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69 再来

「さて、強欲もどっか行っちまったし。いい加減、向かうか、大聖堂に。」

 

 そういうと、膝をたたき気合を入れる。

 

「よぉーし!! 早速向かうぞー!!」

 

 ギギャッ!!

 

 唐突に行く手を阻むように現れるゴブリン。

 その姿に嫌そうな顔をしながら銃を出す。

 

「おいおい、なんでこんな時にゴブリンなんだよ。チッ、とっとと、処理するぞ。」

 

 宙に浮く計10丁のピストルから同時に球が飛び出す。

 一直線にゴブリンへと。

 その弾丸は一直線に、ゴブリンの頭部へと飛んでゆく。

 

 一瞬。

 

 発砲音に一瞬遅れて鳴り響いたのはゴブリンの頭部の破裂音。

 半径一メートル程度が血と肉に塗れる。

 

 ギギャッ!!

 ホーロロロロ!!

 ブモォォォォォオオオオ!!

 

 銃の音に惹かれて無数の化け物が音の方向に進軍してくる。

 

「時間が無いんだ。悪いが蹂躙させてもらう。」

 

 そう言って、十丁のピストルなんて甘い物は消えてゆく。

 裏から出てきたのは戦時中猛威をふるった機関銃やロケットランチャー、毒ガスを撒き散らす兵器を出していく。

 

「さて、蹂躙劇の開始だ。人間サマの悪意の塊とくとご覧あれ。」

 

 視界にモンスターが現れる。

 角内を見た瞬間全てのモンスターは餌だとばかりに追いかけてくる。

 その化け物どもを見て角内は。

 

 ニヤリ、と口角を上げた。

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 ドガガガガガッッッ!!

 

 さながら、その様子は何も知らない原住民を近代兵器で殺す様。

 もう、集まった大半のモンスターは逃げ出している。

 本能で分かったのだ。

 

 敵う相手でない、と。

 

 今いるのは、それすら理解できない愚かな魔物だけ。

 それを無慈悲に、残酷に、残忍に、殺し続ける。

 

「一斉掃射、敵を殲滅しろ。」

 

 事前に決めていたコマンドを口に出す。

 口に出さなくても発動はするがそれを言うのは野暮だろう。

 コマンドによって陣形を変えた銃たちは、あらゆる破壊痕を残して残る一匹に銃を突きつける。

 

「これでラストか。せめて、楽に殺してやるよ。」

 

 パァンッッッ!!

 

 銃声が響く、それと同時に銃が消え始める。

 

「先を急がなきゃな。」

 

 それだけ呟くと、彼は走り出し不意に止まる。

 そして、そっと銃を展開すると

 

「そこにいるのは誰だ?」

 

 と、木陰に質問を投げかけた。

 

「ッッ!!?」

 

 ビクッ!! ガチャガチャガチャンっ!!

 

 

 警戒するのも馬鹿らしくなるほど大袈裟な反応を返すその不審者に対して角内は警戒するのも馬鹿らしくなり銃を消した。

 

「誰だ? お前。場合によって……」

「ゆ、ゆるしてくだしゃぁぃぃぃいいい……。」

 

 角内の二度目の問いかけの脅しを聞いた瞬間、額を地面に擦り付け誤り倒す女騎士がそこには居た。

 

「はぁ。」

「ゆ、ゆるしてくだしゃぁぁいいい。なんでもしましゅかりぁぁぁぁああああ!!」

 

 泣き叫びみっともなく叫び倒すその女騎士の姿を見て角内は内心

 

(残念騎士だな、こいつ。ほっておこう。)

 

 と、判断しサクッと目線を逸らすと黙って歩き出した。

 

「む、無視するなぁー!!」

「なんなんだよ、お前……。」

「よくぞ聞いてくれた!! わたしはとある町の女騎士!! 日夜、事件を追いかけ敵に屈せず解決するスーパーエリート!! その名もぉ〜」

「あ、興味ないので。」

 

(関わったらめんどくさいやつだ、コレ。無視しとこう。)

 

 皆さんお気づきかとおもうが、彼女はそう。

 あの残念騎士なのだ!!

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