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未開の大陸

 一旦場所を変える。エイブモズの町にあるユキネの研究室を借りて話を進めた。

 ウィブには悪いが、町から離れた場所で待機してもらっている。


「ロイヤ、さっき言っていた話の続きを頼む」


 俺たちはテーブルの上に大きな地図を広げた。この辺りの町や地形が書かれている地図だが、まだ解明されていない土地は記載が無い状態だ。


「ここ……それからこの辺り、ロイヤたちがいた村から近い所にあるなん」

「んっと、ここがロイヤの村だよな。それでここがリザクールのいた館だ」


 俺が位置を示す。当然未開の土地扱いで、エイブモズの町で持っている地図には記載の無い場所だ。


「ねえゼロくん、その辺りの事を詳しく教えてくれる? 地図情報は町の図書館にも高く売れるから」


 ユキネは未開の土地についての上方をワクワクして聞いている。それもそうだろう、自分が労せずして情報を得られるのだからな。それが今までエイブモズの町にもたらされていない情報ともなれば、価値はかなりのものになるだろう。


「銀の杖をもらった礼もあるからな、情報ならユキネに提供するが……」

「え、あの杖は貸しているだけよ。誰もあげたなんて言ってないからね」

「そうなのか!? てっきりくれた物だと思ったよ」

「そんなわけないでしょ、あんな精霊界の貴重な道具、そうやすやすとあげたりしないわよ」


 なんだ残念というか、なんかせこい話だな。


「ま、まあ、だからなによ」


 ユキネが言い淀む。なにか考えでもあるのか?


「あの杖は、ちゃんと持って帰りなさいよね!」

「あ、ああ。借り物なら仕方が無い、そうするからさ、そう借金取りみたいに言うなよな」

「なっ……そ、そうじゃないけど!」


 俺とユキネがしゃべっていると、なぜかそこにルシルが割り込んできた。


「あーはいはい、きちんと返すからね、そこは心配しないで。それで、未開の所だと地図には載っていないんだけど、その情報はどうなるのかしら」


 ルシルにうながされてロイヤが地図を確認する。


「そうなん、ここがロイヤたちがいたバウホルツ族の村なん。そしてここがリザクールのいたところだとして、そこから考えるとあの女ヴァンパイアがいるのはこの山……」

「遠目にも見える山だが、探索はしていなかったのだよな」


 俺の問いにユキネもうなずく。


「ロイヤ、その山にあのヴァンパイア、ランカがいるっていう根拠はなんだ?」

「それはだなん、バウホルツ族の言い伝えには、不死の者が住まう山っていう話があるなん」

「不死者の山……」

「でも、リザクールはそこにいなかったなん」

「そうだな、あいつは森の中の館にいた。山……と言えば山の中だったが、あれほどのそびえ立った山ではなかった……ん、んん?」


 俺は一つ疑問に思った事をユキネに確認する。


「なあユキネ、この地図はいつ作った地図だ?」

「ん? えっと、常に更新しているから最新の地図だから……二週間前の情報かな。それがなにか?」

「では聞くが、数年前の地図って保管しているかな」


 俺の考えが正しいかどうかを確認したい。もしかしたら過去の地図に載っているかもしれないからな。

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