邪神ちゃん お説教される 1
「と、いうわけでしたの」
「ゆーざい」
「何故私はまた正座させられているのだ……」
あれからごたごたあったものの、一旦学園に戻ってきた私たちは数日後サラに報告をしていた。
なぜかメーラの部屋で、私だけ中央で正座させられている。
正直足が痺れてかなわんのだが……
「もう、またアルカちゃん一人で危ないことして!」
そしてサラは怒り心頭だ。自分だけが除け者だったということもある。が、どうにも死にかけた、実際死んだわけだが、をとても気にしているらしい。
とはいえ、あの場はあれが最善だったのだ。でなければメーラとニャルテは今頃もれなくミートパティだ。
「いや、あの場は仕方なくだな……」
「それでも! アルカちゃんはいつも人を頼らず自分でなんとかしようとするんだから。悪い癖だよ!」
「う、うむ……」
その彼女の剣幕に押され、私にはもはや頷くことしかできない。
次代の勇者、実はサラだったりしないか? 本当に。
「メーラちゃんとニャルテちゃんはお疲れ様。で、王子様に求婚されたって本当?」
「本当ですわ。第三王子リカルド殿下、確かに第一王子のガラルディ様に比べるとぱっとしませんが、同年代では優秀な方とお聞きしておりますわ」
「学園で各部門で一位は取れないけど、総合で2位にいる」
ほほう、あやつ私が知らぬだけでなかなかの有名人かつ才人であったか。これは交流を深めるのが楽しみになるな。
「それをアルカちゃんは真っ向から断ったと」
「思いっきりフってましたわねぇ……」
「あそこで折れない辺り、殿下は強い」
人を悪いみたいにいうが、良く知りもせぬやつと許嫁だの妻だのと契約を結ぶわけがあるまい。
あやつの為人がサラやメーラ、ニャルテに並ぶほどであったら考えてやらんでもないがな。
「まぁとりあえず、アルカちゃんはギルティで」
「ゆーざい」
「とりあえずで罪人にされても困るのだが……」
だが、私の言葉を聞いてくれるつもりはないらしい。そっとメーラが私の背後に回る。
「罪には罰がつきものですわ。頃合いですかね。そーれっ」
つん、とメーラの細い指で足が押される。とたんに下半身に走る痒みとも思えるような痺れ。
「おま、ちょっ! まて!」
「まちませんは、ほぐしてさしあげます」
「くはははははは、やめはははははははははしびれれははははははは!」
ぐにぐにと足を揉みほぐされると全身に痺れが駆けまわる。それをなんとか自分らしくないとは思いつつも笑いながら堪えれば、いつのまにか足は正常に戻っていた。
「もーだいじょうぶだ。おしまいだおしまい」
「まーだ、ですわ」
「ふぅんっ」
ガシッと肩を掴まれ、耳を甘噛みされる。それだけでなぜか気の抜けた声がでてしまう。
「今のは王子の求婚を真正面から断った分。これからが私たちに心配をかけた分ですわ」
「まて。な? 私がわるかった今後はしないと誓おうだから耳はやめろ耳は!」
「だめですわ、はい。あーむんっ」
未だに審判神によって体の感度をいじられた私の体は、感覚がかなり鋭い。おもにその、言いたくないが快楽的な方向で、だ。
そして私は人間の身になって初めて知ったが、耳が弱いらしい。軽く甘噛みされるだけで力が抜けていく。
「前回からの対策もばっちりですの。それと今回は重い罰なのでこれだけではありませんわ。れろぉ……」
「にゃぁん!」
どうりで、私の正座する場所にシーツが折り畳まれて敷かれているわけだ。喉からでる声は止められぬが、あのような醜態は二度と……
だが、その決意を耳の中に侵入したメーラの舌がぽっきり折っていく。粘着質な音と、ぬめっとした感触それらがすべて快楽へと変換されていく。
「あむ……ちゅ……ろーれすか?」
「やめ、にゃめれぇ」
手で耳を押さえようにも、両手はニャルテに押さえつけられ、体の上にはメーラが乗っている。
サラは両手で目を隠して……隙間から見ている。こやつが実は一番タチが悪いのではないか?
「まだまだ余裕ありそうですわね。ニャルテ」
「りょーかい。かくごー。あむにゅ」
「ひぃあん!」
ニャルテが反対の耳を、舐める。
左右両方の耳から遅いくる感覚に
私は耐え切れるだろうか。




