第１章 ８話 「道を空けろ」
【弱肉強食】。Lv 、HP、MP、STR、VIT、AGI、DEX、INTの内、六つが自分より低い者を消滅させる。
【カルネージペストマスク】で約半減したカイザーのステータスは俺のLvとAGI以外を俺のステータスより下回った。【魔剣ブロウ】との相性いいな。
リリスの方も問題無く無事終えた様で今この場にいるのは俺とリリスだけである。
「サバイバル式のルールはどちらか一人が死ぬまで終わりません。残り時間1分弱を待つのもお手間ですので私めの首をお切り下さい。」
「一分くらい待とう。何も無いと分かっていても仲間の首を狩るのは気分が悪い。」
「ああ何てお優しい方...!!御気遣い感謝致します」
1分後、drawという文字が現れ、すぐに元の<始まりの町>に転送された。
そこには力の差で圧倒されて黙り込む野次馬達と、勝負に負けた7人がどこかバツが悪そうに顔をしかめて立っていた。
「道を空けろ」
俺がそう言うと7人は黙ったまま素直に道を空けた。それに続くように後ろの野次馬達も道を空け出す。
終始注目されながら町を歩いていたがやがて野次馬達は思い思いの方向へ歩み出した。
「覚えてろよ....」
カイザーは2人が去った後に小声で呟いた。
<始まりの町>を抜けると見渡しが良い広大な草原地帯が続く。何名かのプレイヤーもちらほら確認出来た。恐らくここらでLvをあげるのは初心者のプレイヤーなのだろう。
暫く草原を歩き森に突入して15分程度経った辺りで適当に立ち止まり、徐ろにこう呟いた。
「【従属者召喚】」
目の前に魔物の一覧表が出てくる。まだ<第三位従属者>だけしか召喚できないけどね。
「確かここら辺だよな？特に<第三位従属者>が減り始めてる場所。」
「仰る通りでございます。ここ周辺を生息地としている魔物は主に五種類。まずは一番数が多いアタックボアから召喚致しましょう。」
俺は頷くとアタックボアを300体程を召喚した。MPは底を突く寸前である。一気に召喚したらブイブイ鳴いててうるさい。
「静かにしてくれ！」
「ブイ！」「ブイ！」「ブイ！」
「お、おい！ブタ共！レンジ様の命令に従え！」
そう言うとリリスは手近に召喚されたアタックボアの頭を引っ叩く。「ブゴォォ」と言ってご臨終した。
「あっっ....」
「折角召喚した魔物を倒すなよ...」
「申し訳ありません！」
後、ボアはブタじゃなくてイノシシだぞ。どうでもいいので指摘はしなかったが。
適当に散って冒険者を襲えと命令を下すとアタックボア達は走ってどこかに行った。辺りが静かになるとそれを十数回繰り返した。
20分くらい経つとこの作業を行う為に大量に持ってきたMP回復薬が底を突いた。
「丁度満遍なく五種類の魔物を召喚できましたね。」
「そうだな。じゃあ1度<始まりの町>に戻るか。」
「【大司教】を探しましょう。」
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<始まりの町>に向かう途中、聞こうと思っていたことを思い出した。
「そういえばリリスのステータスはどんな感じなんだ？」
「っ！レンジ様私に興味がお有りなのですか？」
「いやまあ、うん。」
リリスは心から嬉しそうに優しく微笑んだ。とても可愛いと思った。笑顔の彼女と戦闘時の彼女はまるで別人である。
リリス Lv.72 女
職業:【鎌使い】
HP:1040/1040
MP:980/980
STR:1020(＋400)
VIT:390
AGI:3620
DEX:940
INT:1400
装備
右手:【デス・スィークル】
パッシブスキル
【愛の告白】Lv.3【魅惑の瞳】Lv.4
アクティブスキル
【バニッシュ・コンパルション】Lv.max
【デビルズ・テンプテーション】Lv.4
【ブラックアウト】Lv.4
装備については紫などの寒色を基調に、自分のステータスの底上げをする物だったりだが今回は割愛する。
スキルについては数が多いので主に使っていてLvが高いスキルを教えてもらった。
「....こりゃ勝てる訳だ。」
装備
【デス・スィークル】
STR＋400。無抵抗の相手の首を狩ることで相手を即死させる。
パッシブスキル
【愛の告白】Lv.3
異性の味方の全ステータスを6%上昇。
【魅惑の瞳】Lv.4
自分よりレベルの低い異性の相手を触れる度に20%の確率で混乱状態にする。
アクティブスキル
【バニッシュ・コンパルション】Lv.max(5)
第三波までの歪みの波を連続で当てる事に成功すると自分のAGI×5倍のスピードで後方に吹っ飛ぶ。
【デビルズ・テンプテーション】Lv.4
Lv＋全ステータスが自分より下の異性に有効。中距離もしくは近距離から弱い電磁波を放ち、自分と同じレベルなら10%の確率で30秒間支配下に置くことが出来る。相手のレベルが低くければ低い程確率が上がる。
【ブラックアウト】Lv.4
使用したい相手に向かって指を指しこのスキルを発動させる。スキル使用後30秒間の内、相手の頭部に攻撃を当てた回数×2秒を蓄積。30秒後蓄積した秒数の間相手の視界を奪う。
