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コンソール

 俺の一閃で神の一人シュリの首を飛ばした。


「神だなんだと言ってはいても倒せない相手じゃあない」


 俺は残る二人に向き直る。


「どうする神たちよ。ここは俺の国だ。それを横からやってきて消すのなんのと物騒な事を言いやがって」


 ゆっくりと間合いを詰めていく。


「ひ、ひいっ!」

「アラハ、落ち着いて! コンソールからデリートコマンド! オブジェクトは前方のターゲットをオートでフォーカスして!」

「や、やってるよ!」


 シャノンがアラハと呼んだ神に指示を飛ばすが、そのアラハも手を空中にヒラヒラさせているだけで何も起きない。


「呪文の詠唱と舞の一つでもやっているのか?」


 俺は相手を威圧するようにことさらゆっくりと剣を抜く。


「駄目だシャノン! ターゲットはできるけどコマンドエラーで弾かれる!」

「どういう事よ、貸しなさいっ! ……な、何よこれ、オブジェクトがノンプレイヤーキャラクターじゃないですって?」

「そうなんだ、プ、プレイヤー……」

「何馬鹿な事を言ってんのよ、だって残ったプレイヤーはシャノンたちモンジュ組だけなのよ! だからバイラマ様だってマスター権限の一部をシャノンたちウィナーグループに付与してくれているのに」

「でもアドミン権限じゃないとプレイヤーオブジェクトのデリートフラグを立てられない。それがユーザーに出来たらゲームにならないじゃないか!」

「そうだけど、そうだけど! だったらプレイ内でキルすればいいでしょ!」


 シャノンは両手で輪を作ってその輪に息を吹き込む。


空気砲エアカノン!」


 空気の塊が風になって俺に向かってくる。


「それがさっきから撃っていた攻撃か。ふんっ! SSランクスキル発動、旋回横連斬サイドターンスラッシュ! 風の塊など俺の剣圧で吹き飛ばしてくれるっ!」


 俺が放った旋回横連斬サイドターンスラッシュで風の塊が薄く切り分けられた。目には見えないが切られた風が部分部分で俺に当たってくるから判る。

 完全に威力が殺されている事も。


「これではただの涼風だな」

「な、なんて奴……」


 俺の剣圧に気圧けおされたのか、シャノンが次々と放つ空気の塊は俺がスキルを使うまでもなく剣で弾く事ができる程度に力が落ちていた。


「だ、駄目だ……」


 アラハは尻餅をついてへたり込んでしまう。それでも手を前に突き出して動いているが周りは何も変化がない。


「Sランクスキル発動、剣撃波ソードカッター! 神を名乗る者を斬り割けっ!」


 俺の振るった剣から真空波が発生してアラハの身体を真っ二つにする。

 直後、アラハの身体は光の粒となって霧散した。


「なっ、アラハ! ちっくしょう! よくもアラハまで!」


 シャノンが手を大きく横に動かす。俺の後ろで大地が削れて消えたが俺には何も影響がない。

 俺は剣の切っ先をシャノンの首に当てる。


「バトルフィールド外でのプ、プレイヤーキラーはペナルティが、最悪アカウント凍結もあり得るんだからね……」

「さっきっからお前たちが口にしている言葉、言語としては判らなくもないが意味がまったく理解できん。ともかくこのまま放置しておいていい結果には結びつきそうもなさそうだ」


 俺は光となって消え去った地面を見た。


「あんな力を好き勝手に行使されては困る。さっきやったようにドラゴンたちを消し去る事もできるようだからな」

「ひっ、シャノンはもうやらない、やらないから、ね? あんたコンソールの使い方知らないの? 忘れちゃったならシャノンが教えるから、教えてあげるから!」


 俺の剣先がシャノンの首に刺さる。


「だめ、まっていや、やだ、ごめ、やだ……」


 俺は無言で剣を突き立てていく。シャノンの口から血の泡が吹き出してきた。


「ここまで来るのにあれだけ頑張ったのに、あれだけ使ったのに……なんでウィナーグループになったのにノラに消され……」


 剣がシャノンの首を貫通した所でシャノンの身体は光となって消えた。

【後書きコーナー】

 2020年2月17日に400万PVオーバー。皆様お読みくださりありがとうございます!


 今回で世界観が凄い事になってしまうような台詞がバンバン出てきました。

 私の作品は終わりに近付くとどうも世界の有り様をすっきりさせたいって言う気持ちが出てきてしまうようで、それが作風なのかもしれませんが天地創造を片付けないと落ち着かないのかもしれません。

 どう終わらせるか私自身不安との戦いですが、それでも自分なりの決着を付けて終わらせられるように頑張ります。

 応援、よろしくお願いします!

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