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清掃作業  作者: 春江口
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第一話 求人募集

文章とか全然下手くそですみません。

もし良かったら感想ください。


今日も暑い。

九月もそろそろ下旬にさしかかる頃だというのに、真夏並みに大きく腫れあがった太陽からの強烈な日差しが、部屋の温度を確実に上げていく。


少しばかりの涼風を期待して窓の方を見やる。

外からは元気良く遊びまわる子供達の声が聞こえる。

この炎天下のさなかで、無邪気に遊んでいられる子供達をうらやましく思ってしまう自分は、もう堕ちるとこまで堕ちてしまったのだろうか。


さっき買ってきたばかりのミネラルウォーターが早くも底をつく。

できればこの部屋にもエアコンをつけたい。

しかし、この歳になって、いまだにバイトを転々とするような状況の自分に、そこまでのお金の余裕はない。


額からにじみ出てくる汗をぬぐいながら、求人誌をぱらぱらとめくる。

人付き合いが極端に苦手な自分にできるような仕事は、そう簡単には見つからないだろう。


とは言え、背に腹は変えられない。

春に少しばかりのバイトをしてから最後、ここ何ヶ月間、まったく働いていないのだ。

そろそろ貯金が底を着く。


あせりからか、いつもより丁寧に募集記事を眺める。

どれもこれも長続きしそうのないものばかり。


とりあえず、生きていくための金がいる。

私はいつもであればあまり見ることのない、短期バイトのページにも目を通してみた。


――簡単な清掃作業。

それがそのページで唯一、目に留まった求人の仕事内容だった。


『日給一万円』

『野外での簡単な清掃作業です。夜間に働ける方を募集しています。初心者大歓迎!』


初めてみるような仕事内容に若干の不安を感じるものの、専門技術も必要なさそうだし、人と話す機会もあまりなさそうなのが、なにより好印象だった。


他の募集記事にも一応目を通してみたが、結局これが一番自分に向いている仕事のようだった。

私はさっそくそこに書かれてある番号に電話をかけてみた。


「もしもし」


受話器から聞こえてきたのは、かなり威圧感のある声だった。

声の主が社名を名乗らなかったことに違和感を感じ、少し間を置く。

しかし相手は一向に喋り出す気配がない。


番号を間違えただろうか?

恐る恐るこちらから声をかけてみる。


「あ、あの、求人の募集広告を見たんですが……」

「ああ、清掃作業の? 夜のバイトだけど大丈夫?」

「あ、はい、大丈夫です」


話が通じた安心感からか、幾分気が楽になった。

いつものこととは言え、応募の電話は私にとって一番の厄介事だ。

大抵はこの時点で先方にあまり良い印象は持たれない。

今回は少なくとも面接まではこじつけられそうだ。


「君、名前は?」

「前田です」

「前田君ね、年齢は?」

「二十五歳です」

「ああそう。次の作業は来週の月曜になるんだけど、来れる?」


一瞬、返答に詰まる。

いきなり面接もなしで採用ということなのだろうか。

こんなことは初めてだ。


とりあえず肯定の返答をすると、当日の集合場所を指定され、こちらの連絡先を伝えると、先方はあっさりと電話を切った。


あまりのあっけなさに、私は不安を感じずにはいられなかった。

わずか一、二分の出来事だった。


そういや、具体的な仕事の内容を聞いてなかったな。

ひょっとすると、結構重労働なのかもしれない。


今まで数多くのバイトを経験していくうちに、学んだことがある。

『簡単な』作業とは、作業内容が単純であると言うだけで、決して楽な作業のことではない。

とんでもない肉体労働だったり、劣悪な環境で働かされたり、という可能性もないとは言えない。


そう言う意味でも、仕事内容はちゃんと聞いておくべきだった。

まぁ過ぎたことを悔やんでも仕方がない。

どうせ一回限りのバイトだ。

一日我慢すればいいだけのこと。


それにしても……。

野外の清掃作業ってなんだろう……。


私は心にひっかかる何かを感じながらも、わずかばかりの生活費を確保できた安心感からか、その日は久しぶりにぐっすりと眠ることができた。



記録的な残暑が続く、ある夏の日の出来事だった。




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