表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/153

15 七つの大罪

「いっ、ててて……」

 

 剣姫のワープにより森の中で10センチほどの高さから落ちた福幸はあたりを見渡す。

 

「どこだここ?」

 

 見たことない森の中。

 高さ、8メートルほどの木が生え並びその葉で太陽の光が覆い隠されている。

 

「いや、まじでどこだよ。」

 

 先程までの、別れの涙はもう乾ききっていた。

 図太いのかはたまた別れを苦にしないのか……。

 まあ、それはいいだろう。

 次に、福幸が目にしたのは自分とともに送られてきたボストンバッグだった。

 

「えっと、たしかこの中に俺が部屋に置いてたものと多少の褒美が入ってるって言ってたな。」

 

 言葉を思い出すといそいそと中身を探り出す。

 

「これは……実ガチャのアイテムか、これもこれもこれもだな。たしかに部屋には沢山実を置いてたけど……、飯に困らないようにおいてたけどこんなに詰められても要らないんだよなぁ……、はぁ。食べながら整理するか。」

 

 そう決めたあとむっしゃかむっしゃか食べながら鞄の中身を出してゆく。

 

「ふぉれふぁふぅくか。ふぁふくない。ふぉ、ふぉふぁひふぉいふぉいふぉ……|(これは服か。悪くない。お、他にも色々……)」

 

 そう言いつつカバンの中身を全部出し切り何が入っていたのか確認する。

 

「実は沢山で……、服が上下下着計2着づつ、あとはククリナイフと剣の鞘に着けられるタイプのポーチに手紙……手紙か。」

 

 そう言うと、物音が聞こえたのですぐに移動できるようにしあたりを見渡す。

 

「ギャギャッ!!」

 

 聞こえてくるのはゴブリンの鳴き声。

 まだこちらへは気づいてないみたいだったが気付くのは時間の問題だろう。

 慌てつつも冷静に腰の鞘に入れていた不屈の魔剣を取り出し……仕舞う。

 あたりは木が生え並んでいる。

 片手剣とはいえ振り回しづらい場所なのだ。

 今度こそ冷静になり腰の後ろに付けていた鞘に入ったククリナイフを鞘から取り出す。

 そして、魔法を発動する。

 

「風よ、自然と災害の証の風よ、天地が轟き(とどろき)生命が恐怖する畏怖の証の雷よ。私に力を与え給え。【サンダー】」

 

 呪文とともに目の前に単純複雑な魔法陣が描かれる。

 そして、黄色く発光したと思えば雷が飛び出しゴブリンの後頭部を焼く。

 

「えっ? これだけ?」

 

 そのことに一番ビックリしていたのは福幸だった。

 あの大陸に存在していた魔物は全て化け物であり今の魔法は福幸が撃てる最大火力の魔法だったりする。

 まあ、その魔法でもまともにダメージが入らないのがあの大陸の魔物だったりする。

 

「待てよ……もしやここは別の大陸だったりする……のか?」

 

 そう考えたら調べるのが当たり前。

 というわけで、手頃な石を変換する。

 この世界には魔力というものが存在する。

 そして、保有する魔力量で価値というものは変わってくる。

 

「うっわ、なんだこの実。」

 

 出てきたのは本当の意味で大した価値もない、もしくは無いように見える実だったのだ。

 

「本当に価値がなければ状態異常的なやつも出てこないはずだし取り敢えず齧るか。」

 

 そう思い口に含む、そして吐き出す。

 

「食えねぇ食えねぇ!! ムリムリムリムリ」

 

 味は一切ないくせに苦味が強すぎる実がそこにはあった。

 流石の福幸でも苦い実は食べられないのだろう。

 吐き出したあとなんとなく実を土に埋める。

 

「ペッ、ペッ、苦げぇ。毒で口の中の味変えるか。」

 

 そう言い、毒の実を噛り吐き気や目眩などが起き涙目になるのはまた別のお話。

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 ────大罪スキル︙暴食 を獲得しました。これにより存在値が増えます─────

 

「は?」

 

 バッグの中に入っていた実を粗方食べ終わりお腹もいっぱいになったときこのアナウンスが響いた。

 

「た、大罪スキル……だと?」

 

 戦慄するように言う。

 所詮、福幸も高校生。

 厨ニ的な物には惹かれるものなのだ。

 暫く、ブツブツと全く意味のない呪文を言ったりしたあと一度冷静になり顔を真っ赤にする。

 そして、それを紛らわすようにステータス画面を開く。

 ────────────────────────

 名前︙福幸 那人

 種族︙超人

 スキル

 麻痺耐性(中)

 毒耐性(中)

 痺耐性(中)

 出血耐性(中)

 目眩耐性(中)

 火耐性(弱)

 電耐性(弱)

 寒耐性(弱)

 熱耐性(弱)

 激痛耐性(中)

 剣術(弱)

 自己再生(弱)

 筋力増強(弱)

 悪食(中)

 魔法︙火(弱)

 魔法︙水(微弱)

 魔法︙風(中)

 魔法︙土(弱)

 魔法︙闇(微弱)

 魔法︙光(微弱)

 上位魔法︙雷(微弱)

 気配察知(微弱)

 基礎強化(微弱)

 

 特異スキル

 食欲(微弱)

 

 大罪スキル

 暴食

 

 EXスキル

 実ガチャ(神)

 ────────────────────────

 

「最初と比べるとだいぶ増えたな。」

 

 感慨深げにそう言うと、取り敢えず暴食の説明を見る。

 

 ────────────────────────

 大罪スキル︙暴食

 

 ────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

            逃げれると思うなよ。────────────────────────

 

「こっわ!? めちゃ怖!!?」

 

 思わず、絶叫を上げる福幸。

 バサバサと数十羽の鳥が逃げ去った。

 そして、また静まり返る森。

 

 一つ、ため息をつくともう一度土の上に座る。

 

「さぁ、今後どうしようかなぁ……」

ようやく、タイトルテーマの暴食スキルが来ましたー!!(・∀・)

ここからは主人公のターン!!

えっ?違う?手に入れただけ?あ、はい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