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海虎への追撃を始めよう

 俺はマーメイドを海藻でできたロープで縛る。後からやってきたポセイたちが持っていた物だ。

 そのポセイがいきなりマーメイドに近付いてくるぞ。


「さてと、ライラックと言ったかな? よくも俺たちの竜宮城を」


 いやまて。

 つかみかかろうとするポセイを俺の剣で止める。いきり立ちすぎだぞ、しかも捕まえたの俺だし。


『ルシル、俺は思念伝達テレパスが使えないからポセイたちに話はできないが、ちょっと伝えてくれ』

『判った』


 俺の考えをルシル経由でポセイに伝える。

 こうでもしなきゃマーマンたちの暴走は止まらないからな。


「わ、判った。あんたがそう言うなら俺たちは海虎かいこの者たちに手は出さない」


 とか言いながら魚の尾っぽでライラックの顔をはたこうとするじゃないか。

 仕方ない、俺はポセイの尾ビレをつかんでにらみつけてやる。


「手は出さないから尾で叩こうと……」


 馬鹿かこいつは!


「す、すまん……」


 すまんで済むか!

 一発きついのを頭にぶち込んでやる。俺の握りこぶしだ。


「いってぇ! つつつ……」


 手加減はしてやったが痛いだろう。


『こいつはほっといて、ルシル、ライラックに思念伝達テレパスで伝えて欲しい』

海虎かいこの場所でしょ』

『ああ。聴けるか?』

『まず無理ね。対話で教えるなんてしないでしょう。なにせ海虎かいこの六将とまで言っているんだから』


 そうだよな。それなりの武将だ、自分の本拠地を危険にさらすような真似はしないだろう。

 それに殿しんがりを買って出たくらいの覚悟を持った戦士だ。誤った場所を俺たちに教えて時間稼ぎをしないとも限らない。


『でもね』

『ん?』


 それでも落胆の様子がないルシル。もしかして。


思念伝達テレパスを使った時に頭に浮かんだ海図があってね』

『ほう』

『無意識に想像しちゃったのでしょうね。まさか思考を読まれるとは思っていなかったでしょうから』

『というと!』

『うん。海虎かいこまでの海図はバッチリ見えちゃった』


 でかしたルシル!

 海の中だけどお前の頭をなでなでわしゃわしゃしてやろう。


『ちょっ、やめてよゼロ~』


 とか言いながら、顔はとろんとしているぞ。言葉とは裏腹に身体は正直だなあ。


『もう、エッチな事考えないの!』

『冗談はともかく』

『冗談かよ!』


 ライラックを縛っている海藻をたぐり寄せる。どうせなら捕虜も連れて行こう。ポセイたちに任せたら何をされるか判らないからな。


『ルシル、道案内をしてくれ。その途中このマーメイドの顔を見ながら正解の道かどうか確認しよう』

『そうね。情報戦には長けていないみたいだし。素直なのかしらね、すぐ顔に出そうだわ』

『う~ん、マーメイドも魚脳なのかなあ』

『かもね』


 そうと決まれば、俺とルシルで前やったみたいに海中を進む船を造ってみようか。

 魚の姿に似せた形で頭部分は流線型に造ってみる。そして進む力はルシルの海神の奔流(ウォーターバースト)だ。


『行くぞ!』

『うん!』


 ルシルの両手から水が噴き出す。


「あばばばばば!」


 海藻のロープに縛られたライラックが泡を吹いて失神してしまった。

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