大消滅 ‐ ウィキパディア
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大消滅
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大消滅とは各国で呼び方が異なり、ハイパー・ディザスターや、大消滅事件、魔の四月事件とも呼ばれる人類歴史上最悪の大災害である。
2008年に発生しイタリア、スペイン、北アフリカの地域の他、イラン、アゼルバイジャンを含めたアラビア半島の広範囲で発生した。この災害による被害者の正確な統計は不可能でああるが、少なくとも6億6,260万人以上の人々が行方不明となり、経済的、物的損害は天文学的なものに達した。
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目次
1.概要
1.1被害を受けた地域
1.2消滅の特徴
1.3世界経済の混乱
1.4未知の大陸の出現と混乱
1.5巨大海洋生物並びに翼竜による生態系の破壊
2.状況の推移
1.1全世界同時電力障害
1.2全世界での国籍不明船舶の出現
1.2.1特殊な事例
1.3電力の回復と消滅と出現
3.災害後の対応
4.クラリネス大陸
4.1クラリネス大陸の人権問題
4.2クラリネス大陸の国家
4.2.1クラリネス皇国
4.2.2エゾロス藩国
4.2.3神聖アクルメ帝国
4.2.4シュシャーナ国
4.2.5ソビエト・ガリア(旧ガリア魔法王国)
4.3魔境
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概要
2008年4月2日、地球全域でほぼ同時に電力障害が発生し、全世界で国籍不明の船舶が出現する現象が最初に発生した。
電力障害は数時間で終息したが、その後の調査でイタリア、スペイン、北アフリカの地域の他、イラン、アゼルバイジャンを含めたアラビア半島の広範囲が消滅して海になっている事が確認された。その後のさらなる調査により、この海となった地域にはオーストラリアと同程度の面積を持った巨大な大陸が出現している事が判明。この事件によって消滅範囲の国家は文字通り完全に消滅し行方不明者は6億人を超えこの未知の災害は人類歴史上最悪規模の大災害事件となった。
・被害を受けた地域
欧州 :イタリア、スペイン
中東 :イラン、イラク、シリア、レバノン、ヨルダン、イスラエル
サウジアラビア、バーレーン、クウェート、カタール
アラブ首長国連邦、オマーン、イエメン
アゼルバイジャン
北アフリカ:エジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、ニジェール
チャド、スーダン、エリトリア
・消滅の特徴
消滅した国家のあった地域は深さ1000m以上がえぐられる様に消滅しており海となった。また、消滅の範囲は国境線に沿って消滅しており、トルコとイランの国境線では国境の検問所が綺麗に切断されるように、イラン側が消滅している事も確認されている。そのほかの地域でも国境を渡っていた住民が体を半分だけを残して消滅している事例も複数が確認されている。
・世界経済の混乱
この事件によって世界経済は1929年の世界恐慌以来の恐慌状態へと陥った。多数の国家が財政破綻に追い込まれる事態となった。南米の産油国やロシアの経済は消滅した中東の産油国の変わりに、天然ガスや石油を輸出した為、比較的早い段階で回復したが、その他の国家の経済は現在に至るまで危険な状態である。
・未知の大陸の出現と混乱
2008年4月の調査によって、消滅した国家があった地域には未知の大陸が出現している事が判明した。面積はオーストラリア大陸と同等の規模の面積であり、未知の生物や知的生命体が多数生息し、文明国家を形成している事が分かっている。この大陸の出現は国連でも論争となり、その後の世界情勢にさらなる大きな混乱を招く事となった。
・巨大海洋生物並びに翼竜による生態系の破壊
大消滅後、地中海やインド洋周辺に未知の巨大海洋生物や翼竜と思われる生物が多数出現し、大型貨物船などの民間船が沈められたり襲撃を受ける事件が多発した。さらに地中海やインド洋では生態系の急激な破壊が起きている。
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状況の推移
・全世界同時電力障害
全世界同時電力障害とは、グリニッジ標準時2008年4月2日の午前01:00から5:00までの間、全世界で同時的に電力が使用できなくなった現象である。電力の供給が極端に減少したり過剰に供給されたりするなどの事態が各地で発生。これによって世界各地で火災や飛行中の航空機が墜落するなどの事故や交通事故が多発した。
世界中の原子力発電所、火力発電所、水力発電所、太陽光発電所、風力発電所も発電不能の状態へと陥った。原子力発電所では核分裂反応が続いているのにも関わらず発電された電力が消失する現象も確認された。
