アメリカ連邦帝国 - ウィキパディア
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アメリカ連邦帝国
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アメリカ連邦帝国は21世紀後半に発生した最終戦争から約200年が経過した際にアメリカの西海岸地域に建国された連邦警察国家である。アメリカ連邦帝国は368年間に渡って同地域を支配し地球上に残った人類最期の政府機関及び国家である。
公用語:英語
首都 :ネバダ州サイト325
人口 :内戦により統計不能(建国288年に行われた国勢調査による人口は7,213,021人)
民族 :通常人類・PK能力者
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目次
1.概要
2.歴史
2.1 最終戦争
2.2 地上への進出
2.3 生存者同士の衝突
2.4 巨大警察国家と大国の形成
2.5 アメリカ連邦との衝突
2.6 PK能力者の出現
2.7 欧州自由連合の崩壊と欧州帝国の出現
2.8 PK能力者の覚醒と大国の崩壊
2.9 アメリカ連邦帝国内戦
2.10欧州帝国の崩壊
2.11中央政府の崩壊
2.12人口の激減
2.13核爆発
3.政治
3.1 政治体制
3.2 軍事
3.3 PK能力者への融和政策
4.産業
5.科学
6.宗教
7.アメリカ連邦帝国崩壊後の地球環境について
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概要
アメリカ連邦帝国は国家最高治安委員会によって統治された警察国家で管理主義及び警察国家思想の元、人類文明の復興を理念とした国家である。言論の自由は事実上存在せず治安委員会の決定は絶対と言われ政府に批判的な人物はシェルターからの追放(実質の死刑)が行われた。科学技術研究が盛んに行われ科学技術の分野では世界最高水準を持っていたとされる。国旗はベッツィー・ロス・フラッグに似たデザインで星の部分は8つの星だった。
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歴史
・最終戦争
21世紀後半、地球上には200以上を超える国々が存在しそれらの人口を合計した人類の総人口は90億人を突破していた。一部の人類は太陽系各惑星の調査や開拓として数百万人が火星や月に移住していたと言われる。この時代は人類の黄金期とも呼ばれているが現存する資料によると超大国や大国と呼ばれる国々が新冷戦と呼ばれる緊張状態にあったといわれ何らかの要因によって最終戦争(核戦争)が勃発した。核攻撃は様々な国家に対して行われたと推測される。この戦争は僅か一週間で終結したが勝者は存在せず生き残った生存者は地下シェルターや地下鉄等に避難した。この戦争によって人類の90%以上が死亡し人類の叡智の大半が失われた。
・地上への進出
当初、地下へ避難した生存者達は救助が来ると考えていた様子が僅かに残された資料から読み取れる。さらに生存者達は地球上を覆っている放射能は凡そ10年で防護服を着用して外出が可能になり40年から60年ほどで防護服無しでも外出が可能になるほど放射能は低下すると考えられていた。しかし、シェルター外の放射線濃度は下がらず予想を大きく外れ約百年後にようやく放射線濃度は防護服を着用して外出が可能となった。これは使用された核兵器の中に未発表の種類の核兵器が存在していた可能性が指摘されている。
シェルターの外へ出た生存者達にとって外の世界は「地獄であった」と様々な書籍に書かれているがこれはシェルターの外の環境が最終戦争前の地球環境から大きく変容していた為である。シェルターの外は防護服無しでは生存できない放射能によって汚染され、また大気は黒い雲に覆われ大地も一面が黒色で覆われていた。また、海は刺激臭を放つ黒い粘着性の汚染物質へと変貌し地表で活動する生命体は放射線を浴び続けた結果、突然変異を起こしたと思われる奇形生命体だけでだった(この状況は現在も改善されていない)。生存者はシェルターでは補充できない物品などを求めてシェルターの外へと進出し自らの生存領域を拡大した。
