8)天才少年
今日、二度目の投稿です。一度目は午後7時に投稿済みです。
よろしくお願いしますm(_ _)m
コンクールは、まだもう少し続きます。
私の次は、少年でした。
私より少し年上くらいの年で、漆黒の髪に灰色がかった黒い瞳のきれいな少年でした。かっこいいです。
彼も、かなり緊張した様子でしたけれど、しっかりとした足取りで舞台を歩き、ピアノの前に座ります。
そして、彼の旋律は・・天才でした。
ああ、なんて美しく、彼はキーを叩くのでしょう。
愛おしげに紡がれる曲に耳を澄ませるうちに、自然と涙があふれます。
彼が弾き終えると、拍手の渦でした。
私も拍手しました。
彼が曲を弾き終わったとき、私は、まだ舞台の袖で、感動に打ち震えていました。
やり遂げた安堵のためか、彼は、頬を上気させて舞台から下がってきました。
私は、思わず、「感動・・しました」と、目を潤ませたまま、彼に話しかけてしまいました。
箱入り娘なので、あまり人様に話しかけるのは得意ではないのですが、つい、想いを告げずにはいられなかったのです。
すると、彼は、花がほころぶような笑顔を私に向けて、
「君の演奏も、すごく素敵だったよ」
と、言ってくれました。
私の腕前など、彼の足下にも及ばないでしょうに。
それでも、そんな風に言ってもらえて、私は、うつむいてしまいました。
私の顔は、さぞかし、真っ赤になってることでしょう。
「あの・・君の名前は、なんて言うの?」
と、彼に尋ねられ、
「ハノウ侯爵の娘、カリン・ハノウと申します」
私は、淑女の礼をしました。
お父様に喜んでもらえるよう、一生懸命学んだお辞儀です。
すると、彼は、また頬笑んでくれました。
「僕は、ソラ・トキワ」
「トキワ様・・」
「ソラと呼んで」
「ソラ様」
「カリン。よろしくね」
トキワ家は、たしか、公爵家です。
我が家は、侯爵家ですので、格下です。
おまけに、つい先代のころに陞爵したばかりで、侯爵といっても末席です。
でも、この場では、そんな身分うんぬんは、関係ないような気がしました。
私とソラ様は、同じコンクールを戦い終えた同士です。
また明日、続きを投稿します(^^)/。




