101 後半戦スタート
「ウガァァァアア!!」
全身から血の蒸気が立ち上る。
理性は消えた。
手に現れた鮮血の鉤爪。
それが、御子を襲う。
その化け物が御子を襲う。
「だから、無意味ですって。」
やはり、明らかに当たる直前で謎に停止している。
身体に傷をつけるあらゆる行為が強制的にストップしている。
「私の権能の前に貴方は成す術はありませんわ。」
声だけは冷静に、機械のようにそう答える。
顔は愉悦に歪み性格の悪さを表してはいるが。
「 」
苛烈さを増す攻撃はレオの血液の爪を維持させられないほどの威力となり自然と砕ける。
「ご自慢の爪も砕け散りました。貴方のご友人である異界の生ごみ風に言うとチェックメイトですか?」
「 」
声はない。
怒りに呑まれた獣が一匹、そこにはいる。
「面倒ですし、とりあえず」
そう言い、彼女はレオを気絶させた。
綺麗な肉体のまま沈んだ彼の体はその場に放置されたままだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「・・・・」
福幸は目の前の存在を殺さなければならないと。
観た瞬間に理解した。
相手の体は血で染まっており、その姿は残忍で顔に浮かんでいる愉悦は福幸の反応を楽しんでいる。
その余裕を崩そうと、福幸は先手とばかりに魔力の球を発射する。
「無駄ですわよ? しっかし、こんな雑魚にお姉様が注意を向けるなど面白いですわね。」
魔力の球は、やはりレオの攻撃と同じく不自然に停止し消滅する。
その光景を見つつ、福幸は思考がクリアになってゆくのを感じた。
正確に言うとクリアになったのではない。
食欲より何かの意思が優ったと言うのが正解だろう。
(たしか、奴は殺してないって言った筈だ。ならば、まだ希望はあるっ!!)
「ん? お姉様?」
「よくご存知の貴方を殺そうとした者ですわ。しかし、その様子ですと思考が戻ってき始めたようですわね。」
「そうか。じゃぁ、同じ知り合いということだしここは一旦引き下がるってことは……」
「断りますわ。」
「だな。」
分かりきった質問をして最善策を練るための時間稼ぎをしようとしたがそれも一瞬にして霧散する。
(とりあえず、ここは逃げる。さっきの魔力の球の動きが明らかに不自然過ぎたし何より背中の羽がクソ気になる。)
「逃がさないよ♪」
「ウザいしキモいっ!!」
反応速度の限界を以て横に飛び退く。
明らかに先程より動きが悪くなっている。
先程までなら余裕を以て、とまではいかないもののカウンターを発生させれた攻撃が避けるのが限界となっている。
(し、死ぬっ!?)
攻撃を避けたのにもかかわずその恐怖を与える攻撃は次々に連続して攻撃を重ねられる。
ギリギリ、反応速度の限界を平然と連打してくる攻撃に対し成す術なく避けるしか不可能な状況で思考は恐怖に染まる。
いや、染まりかける。
「えっ、何? これ?」
福幸が素の反応で|変形しているククリナイフ《・・・・・・・・・・・・》を見る。
その隙をついて体を滅多刺しにされる。
「いってぇ!? 痛い、痛い!!」
叫ぶことができる程度の痛みに悶える。
傷口は瞬時に再生し痛みは悲鳴が出せる程度に軽減されていることに気づかない。
「♪?!! ♪!? ♪??!?」
痛みによって狂わないことに驚き警戒する。
戦況は変化し出した。
投稿が遅れた理由の弁明を一つ
夏休みに入ってやる気が湧きませんでした(((




