表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/153

55 生活事情

 おもむろに、ポーチからオーク肉を出す。

 

 ジュゥッ……

 

 いい音がなり、食欲をそそる音が福幸とコマチの耳に届く。

 そこに、福幸特製岩塩(粉末バージョン)を振り掛け暫くしたあとひっくり返す。

 程よい焦げ目がついており、肉汁が今にも溢れんばかりに犇めいている。

 そこに先ほどと同様に塩を振る。

 食欲をそそる匂いが充満し始める。

 だが、福幸はそんなのお構いなしに謎の調味料を振りかける。

 メイドのノーブルから渡された調味料で味を調える。

 この調味料の正体は判明しておらず魔物由来のものであるのは確定しているのだがなんの魔物かというのは不明だ。

 まぁ、それを少し振りかける。

 そして、しばらく焼き完成した。

 

 隣では、コマチがキャベツのようなものを千切りにし更に盛り付けていた。

 ドレッシングは福幸の実ガチャ出た実を使っている。

 ほとんど、実が被らなかったとはいえ似た傾向似た種類の物はかなり出ている。

 それらをいくつか混ぜ合わせたドレッシングだ。

 ついでにかなり美味しい。

 

 それを、かけたあと福幸の肉を置く。

 そして完成した。

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「ふぅ、頑張ったな。」

「ふぉいふぃいふぇすふぇ」

「うん、食べ終わってから喋ろうな。」

「お代は銅貨5枚だよ。」

「せっこい商売してるな。」

「はんっ、文句があるなら使わないこった。」

「いや、文句ないけど。2つ余分に作ったからそれで相殺できます?」

「チッ、今日のところは許してやるよ!!」

「なんで悪人ロールプレイ?」

「さ、さぁ?」

 

 というわけで、二人共大人しくご飯を食べ部屋に戻る。

 その途中に、宿屋の夫婦に余分に作った分を渡すのも忘れない。

 

「おおっ、こりゃ絶品だね!! あんたのよりうまいんじゃないか?」

「いや…………………、肉の味が活かせきれてない…………………………。だが……………………、参考にはなった…………………………。これはどこの調味料だ?」

「さ、さぁ? 一応貰い物ですので。」

 

 本当にそうだから何も言えない。

 まぁ、一頻り話したあと二人は部屋に戻る。

 その後は、コマチが勝手に名付けたイチャイチャタイム(死語)。

 やることは本当に大したことはない。

 ただの福幸の暇つぶしの遊びだ。

 内容は、親指ゲーム(せっさん)やしりとりあっち向いてホイなどの誰もがやったことがあるであろうゲームだ。

 ついでに、せっさんは福幸の勝率は0だ。

 悲しきことかな?

 

 そして、その後寝る。

 ついでに、コマチと福幸は別々の場所で寝ている。

 だが、福幸が寝たのを確認したコマチがこっそりと福幸の方に忍び寄って一緒のベッドで寝ているのだ。

 この世界のベッドは別に良質なものではなく、この宿屋は大きな袋の中に程よい硬さの青草を入れその上に大きな布を被せてマットレスとしている。

 また、掛け布団はモンスター製の羽毛が入っており無駄に重たく熱がこもりやすい。

 正直、日本製に慣れている者は使うのをやめたほうが良いほどひどい惨状である。

 

 だが、地獄の特訓を終えた福幸はそのような苦しみはない。

 寝れない日がほぼ毎日だったのだ。

 寝れるだけで有り難いというもの。

 コマチに関してはこの世界のものであるため言わずもがなだろう。

 

 こうして、二人は睡眠を取り夜が更け朝となる。

 先に目が覚めるのは決まって福幸だが、福幸が支度する音を聞いて飛び起きすぐさま支度をしていつでも愛しの御主人様を迎えれるようにする。

 福幸が、顔を洗い部屋に戻ってくるとポーチとククリナイフ、不屈の魔剣を手渡しながら予定を聞くコマチ。

 福幸は、昨日の寝る前に決めていた予定を告げつつやらなければならないことを整理する。

 今日は、服の洗濯だ。

 洗濯の描写が一切ないと思っていたかもしれないが、この世界には魔法が存在している。

 基本的には、その魔法で服や体の汚れを取り去るのだがやはり水浴びもしたほうがいいし服も手で洗ったほうがいい面もある。

 そのため、数日に一度は必ず服や体を洗うことにしている。

 

 水浴びのシーンはカットし(野郎の水浴びなど見たくもないだろう)服の洗濯になる。

 洗濯板のような物と桶を使い擦って洗う。

 すると、やはりというべきか汚れが少しづつ取れてゆく。

 そして、洗い終わった服を干しつつ汚れた水は裏手の水路に流す。

 この水路はいくつかの場所を通ったあと運河に通じる。

 

 おっと、この世界での糞尿や先ほどのような汚水が運河に流れては困るのではないかと思ったかもしれないが実のところそこまで問題はない。

 流れたとしても運河を汚染する程ではない。

 精々、下流の水が多少汚いと思われる程度だろう。

 それに、この程度の汚染ならば海に住む生物たちの栄養ともなる。

 この世界には魔物という存在がいるのだ。

 そいつらの生命力は地球の生物の比ではない。

 これぐらいの汚れならばそいつらにとっては栄養となる。

 つまりなんの問題もないのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