また、病院などを始めとした医療活動や救命活動にも甚大な被害を与え、全世界で電力が使用不能となった影響により、治療を受けていた患者などに夥しい数の死者が出る事となった。また、死亡する事を免れた入院患者なども大勢存在したが、中には機械が停止した影響により、深刻な障害を負ってしまった患者も激増した。
・全世界での国籍不明船舶の出現
電力障害は午前06:00までには全世界で終息した。各国は電力が復旧した事を確認すると、現状の把握の為に軍や警察を動員した。しかし、海に面した国々では海軍や海上警察組織等が国籍不明の奇妙な形状をした帆船などを大量に発見するなど異常な事態が起きた。
これらの各国によって確認された船舶の数は実に全世界で5,358隻にも及ぶ。しかし、こられの船舶との遭遇は、各国にそれまでよりも、さらに異常な混乱をもたらす事となった。これらの船舶は各国それぞれの判断によって拿捕または保護などがされたが、そこで遭遇したこれらの船舶の船員達は実にその半数以上が明らかに同じ人類ではなかった。
拿捕または保護された船舶の船員の半数以上が人間に獣耳と尻尾を生やした様な知的生命体だったり、トカゲのような姿をした生命体であった。こうした遭遇の情報が各国の政府に伝わると、各国政府はさらなる大きな動揺と混乱を巻き起こす事となった。
・特殊な事例
太平洋の島国であるミクロネシア連邦のチューク諸島では帆船ではない現代船に非常に近い形状の船舶がミクロネシア警察によって拿捕されている。全世界に出現した船舶の中では、現在までに確認されている中でも、帆船ではない現代船に非常に近い形状の船舶が確認された唯一の事例である。
このミクロネシア連邦で拿捕された船舶はフリゲート艦もしくはコルベット艦に該当する規格の艦種で、全長は97m。艦の形状はポルトガル海軍のフリゲート艦に似ていた。艦前部に口径10cmの単装速射砲と思われる砲塔が1基が設置されており、単装速射砲の後部と艦後部にはソ連の2M‐3に類似した縦2連装の機関砲塔が設置されていた。また、魚雷発射管と思われる筒状の装備も確認されている。
この艦は非常に老朽化が進行しており艦全体が錆付いていた。艦には激しい戦闘を行ったと思われる損傷が多数確認され、弓矢やランスの様な形状の金属の塊が複数、艦に突き刺さった状態で残されていた。
艦内部の調査はミクロネシア警察によって行われ、それによって艦内にはミイラ化した旧日本軍風の服装をした兵士と思われる人物が複数人と、同じ服装をした背中に翼の様な器官を有した少女。イヌを人型にした様な外見をした旧日本軍風の服装を着た生物の遺体が発見された。これら艦内から発見されたミイラ化した遺体の内、背中から翼の生えた種族や、イヌを人型にしたかの様な姿の種族は、後の調査によって、クラリネス大陸やクラリネス大陸が本来存在した世界には該当する様な種族は存在していなかった事が判明している。
艦内には資料も残されていたが、残されていた資料の殆どは劣化し読み取れない状態であった。しかし、一部、読み取れた資料の中には国旗の様な旗や、地球の世界地図と非常に類似した地図も見つかった。だが、この発見された国旗の様な旗は、既存の地球国家には当てはまらないデザインの旗であり、また、世界地図も国名などは、掠れていた為に殆どは読み取れなかったものの国境線がおかしく、特にメキシコから南米の国境線はアルゼンチンとブラジル以外の地域が謎の国家によって占められているという奇妙な地図だった。
発見された資料の中には航海日誌も発見されており、この航海日誌は酷く劣化していたものの、最後のページにはチューク語で 〝本艦は任務を十分に果たした。後の事は味方に任せて我々は祖国への帰還の航路をとることとしよう〟 と殴り書きで書かれていた事が分かっている。
航海日誌の側にはこれを書いたと思われる艦長服と思われる制服を着た人物の遺体があり、この人物の手には拳銃が握られ、背中には剣が突き刺さっている状況だったという。そして、その数m近くには銃殺された西洋式の甲冑を着た女性の遺体が発見された。
・電力の回復と消滅と出現
電力回復後、各国は自国の混乱の収拾作業と、周辺国と連絡を取り始めた。最初に異変に気がついたのはポルトガルだったとされ、隣国のスペインが消滅している事にすぐに気づいた。
それに続くように、その他の周辺国も自分達の隣国が消えている事を確認した。フランス、イギリス、ポルトガルは海軍を派遣し、すぐに調査を開始。それよってスペインやイタリアなどの国々が消滅している事が明らかとなり、2日午後21時頃には、消滅した地域の周辺国の全てが状況を認知した。
さらに各国の海洋調査に伴い未知の大陸が出現している事もこの時に確認された。その後、各国はさらなる調査によってこの未知の大陸には国家を形成していると思われる未知の文明勢力が存在している事を確認し、調査団や特使を送るなどして、さらなる状況の把握に全力を注いだ。
これによって地球上から、イタリア、スペイン、北アフリカの地域の他、イラン、アゼルバイジャンを含めたアラビア半島の広範囲の地域が消滅し、まるで入れ替わるかの様に、この未知の大陸が地球とは違う世界もしくは惑星からテレポーテーションして来たことが判明する事となった。
