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103 怒れる獅子(レオ・バーサーク)

「あら? あらら? 雑魚が増えましたのですわ?」

「雑魚? 俺を雑魚って侮るのか?」

「ねぇ♪ ねぇねぇ♪」

「黙れよ。吐き気がする。ペッ!! お前のせいで血が出ちまったじゃねぇか。」

 

 

 福幸はそう言うと、地面に倒れているレオを一瞥する。

 

「レオ、立てるか?」

「見てわから……、ない?」

「だよな。」

 

 福幸はそう言うと、再度何かを確認するように手を見る。

 

「レオさん。」

「改まって何だよ?」

「あいつらを殺すために死んでくれるか?」

「……、唐突だね。」

「ああ。」

「それをすれば……、勝ち目はあるの?」

「知らん。けど、必ず殺す。」

「……、フフッ。」

 

 レオは笑うと、もう熱が宿っていない体を無理やり動かし御子の一人を指差す。

 

「アイツを殺してくれないかな?」

「お安い御用だ。」

「じゃぁ、ボクの命を君にあげる。」

「ありがとう。」

 

 そう言うと、ほんの数日しか過ごしていない相手に対して福幸はとても大きな感情を向けていたことに気づく。

 それが何だったのかはわからない。

 故に、その感情を押し殺す。 

 もう少ししたらわかってしまうかもしれない。

 その感情を押し殺してこう告げる。

 

「喰らい尽くせ、『暴食』」

 

 手から黒い霧が溢れ落ちる。

 それは徐々にレオの体を覆い10秒も経たないうちに全て消えた。

 

 此処にて、一人の男の復讐劇は幕を閉じた。

 

「話はついたか? 福幸。」

「ああ。殺人って……、辛いな。」

「その感触を忘れるなよ。」

「分かったような口を聞きやがって。………、分かってるっての。」

 

 再度二人は敵を見据える。

 

「俺は彼奴を殺す。」

「じゃあ、俺は気色悪い方だな。」

「あらあら,ひどい言い草ですわね? 彼女も女ですわよ?」

「ひっどぉーい♪」

「「知るか!!」」

 

 二人は口を揃えてそう言うとそれぞれの武器を展開、又は構える。

 

「好戦的ですわね。」

「今更だな。」

 

 福幸は、そう御子に告げると駆け出す。

 

「レオからの遺言だ。『お前を殺せ』とよ。」

「では、その望みは叶いませんね。」

「ああ、そんな望みはないからな。」

 

 剣を打ち込む。

 

「お前を殺すのは望みでもなんでもない、ただの通過点(・・・)だ。」

 

 やはり、剣は不自然に止まる。

 

「私の美徳を貫けずに私を通過点というのですか? 呆れて笑いが止まりませんわ。それじゃぁ、彼の遺言も無駄ですわね。」

「そうか? そう思うのは勝手だが。」

 

 福幸の体の血管という血管が焼かれる。

 血が沸騰する。

 その姿はまるであの大罪魔の様だ。

 

「お前の弱点と、能力は見破ってるんだよ。」

 

 パキン。

 

 何かが割れる音がした。

 それと同時に、福幸の不屈の魔剣とククリナイフが彼女を襲う。

 

「いい加減怒らせるな。死者は弔うものであり嘲るものではない。お前の行為は、彼奴の純粋な怒りへの侮辱だ。」

「ッ!?」

 

 福幸の剣技は洗練される。

 初動の加速から動きの制御まで。

 多少ならば行える程度には、福幸は経験を共有できる。

 何故か、問うまでも無い。

 

 レオの能力を喰らい得た福幸は莫大な身体能力と共に異常なほどの自己治癒能力を得た。

 

 即ち、体への負荷を多少軽減できる様になったのだ。

 鋭い一撃は、レオの身体能力と合わさり石を砕き、鉄を裂くまでに至った。

 そこまでの物は流石の忍耐といえど防ぐことはできない。

 

「お前の能力は一定値より強い攻撃しか食らわない。だろ?」

 

 レオの力を使っているのだ。

 そこに宿る思念も自ずと分かる。

 その思念が訴えたその言葉を理解して福幸は剣を振るう。

 

「死ね、レオの仇だ。」

 

 怒りなく憤怒を扱う少年は真っ正面から仇と相対する。

 通過点と見定めた、その仇を。

と言うわけで能力名は怒れる獅子レオ・バーサークです。

そこっ、厨二病とか言わない!!

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