 

 だから、この討論に意味はない。

 

 決着など使いのだから。

 

「話にならねぇ。お前のことなんぞ知るか!!」

「いいわよ別に。勝手に動くから。」

「はっ、邪魔だけはするな。」

「そっちこそ。」

 

 そう言い、2人は同じ方を向いて歩き出す。

 

 そう、教会に向けて。

作者的な箸休め回。

短いけど許してください。m(_ _)m

(前回濃かったし今回は少し薄くしようなんて思ってないんだからね!!)

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