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百八階層を上に見て

 俺たちは各階層に門番として待ち構えている連中を倒しつつ塔を上っていく。

 この階層は守護者がいない所だった。

 宮殿の外で何人か百八星を倒していたから、恐らくそいつが守る階だったのかもしれない。


「いろんな奴がいたね。拳法使いとか槍使い、屋内庭園の風景に溶け込む奴もいたっけ」

「いちいち面倒だったが、それももう終わりかな。それにしても一斉に襲ってくればまだ多少は歯ごたえがあっただろうに、俺の相手をするのに個別で戦いを挑むなどいったい何を考えているのか」

「でも、死霊魔術師ネクロマンサーが呼び出した悪霊、あれにはゼロも参ったんじゃないの?」

「そそそ、そんな事はないぞ、うん」


 俺は慌てる姿をなるべく見せないように平静を保つ。


「ゼロちゃんは幽霊とかが怖いの?」


 アラク姐さんがこのネタに飛びついてきた。


「そそそ、そんな事はないぞ、うん」

「あの時はアラク姐さんとアガテーちゃんで死霊魔術師ネクロマンサーの本体を叩いちゃったから悪霊は消えちゃったけど……へぇ、ふぅん……」

「な、なんだよう!」

「ううん、そんなゼロちゃんも可愛いなって思ってね。アラク姐さん、ぎゅーしたくなっちゃう!」


 そう言ってアラク姐さんは俺の顔を自分の胸に押しつけて抱きしめた。


「むきゅう……」

「あらあら、アラク姐さんのおっぱいが嬉しいのかな~」

「こら、やめなさい蜘蛛女! ゼロもデレデレしないの!」

「まあまあルシルちゃん、怖い時はおっぱいに埋もれると落ち着くものよ」

「そんなんあるかー! ゼロも、は、な、れ、ろ~!」


 ルシルが俺の腕を引っ張ってアラク姐さんから引き剥がそうとする。

 アラク姐さんの腕からすり抜けて俺は振り回された。そして行き着く先にアガテーがいる。


「はぶっ!」

「あらまぁ」


 今度はアガテーの豊満な胸に飛び込んでしまう。

 大きなクッションのお陰でまったく痛くはないのだが。


「だ、大丈夫ですかゼロさん」

「お、おお……」

「ゼロ~! もう、大丈夫じゃなーい!」


 俺はどうにか体勢を立て直すと、深呼吸して顔の赤みを取るように頑張ってみた。


「あーごほん。さて、この階も安全だろう。次の階が確か百八階。倒した連中から聞いた話だとこの塔は百八階だという事だから、最上階になる訳だが」

「まあいいけど……。ねえ、トリンプいるかな?」

「いると思いたいが」

「ドラゴンも?」

「いるかもしれないな」

「部屋の中でドラゴンと戦うのは大変かもね」

「だが飛び立たなければ戦いやすいかもしれないぞ」

「う~ん、ドラゴンとの近距離戦か。階段を上る前に掛けられるスキルは掛けておこうね。魔法障壁マジックシールド展開!」


 ルシルが俺たちに魔法障壁マジックシールドを掛ける。これで少しは相手からの魔力攻撃に抵抗できるな。

 トリンプ、凱王はともかくドラゴンのブレスには効果があるかもしれない。


「よし、俺も皆に掛けておくとしよう。SSSランクスキル発動、円の聖櫃(サークルコフィン)。我とその仲間を守る盾となれ!」


 俺のスキルで完全物理防御の壁が作られた。


「行くか」

「うん。でもその前にさ、ゼロ……」

「なんだ?」


 ルシルは懐からハンカチを取り出して俺に渡そうとする。


「鼻血」

【後書きコーナー】

 よくある全員倒す系の塔ですが百八階全部やったら大変なので、今回でショートカットします。


 恐らくご推察の事かと思いますが、これを書いているのが年末年始という事もあって少しその雰囲気に感化されたと言いますか、百八は煩悩の数と言われていますのでそこから取っていたりします。

 百八星の命名規則は、これまた煩悩からです。どうルール化されているかは、また別のスピンオフなどでネタばらしできたらな、とは思いますが、それってなんだい? って思われた方はメッセージなどでお知らせ下さい。

 ま、どーでもよさそうな話ですけどね。


 また次話、お楽しみいただけると嬉しいです。

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