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67 ーー

「貴様は、どうするのだ?」

「どうするって何がだよ?」

「我は一度、ある場所に立ち寄らなければならなくてな。貴様はどうするのだ?」

「おい、ちょっと待て、聞いてないぞ。」

「フハハ、当然だ。言ってないのだからな。」

「いい加減にしろよ。お前。」

 

 青筋を立てながら半眼で睨みつける角内。

 それを飄々と受け流しながら武装を切り替える強欲。

 

「って、ちょっと待った!! お前その防具や武器どっから出した?」

「ハッ!! 手の内は隠すものだぞ?」

「そうか、強欲の権能か。」

「そう思うのなら勝手に思っておけ。」

「ブラフで言ったのにマジっぽいな。」

 

 正解を言い当てられてか、はたまた別の要因なのか。

 唐突に不機嫌になる強欲。

 その様子を見てボソッと呟く姿は年相応の少年のようだ。

 

「そうか、まぁ、それはいいだろ。んで、どこに行くつもりだ? お前は。」

「大罪種の村に、少し忘れ物があってな。無くては困る物ではないがどうせ近くにあるのだ。取りに行きたくてな。」

「そうか。それで、どこで落ちあうつもりだ? まさか考えてないなんてことは……。」

「フッ、くだらんことを聞くではない。3日後、大聖堂に決まっておろう。」

「そうか。ああ、一つ聞くけど聖域を開く手はあるんだろうな?」

「あるに決まっているであろうが!! まさか馬鹿にしてるではあるまいな!!」

「してないしてない。と言うか、お前一人で聖域を開けるのか? お前一人で。」

「当然だ。」

「どうやってだ? お前の権能。予想を立てるに火力は低いはずだぞ? なのにどうやって開くつもりだ?」

「頭を使え。我は強欲だぞ? チッ、御喋りに興じていたら時間が足らぬではないか。我は行く。貴様、遅れるでないぞ。」

「当然だ、お前こそ遅れんなよ。」

 

 そういうと、強欲は来た時と同じく歩いて、角内の視界から消えゆく。

 その後ろ姿を見ながら、ハア、と息を吐いた後。

 

「まったく唐突すぎんだろ、あいつ。けどまぁ、協力が得れたのはデカいな。仮にでも大罪。相応の戦力を確保できたと喜ぶべきか。」

 

 そういうと、角内も歩き出した。

 約50キロ離れる大聖堂に向けて。

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「お久しぶりですね。コマチは元気でしょうか?」

「お久しぶりです。ルスト様。残念ながら、目を覚ましません。」

 

 一風変わって、ここはかつて福幸がいた町の服屋。

 そう、コマチの叔母が運営しているあの服屋だ。

 

「久方ぶりに見た可愛い曾孫が大罪に苦しんでるのは見てて堪えますね。」

「貴方様の御手を煩わせたのは非常に申し訳なく思います。」

「構いません。我ら大罪種族……。いえ、昆虫種族に類する存在はいつの日か大罪スキルが芽生えます。その時が彼の手によって早まっただけでしょう。」

「慈悲深く、有難うございます。」

「泣くほどのことではありません。我ら大罪魔と称される大罪スキル保有者が増えるのは私としても非常に嬉しいことです。何せ、あの女神への対抗策が増える訳ですから。」

「本当に慈悲深く……、ありがとうございます。」

「では、本題に移りましょう。彼女の精神状態ですが、大罪の誘発及び覚醒と偶発的でいながら悪手を使用したことにより崩壊寸前です。」

「悪手、とは?」

「我々の持つ色欲の他者へと惚れる条件です。本来はそう簡単に達成できる物では無いのですが……、詳しいことは置いておきましょう。私も理解しかねてますから。」

「は、はぁ。」

「さて、話を戻しましょうか。彼女の精神状態をある程度安定させる方法はいくつかあります。ですが……」

 

 そう言って、言葉を切る。

 角内と話した時ですら無表情だったその顔が怒りで歪んでいる。

 

「我々は遅すぎた。女神の介入が伺えます。強制的に美徳を植え付けられ精神状態が安定することはただ一つの手段を除きありえないでしょう。」

「美徳を植え付けられているのですか!? 何を植え付けられているのでしょうか?」

「人徳、ですね。コレは我々にはあまりにも毒が強い。人の恨みを請け負う我らには。」

「では!! どうすれば!!」

「諦め悪く、足掻くというのであれば方法は一つあります。」

「そ、それは?」

「それはーーーー」

 

 紡がれた言葉は一体、何を思って言われたのだろうか?

えっと、あのー、クオリティが終わってますね。(((殴

質問等がありましたらお聞きください。

二章は書いてる僕ですら書ききれてるか不安なところがありますから。

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