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白き防衛者たち

 炎海竜サラペントの口の中に飛び込んだ俺たちの前に現れる人影。閃光の浮遊球(フローティングライト)で浮かび上がる白い影。その数は……。


「なんだよ、十や二十くらいかと思ったが、もっといるようだな」

「ゼロ~、十とか言う数じゃないよ……この大きな洞窟の奥いっぱいにいるよぅ……」

「水中だからか、陸と違って浮いている奴もたくさんいる。数百、いや千にも届くくらいか」


 閃光の浮遊球(フローティングライト)で照らされた人影は、泳いでいる奴もいるから余計見た目の圧力が強いな。面で押してくる。


「こんな所に入ってくるとはな。食い物以外の生き物が来るのは久しぶりだ……」


 人影の誰かがつぶやいているようだ。


「だが外部から来る異質物は俺たち白血衆はっけっしゅうが退治してくれるわっ!」


 その言葉を皮切りに白血衆はっけっしゅうとやらの集団が一斉に向かってくるぞ。白の集団がわらわらと近付いてくる。


「ルシル、セイレン、奴ら一体一体はそれ程大きくはない。せいぜい俺たちの三倍程度」

「それっておっきいよ!」

「それくらいの敵とは何度も相手しているだろう」

「そうだけど、そうだけどさー。それにあの数だよ」

「どうせ直接攻撃できる奴の数は限られているさ。図体のでかさのお陰でな!」


 目の前に飛び込んでくる白い人影は一刀両断に斬り伏せてやった。


「ほらな、たいして強くないぞ」

「そうだけど、そうだけどさー」


 ルシルはぶつくさ文句を言いながら、それでも電撃のスキルで近寄る白血衆はっけっしゅうを次々となぎ倒していく。

 その横ではセイレンも珊瑚の杖を使って敵を押しのけていた。


「本当だ、ゼロさんが言う通りこれなら行けます! あたしも最初は相手の大きさにびっくりしていたけど、なんだか動きも遅いし、まとが大きいから狙いも付けやすいね」

「だろう? 自分が三分の一くらいの相手と戦う事を考えてみろよ。踏み潰す程相手は小さくないし、かといって攻撃しようにもかがまないと届かない。武器を持っていないならせいぜい蹴るくらいしかできないだろう」

「確かにね、道理でこの白い人たち戦いにくそうだなって思ったよ。流石ゼロさん、戦い慣れしてますね!」


 いやあそんなんでもないけどさ。


「ゼロ、顔だらしない」

「ちょっ、ルシル、戦いに集中っ!」

「判ってるもん。ぶー」


 次々と押し寄せる白血衆はっけっしゅうをなぎ倒していく俺たち。


「このまま奥に進んでいくぞ!」

「うん!」

「はいっ! ……きゃっ」


 セイレンか? 小さな悲鳴に振り向くとセイレンが転びそうになっているじゃないか。どうにかルシルが支えてくれているが体制が不安定になっているぞ。


「いったい何が……その足!?」


 白い腕がセイレンの足をつかんでいる。そいつは俺がさっき斬り伏せた奴で、もう上半身しかないのにだ。


「お、俺ら白血衆はっけっしゅうは……しぶといぞ……ぶふふ……」


 何だこいつら、見れば身体の一部が切り飛ばされてもまだ起き上がって向かってくる。

 その腕を斬り落としてセイレンの足をつかんでいた手を剥がす。


「うわっ、手だけでも動いてやがる……」

「ゼロ、気持ち悪いよぅ」

動く死体(ゾンビ)とかと同じような奴らか」

「取り込まれたりはしないようだけどさ、あの白くて不死身っぽい所とか、なんか私気持ち悪いのよね」


 まあ、部品だけで動いているなんてまともじゃないよなあ。


「じゃあさ、斬り刻むとそれだけ……」


 俺たちの周りにバラバラになった白血衆はっけっしゅうの身体が浮いている。それがジワジワと俺たちに向かってくるのだ。


「ルシルが言うように、これは確かに気持ちが悪い」

【後書きコーナー】

 いつも応援ありがとうございます! 増えていくPVとブクマに支えられて頑張っています。


 白血衆はっけっしゅうですが、こいつらのモチーフはあれですね。白血球です。何のひねりもありませんし、口の中に出てくるなよって思いますけど。血管とかに入ってからの方がよかったかな?


 それではまた次回でお目にかかりましょう。

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