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隣の芝生は青い

隣の芝生は青い。




私は、友人達の会話を聞きながら思った。



友人B

「あ~あ、友人Aは良いよねぇ。

イケメンの旦那に、可愛い三人の子供!!

絵に描いた様な幸せ家族!!


ウチなんて、零細企業に勤める旦那に、

障害児の子供一人よ?

まぁ、障害あっても子供は可愛いけどね」



友人C

「障害児育てるのって、

私達にはわからないけど、大変だよね……


けど、やっぱり私は障害児だとしても、

子供がいるだけで羨ましいなぁ。

ウチは、子供が欲しくても出来ないから……」



友人D

「そうだよね、不妊治療頑張っていたもんね。

欲しいけど出来ないツラさって、

普通に出来る人には絶対にわからないよね。


けど、私は添い遂げる人がいるだけで羨ましいよ?

この年で結婚すらしてない私としてはさ」



「独りの寂しさって、体調崩した時に感じるよね。

普通に会社行ってたりする時は何ともないのに。


けど、私はその気楽さが今は心から欲しいよ?

三人も子供いると、全く自分の時間なんてないし、

何をするにも高くついちゃう」



友人B

「結局、無いもの強請りなんだよね~。

先の事を考えると不安になるけど、

今が幸せか?って聞かれたら、

間違いなくハイって答えるわ、私」



友人C

「そうだね、そう言われれば幸せかな」



友人D

「まぁね、不幸とは思わないや」



「……」





***





友人B

「ねぇ、ニュース見た!?」



友人C

「見たよぉ!!びっくりした……まさか、友人Aが……」



友人D

「一番幸せそうだったのに、どうして!?」



友人B

「あのイケメンの旦那、不倫してたらしいよ。

しかも、ギャンブルも好きで、借金苦。

で、家計を友人Aが内職して支えていたみたいだけど、

そのお金も、愛人と会う為のホテル代に消えてたって」



友人C

「酷い……友人A、全然そんな素振り見せなかったのにね?」



友人D

「仲が良くても、友人Aの性格だと言えないよぉ!!

もともと、言いたい事も溜め込むタイプだし」



友人B

「そうだね。けど、悪いのは旦那なのに、

どうして子供達まで……」



友人C

「私は、子供が欲しかったから、

それが一番ショックだよ……」



友人D

「子供達も、ちょっと癖のある子達だったみたい。

昼夜逆転している子もいて、連日寝不足の上、

兄弟喧嘩で食器棚を倒されて、お皿全滅とか。

一番上のお兄ちゃんは暴力的で、学校から呼び出しなんてしょっちゅうだったとか。


まぁ、それでも、超えちゃいけない一線を超えちゃったんだけどね、友人Aは」



友人B

「そうだね……なんか、その辛さを知らないで、

前に理想的な家族、なんて言って、悪かったな……」



友人C

「それは仕方ないよ、知らなかったんだもん。


隣の芝生は青く見えるって言うけど、

まさにそれだよ」



友人D

「そうだね。やっぱり、幸せかどうかって、

他人と比較して決める事じゃないよね。


あぁ、連日会社帰りに飲んで梯子して幸せだーー!!」



友人B

「障害児でも、あの子なりにゆっくり成長してくれてるだけで幸せだわー。

旦那は浮気の心配ないし」



友人C

「うん、私も子供がいなくても、仲が良い旦那様がずっと傍に居てくれるだけで幸せかな」





私の起こした、

旦那殺害後に子供達と心中という事件は、

友人達に「自分の家の芝生は青い」という感性を植え付けた。

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