・生存者同士の衝突
生存者達は生存領域を拡大し次第に小国家と呼べる小さなコミュニティーを形成した。しかし、1世紀近くにわたって外界の遮断され続けた生存者達にとって他のコミュニティーの存在は脅威となった。また、生存領域の拡大によってコミュニティー同士の衝突が発生し紛争状態へと発展していった。また、この時期、生き残っていた長距離通信技術が部分的に復旧している。
・巨大警察国家と大国の形成
闘争の結果、世界各地に大国と呼ばれる巨大国家が幾つか誕生した。ロシアのモスクワでは共産主義による人類再建を目指した新ソ連が誕生し、極東地域では最終戦争以前より存在したロシア連邦の継承国家、ロシア連邦帝国が誕生。欧州地域では自由主義を掲げる欧州自由連合が誕生。北アメリカ大陸では西海岸地域に最終戦争以前より存在したアメリカ合衆国の正統な継承国家、アメリカ連邦が誕生し、東海岸にはアメリカ連邦帝国が誕生した。その他の地域でも幾つかの王朝が誕生している。
アメリカ連邦帝国は最終戦争による人類文明の壊滅は人類が秩序を失った結果であると主張し強大な警察国家の建設によって全世界の人類を統制、管理する事によって過去の過ちを繰り返さず人類の科学技術文明が復興できると考えていた。
・アメリカ連邦との衝突
アメリカ連邦は正統な継承国家ではないアメリカ連邦帝国の存在を認めず戦争を開始した。アメリカ連邦帝国も応戦し両国は全面戦争を迎えた。同時に世界各国でも戦争が絶えず続いた。
・PK能力者の出現
アメリカ連邦帝国建国200年頃、放射能は人類にも大きな影響を与えた。PK能力者の出現である。PK能力者は全世界で同時的に出現し初期のPK能力者は軽いものを動かせる程度の力しなかったがPKの力はその後、僅か五年ほどで増大し念じるだけで発火現象を起こしたり人間の頭を破裂させるほどになった。各国はPK能力者を戦争へと投入しはじめた。
・欧州自由連合の崩壊と欧州帝国の出現
231年8月15日、欧州自由連合にてPK能力者によるクーデターが発生し欧州自由連合は解体され欧州帝国が誕生した。欧州帝国はPK能力者による通常人類の奴隷化を実行し自分達を新人類や神と称し全世界の国家へとPK能力者の解放を呼びかけ聖戦を宣言した。各国はこれに対しPK能力者の無力化作戦を実行する。アメリカ連邦帝国はこれを静観。
・PK能力者の覚醒と大国の崩壊
240年頃、世界各国でPK能力者による反乱が始まり、またそれと同時に欧州帝国の侵攻によって新ソ連やロシア連邦帝国が崩壊した。北アメリカ等には長距離輸送手段が存在しなかった為侵攻はなかったがPK能力者による反乱の結果アメリカ連邦も崩壊しこの時点で地球上に残った国家は実質、アメリカ連邦帝国と欧州帝国のみになった。アメリカ連邦帝国が存続した理由はPK能力者の反乱などが実質無かった事等が理由として考えられている。アメリカ連邦帝国はPK能力者が出現した当初、すぐに独自の研究と教育に力を入れていた。国家最高科学アカデミーはPK能力者を安全に運用するには国家と市民への忠誠と信頼が重要であると結論づけ国内の科学研究サイトで徹底的な教育を行っていた。また、この頃のPK能力者の力はさらに増大しヘリコプターを落とす事や戦車を吹き飛ばすような事が可能となっている。また、PK能力者が認識した自身への攻撃を物理攻撃ならばPKで防ぐ事ができるようになっている。
・アメリカ連邦帝国内戦
240年頃、アメリカ連邦帝国の内政は磐石ではあったがアメリカ連邦の崩壊によって多くのPK能力者が国内に侵入し各地で戦闘が勃発した。国家最高治安委員会は国家治安維持軍や国家治安軍を投入し事態の収拾を図ったが戦火は拡大した。
・欧州帝国の崩壊
258年9月20日、突如、欧州帝国で内乱が勃発した。欧州帝国では貴族間の暗殺事件が相次ぎ疑心暗鬼の空気が国全域に広がり内乱勃発から二ヵ月後の11月21日欧州帝国からの全長距離通信が途絶、これ以降、北米大陸に大陸外からの国家からの通信はなくなった。この事件以降、PK能力者間で不安や疑心暗鬼の雰囲気が広がりこれまでは互いに協力していたPK能力者たちは家族や友人など小さなコミュニティーに分裂し以降、通常人類やPK能力者など見境無く襲うようになる。