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クラリネス大陸
クラリネス大陸は消滅した国家の領域内に出現したオーストラリア大陸と同等の面積を持つ大陸の事である。
クラリネス大陸には人間以外にも、数種類の知的生命体が存在しており、トカゲのような姿をした知的生命体や、獣人と呼ばれる人間に獣耳と尻尾を生やしたような知的生命体が存在している。また、地球の野生生物とは全く別の進化を辿った多数の生命体が生息している。文明のレベルは転移当初においては、非常に低く地球における中世のレベルであった。しかし、魔法技術と呼ばれる未だに科学では解明できていない技術を保有しており軍事力に関しては侮れない部分がある。
・クラリネス大陸の人権問題
クラリネス大陸で生まれ育った人間には、魔法という特殊な技術を扱う事ができる超常能力があるが、獣人は魔法を扱う事ができない為、獣人は奴隷にされるなど差別されている傾向にある。
・クラリネス大陸の国家
クラリネス大陸には5つの国家が存在する。以下は現在の国家一覧。
国家:クラリネス皇国
概要:絶対王政体制の皇国で元老院などの議会を有する政治を実施している。イエメンからサウジアラビア南部の地域があった位置に存在している。親米的な国家でありインドなどの国々とも国交がある。近年はアメリカの鉄道会社が鉄道網の建設を受注するなど近代化の波が来ている。国民は人間種が圧倒的に多く獣人は殆ど存在しない。隣国のエゾロス藩国やソビエト・ガリアと敵対している。文化は地球の中世ヨーロッパの文明に近いといわれている。
国家:エゾロス藩国
概要:日本の江戸時代の幕藩体制に似た政治構造を持った国家。エジプトからサウジアラビア西部があった位置に位置している。獣人国家であり国民の大多数は獣人。鎖国体制を敷いているが欧州各国やロシアなどの国と積極的な外交関係、及び貿易を行っている。近年はロシア製の兵器や欧州各国の兵器をエゾロス藩国でしか採掘できない特殊な鉱物資源と引き換えに取引しており軍の近代化はクラリネス大陸では第2の規模を誇る。文化は地球の中世の日本と良く似ているといわれている。
国家:神聖アクルメ帝国
概要:絶対王政を敷いている国家で体制はクラリネス皇国の独裁色を強くした様な状況である。アルジェリアの北部、チュニジア、リビアの北部、イタリアのシチリア島があった位置に位置する国家。エゾロス藩国と敵対しクラリネス皇国とは同盟関係にあったが近年はトルコや中国との関係強化を進めている。国民の半数は人間で残りの半分を獣人が占めているが獣人は奴隷として酷使されている。文化は中世のヨーロッパに類似している。
国家:シュシャーナ国
概要:クラリネス皇国の東側沖合いのインド洋に出現した諸島国家。面積はキューバとほぼ同じ。元の世界においてはシュシャーナは隣の大陸の巨大国家の飛び地の領土であったがテレポーテーションによって本国と寸断された経緯がある。獣人の特にトカゲの姿をしたものが多く居る国家でこの国では人間が奴隷として扱われている。エゾロス藩国と同盟関係にある。文化は中東やインドの文明に近いといわれている。事実上の鎖国体制を取っている。
国家:ソビエト・ガリア(旧ガリア魔法王国)
概要:2016年のガリア赤色革命によって誕生したクラリネス大陸初の共産主義国家。元々はガリア魔法王国と呼ばれる魔法第一主義を掲げる国家であったが2009年にガリアがインドへと侵攻しロシアまでが参戦する事となったガリア戦争の敗戦後、ガリア魔法王国は国内の情勢が悪化しその際にロシアの活動家が持ち込んだ共産主義の思想に感化された人々が魔法王国政府に対して反旗を翻しガリア赤色革命によってソビエト・ガリアが誕生する事になった。ソビエト・ガリアはエゾロス藩国と同盟を結び他の大陸国家と敵対している。中国以外の東側諸国と深い交流を行い北朝鮮、ロシア、インドから支援を受けている。ガリアの首都には王都とよばれるヨーロッパ風の都市が存在していたがソビエト・ガリア政府は首都を徹底的に破壊しその上に近代的な都市の建設を進めている。国民4割が人間で残りの6割が獣人であるが他国とは違い平等な権利が保障されている。なぜソビエト・ガリアの政策が他国とは違うのかとして理由が考えられているのはガリア魔法王国時代に人間も獣人も魔法が使えないものは奴隷階級に落とされていた事が原因としてあげられる。しかし、KGBをモデルにした秘密警察が存在し反政府思想の人物は処刑されたりなど人権問題が指摘されている。軍事力は近代化された装備に加えて魔法の部隊も存在し大陸内での軍事力は1位だといわれている。
・魔境
クラリネス大陸の約半分の地域は魔境と呼ばれる人間が立ち入る事ができないほど凶悪な生物が数多く生息する地域である。クラリネス大陸出現後アフリカではこれらの生物がアフリカ大陸に上陸しアフリカ諸国は連合軍を組みそれらの生物と交戦を続けている。2012年には当時まだ連合軍に参加していなかったマリ共和国の領土の半分近くがそれらの生物に支配された。2019年現在、これらの生物の侵攻は抑えられている。