23)鑑定スキルと、聖女とキースレア帝国
今日、2話目の投稿です。
1話目は、午後6時に投稿済みです。
学園祭が終わってから2日後。
今日は、カイトお兄様と一緒に、ソラが、私に話しがあるそうです。
たぶん、私のスキルの件です。
カイトお兄様は、当然、私のスキルは知っていますから、一緒に話すことになるでしょう。
お部屋は、小さな居間を使います。
お茶は、私がいれることにしました。スキルの件を話すのなら侍女にも聞かせられないですから。
私とソラと、カイトお兄様だけです。
「今日は、招いてくれてありがとう。
うちだと、邪魔が入るから」
とソラが言います。
そうですね。なぜか、いつも、妨害されますから。我が家のほうが安全です。
「前に話しかけていたカリンのスキルを教えてくれないか」
とソラに言われ、私はうなずきました。
「はい。
私は、鑑定のスキルを持っているんです」
「鑑定のスキルを? それで、天気まで、鑑定できるのかい?
てっきり、予知のスキルかと思っていた・・」
ソラは、かなり驚いた様子です。
「鑑定スキルを鍛錬するために、風に含まれる匂いも鑑定したり、していたんです」
「へぇ・・。そんなことが・・」
「毎日、何年も、そうして、訓練しているうちに、天候も鑑定できるようになったんです。
詳しく申しますと、空の気を鑑定して雨の密度が高ければ、雨がふる、という感じです」
「すごいね」
「鉢植えを元気にできたのは、植物の状態も鑑定できるからです。
私は、水と光属性の魔法が使えて、治癒魔法も中級程度ですができます。
それで、植物の病んでいる原因を鑑定してから、それを癒やすように、ピンポイントで治癒魔法をかけますと、植物が元気になるときがあるんです」
「なるほど・・」
「ですから、鑑定スキルと、治癒魔法を使えるひとなら、誰でもできることなんです」
「うーん。誰でも出来るとは思わないけれど。
ジュンヤのことも、鑑定で判ったんだね」
「あ、いいえ。ジュンヤさんのことは、単に観察して判りました。
ひとのことを鑑定するのはマナー違反だと思うので、鑑定はしないようにしているんです。
でも、鑑定スキルの能力が上がってから、観察眼といいますか、見極める能力が上がりまして。
鑑定スキルを発動していなくても、基本的な質や、不自然な部分などは、見て判るようになったんです。
ですから、男性が女装していても判りますし、騎士の方が服の内側に傷を隠しているようなときにも、判ります」
「本当に便利で優れた能力だね。
判ったよ」
「謎が解けたんだね」
とカイトお兄様。
「うん。カリンが、聖女じゃないことがはっきりして、安心した・・というか、残念な部分もあるけど」
とソラ。
私が首をかしげますと、
「実はさ、レミ嬢が、聖女らしいんだ」
とカイトお兄様が、苦笑しながら言いました。
「レミさんが?」
あらまぁ、私の聖女に対するイメージが崩れてしまいますわね。
聖女なら、もっと、聖なる感じがするものだろうと思ってましたわ。
「それで、我が家の者が調べたところ、聖女をめぐって、キースレア帝国との関係で、いろいろと思惑が生じている可能性があるんだ」
とソラ。
ソラの説明によりますと・・。
聖女とは、ときおり世に現れる、聖なる力を持った乙女です。
聖女は、浄化と癒やしの力が強い、と言われています。
神の加護も持っています。
キースレア帝国は、長年に渡って、侵略国家でした。
そのため、国の中で攻撃魔法の実験を行い、荒れた土地が多くあります。
おまけに、侵略して得た国々の土地も、荒れ果てた大地が広がっています。
情け容赦なく、侵略してきた結果です。
それゆえに、荒れ地の辺りで暮らす民衆は、土地の浄化ができる聖女に来てほしい、と望んでいるらしいです。
ひとがたくさん亡くなった土地を、浄化してほしい、という訴えが数多あるそうです。
キースレア帝国では、そのような民に、「聖女は必要ない」と応えているのですが、一部の貴族らは、「民を安心させるために、聖女を喚ぼう」と考えているそうです。
ところで、我が国は、聖女に関しては、意見が割れています。
聖女と帝国の皇族との婚姻話しを進めて、より平和条約を堅固にしよう、と考えている者が居ます。
けれど、聖女の神の加護を失うのは惜しいと、聖女を婚姻によって、我が国に留め置こうと考えている者も居ます。
真っ二つに割れているのです。
キースレア帝国の思惑は、すべてが判っているわけではありませんが、聖女を得たいと思っている者ばかりではありません。
とくに、侵略を推し進めたい軍部は、平和の象徴のような聖女の存在を邪魔だと考えているようです。
また、帝国は先進的な考えの者が多いので、聖女など古くさい迷信だ、と断じる者も少なからず居るとのことです。
お読みいただきありがとうございました。
また明日午後6時に投稿いたします。