・中央政府の崩壊
279年1月18日、国家治安維持軍や国家治安軍は自国のPK能力者(自国のPK能力者には異常は見られなかった)は継続して内戦の対処を行っていたがこの日、首都の地下シェルター、サイト325にPK能力者の一団が侵入し10万人以上の市民が殺害され中央政府は事実上崩壊、このPK能力者の集団はその後人口密集シェルターを次々と攻撃しこの事件によってアメリカ連邦帝国の人口は詳しい統計は無いものの半数以上の市民が殺害されたと推測されている。以後、サイト325に存在する政府広報局は無人の状態で現在まで稼動し続け「コチラハ政府広報局デス。緊急ラジオ放送デオ伝エシマス。現在、各地ノ政府機能ガ麻痺シ各地デ無政府状態ニ陥ッテイマス。マダ無事ナ、シェルターノ市民ハ外出ヲ控エ、各シェルターノ管理官及ビ国家治安維持軍、国家治安軍等、各行政機関ノ指示ニ従ッテ下ダサイ。繰リ返シマス――」と言う内容と国歌を自動放送し続けている。
・人口の激減
300年代、ここから先の時代はアメリカ連邦帝国はほぼ完全に無政府状態だが幾つかのシェルター政府はかつての中央政府の指示に従い続け国家治安軍や国家治安維持軍はゲリラ戦を継続し各地で抵抗を続けた。しかし、310年代に入るとついに通常人類は奮戦むなしく絶滅したと考えられ368年についに組織的抵抗が無くなりアメリカ連邦帝国は368年間に渡る歴史に幕を閉じた。
その後もPK能力者同士の殺戮行為は続き悪化し殺害対象は家族や肉親にまで及ぶようになった。信頼のおける統計が存在しない為、断言は出来ないが世界人口はその後も急激に激減したとみられる。また、アメリカ連邦帝国が崩壊する30年前からPK能力者は再び異常な突然変異を遂げた(これは放射能ではなくPK能力が人体を変化させたと考えられている)。この結果、この頃以降に登場したPK能力者は放射能に対する耐性を手に入れている。当時の国家最高科学アカデミーの主任研究員アリアス・E・ファルトマン博士は報告書にて以下の内容を述べている。
「今後もPK能力者の身体は変化を続けPK能力も現在よりも強力になると推測される。PK能力は実験で分子や原子へ影響を与え遺伝子改変なども行える事が確認されており近年の例ではPK能力によって人体を生成することに成功している。生成した人体の生命活動は無かったが近年の放射能への耐性を持つPK能力者の出現はPK能力者の生存本能によって発生したとも考えられ我々国家最高科学アカデミー研究班一同はいずれ近いうちに不老不死、もしくは不死に限りなく近い存在が出現すると警告する。そうなった場合、理論上、その者のPK能力は上限が無く集中力しだいで、これまでに見られたPK能力者を遥かにしのぐPKを行使可能になるであろう。危険ではあるが我々がヤツラに勝利するにはこのタイプのPK能力者がどうしても必要だろう。我々が直接研究を指揮している研究施設では現在、PK能力者の了承を受け交配実験と観察実験を繰り返し行っているが見つかる様子は無い。やはりそう簡単に奇跡は起きないと言う事であろう。更なる人員が欲しい状況ではあるが我々には余力が無い。南部にある6割近い研究施設と我々は連絡が取れないことが原因だ。これの原因は中継通信施設の多くが破壊された事だが願わくば我々が生きている間に出現している事を願う。死人に何とやらと昔の人間は言ったらしいが最期に一言、お前らが先にくたばっちまったせいで指揮系統がめちゃくちゃだ――国家最高科学アカデミーPK能力者研究報告書37893号238ページ、主任研究員アリアス・E・ファルトマン博士から国家最高科学アカデミー最高科学評議委員長マーチェス・S・ブラウン博士への伝達事項欄」(マーチェス・S・ブラウンを含めた国家最高科学アカデミーの最高科学評議委員メンバーはこの報告書が書かれた時点で全員殺害されている)
・未知の核爆発
