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第六話-1 生ゴミ
「援軍を連れて来たよー」
泥沼のような足元を気にしてずっとうつむいていた私は、西さんの大声にぱっと顔を上げた。
西さんのヘッドライトの明かりが、遠く前方を指している。
一直線に伸びたその光には雨の軌跡ばかりが映りこみ、ほとんど何も見えない。
「おう、こっちこっち」
雨の音に混じって、遠くの方からかすかに声が聞こえる。
どうやら仲間と合流したようだ。
声のする方に近づくにつれ、先ほどから周辺に漂っているナマ物が腐ったような異様な悪臭は、一層きつくなっていく。
緊張で手のひらがしびれてくるのを感じながらさらに歩を進める。
すると、仲間のものと思われる三人の背中が視界に入ってきた。
彼らは横に並んで何かを眺めているようで、じっと立ったままの状態だった。
そのうちの一人だけが、西さんと同じく頭に黄色いヘルメットをかぶっている。
残りの二人と比べて背が高く、広い背中をしており、雨具の上からもがっしりとした体格であることが容易に見て取れた。
「見つかったのかい?」
西さんがヘルメットの男のそばに寄り、声をかける。
「ああ、これだよ。結構大きいでしょ」
「へぇ、これは大物だねぇ」
二人は地面の方を見ながら、気楽な調子で会話をしている。
私は二人の視線の先に何があるのか気になり、さらに一歩前へ出て地面の様子を伺った。




