3)鑑定スキル
今日は、このあと8時に、もう一つ続きを投稿する予定です。
5歳になってひと月ほど経った頃、私は、「魔法協会」に、魔法の能力の鑑定につれて行かれました。
子供は、5歳くらいになると、鑑定を受けるのです。
鑑定によって、どんな魔法属性を持っているかが判るし、魔力が安定しているか否かも判ります。
鑑定を受けておくのは、ごくまれに起きる魔力暴走を防ぐためにも大事らしいです。
私は、鑑定の結果、魔法が使えることが判りました。
といっても、貴族は、たいてい使えるので、珍しくはありません。
水と光魔法が使えるそうです。魔力量は、ごく普通程度。
水と光属性の魔法を使えると、治癒魔法が使える場合が多いのですが、私も、治癒魔法の素質を持っていました。
治癒魔法は、かすり傷を治せるレベルから、身体損傷を再生できるレベルまで、さまざまです。
私は、中級レベルの治癒魔法を使えるようです。
お父様は、上級レベルの治癒魔法を使えるので、ときどき、災害で怪我人が多く出たときなど、呼び出されることがあるそうです。
ちなみに、一番上のハルトお兄様は、水と光と土魔法の錬金術スキルもちで、魔法研究所で重宝がられているそうです。
二番目のカイトお兄様は、身体強化魔法に優れていて、治癒魔法も少し使えます。騎士になるために生まれてきたような能力・・と、お兄様は自画自賛していました。
ただ、珍しいことが、ひとつありました。
鑑定士の方が、言ったのです。
「お嬢様は、鑑定のスキルもちのようですね」
と。
鑑定スキルの持ち主は、マレです。
これだけで、一生、食べるに困らず生きていけるくらい便利なスキル。
商人にも引っ張りだこスキルなのだそうです。
お父様は、「カリンはすばらしいね」と喜んでくれました。
それから、「珍しいスキルを持っている、と知られると、悪いひとに狙われるかもしれないから、ひとに言ってはいけないよ」と言われました。
私は、「はい。お父様」と真剣に答えました。
スキルは、鍛錬すればするほど、能力を上げることができるそうです。
私の場合、鑑定スキルを使って、いろんなものを鑑定してみることで、能力を上げられる、というお話です。
せっかく授かったスキルだから、伸ばすべきだよ、とお父様に言われました。
「でも、ひとを黙って鑑定するのはマナー違反だから、やらないように。
ただ、もしも、カリンが危ない目にあったりして、必要なときは、やっても良いよ。
たとえば、危険と思うひとが近づいたら、鑑定して調べるのは身を守るために必要だろう」
と、お父様。
スキルの使い方の基本的なことも、お父様は教えてくれました。
スキルは、自分が、元々持っている能力ですので、知らぬ間に使っている場合があるのだそうです。
カイトお兄様は、身体強化魔法を、鑑定で判る以前から、自然と使っていたそうです。
「カリンは、たとえば、物やひとを、もっと知りたい、と思ったとき、自然と、その物やひとのことが、判ってしまったことがないかい?」
とお父様。
「あ、そういえば・・そういうこと、ありました」
思い当たることがあったのです。
「それでは、カリンは、そのときの感覚を覚えていたら、それを意識的にやってみようと思えばいいんだよ。
お父様を見て、やってごらん」
「ひとを鑑定したらダメではないのですか」
「お父様ならいいよ、ほら、やってごらん」
「はい」
私は、お父様を、よく知りたい、と思ってみました。
すると、私の中に、お父様のことが、もっと見えてきました。
私のことを、大好きなお父様。
お母様を亡くしてから、少し寂しいお父様。
それから、お父様は、疲れがたまっているようです。
「お父様、お疲れですね」
と私が言いますと、
「アハハ。
よく判ったね」
お父様が少し困ったように言いました。
私は、邸に帰ると、さっそく、庭の草花や、邸の中にある絵画や調度品などを、鑑定してみました。