1368年12月31日深夜24時00分、アメリカ連邦帝国崩壊から1000年が経過したこの年、旧アメリカ連邦帝国のロサンゼルス中心部で凡そ100メガトンに相当する核爆発が発生した。ロサンゼルス近郊には旧アメリカ連邦帝国の秘密地下研究所となっていたシェルターが存在しているが関係性は不明。爆発当時、地球上の人類の総人口は0から一桁に満たない程度であると推測されている。
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政治
・政治体制
アメリカ連邦帝国の政治体制は国民管理型全体主義の警察国家で議会や国会や内閣に当たる組織で国家最高治安委員会が存在しそこから選出される国家最高治安局長が国家元首であった。国家最高治安委員会は各政府機関を統括し国内のシェルターを管理し資源の運用、科学、経済、教育、軍事などあらゆる分野で管理国家体制を構築していた。同時期に存在した国家の中でもアメリカ連邦帝国はかなり異質な国家であるといえる。
・軍事
国家治安維持軍、国家治安軍を有し自国生産の兵器や発掘された最終戦争前に使用されていた車両や兵器をサルベージして運用していた。通常兵器での軍事力は各大国と同等規模であるが他国と同様、車両や精密兵器の開発などには成功しておらず発掘兵器が無ければ兵器レベルは第一次世界大戦レベルである。
PK能力者は国家治安維持軍や国家治安軍や自警団等に配属されていた。PK分野の研究は世界で最も進んでいたと言われ内戦中には対PK能力者用に開発されたPK能力者専用兵器としてPK特殊重金属弾を用いた特殊狙撃銃等が自軍のPK能力者に少数であるが配備されていた。少数である理由は配備された時期には既にPK能力者が不足していた為である。PK特殊重金属弾はPK能力者が使用する事でPK能力を利用して弾速を通常の狙撃銃の弾速を遥かに超えるマッハ30キロまで急加速させ当時のPK能力者のPKによるシールドを貫通する事ができる特殊弾の事である。
・PK能力者への宥和政策
アメリカ連邦帝国は他国のようにPK能力者をすぐさま戦闘に参加させるような事は一部例外を除いて殆どしなかった。理由は当時の政府がPKの危険性を薄々とながら理解していたためである。PK能力者は国内の各研究所に集められ教育を施され国家と市民への忠誠、信頼心を抱かせるような徹底的な教育が行われた。これは当時の連邦帝国の一般市民の標準教育量からみても非常に入念に教育が行われた事が伺える。その結果、アメリカ連邦帝国は最期まで残る事ができたと考えられる。
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産業
主な産業は発掘業や生産業、農業などであった。
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科学
最終戦争によって失われた科学技術の大半はもはや再現は不可能の状況になっていた。その為、世界各国は科学技術の研究に力を入れていたがその中でも特にアメリカ連邦帝国は右に出るものは居ないと言われるほど科学技術の分野には力を入れていた。その為、製鉄技術、生物学、医学などの分野は他国の追従を許さない勢いだった。しかし、理論などは理解できても設備が再現不能な為、科学技術の復興は細々としか進まなかった。
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宗教
国民の大半がキリスト教と科学を信仰している。また、一部の民間シェルターでは悪魔崇拝なども行われていたと言われる。
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アメリカ連邦帝国崩壊後の地球環境について
アメリカ連邦帝国崩壊後、地球上に存在する全ての人類国家は消滅したが地球上の環境は連邦帝国崩壊後████年が経過した現在も変わらず全域で高濃度の汚染が続いている。さらに高層ビルやシェルター等、かつて人間が使っていた物品などに対する劣化は一切見られない。
この事について国家最高科学アカデミーに提出された論文の中に「無意識下のPKによる物質に対する固定化とPK能力者残留思念について」という論文が提出されていたが事が判明しているが資料の破損が酷く内容は不明で関連性は不明となっている。




