地天戦争 - ウィキパディア
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地天戦争
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地天戦争とは地上人と天空人との間で勃発した人類史上最大の戦争である。戦争は全世界で行われた。地天戦争は1980年6月18日のノアの大洪水によって会戦し地上人は列強国を中心に地上を覆った雨雲に対して核攻撃を実施。それに対して天空人率いる天空帝国は地上国家を攻撃した。戦火は見る見るうちに拡大しこの戦争は22世紀に入った現在でさえ終わる様相を見せていないが近年は休戦協定締結に向けた両陣営の交渉が行われている。開戦初期は第三次世界大戦とも呼ばれた。この戦争はそれまでの地球環境を完全に破壊し全世界の90%以上の土地が放射能等の様々な汚染物質によって汚染される結果を招いた。
交戦勢力(会戦初期)
〔地上人〕 〔天空人〕
:アメリカ合衆国 :天空帝国
:ソビエト連邦
:イギリス
:フランス
:中華人民共和国
:その他18カ国
交戦勢力(核戦争期初期)
〔地上人〕 〔天空人〕
:国際連合 :天空帝国
・アメリカ合衆国
・ソビエト連邦
・イギリス
・フランス
・中華人民共和国
・南米連合
交戦勢力(核戦争後期)
〔地上人〕 〔天空人〕
:国際連合 :天空帝国
・アメリカ軍管区
・ソビエト軍管区
・イギリス軍管区
・フランス軍管区
交戦勢力(近代期)
〔地上人〕 〔天空人〕
:国際連合 :天空帝国
・アメリカ軍管区
・ソビエト軍管区
・イギリス軍管区
・フランス軍管区
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目次
1.概要
2.参戦国
2.1地上人
2.2天空人
3.背景
4.ノアの大洪水による開戦
5.経過(核戦争期)
5.1 1980年から2000年代
5.2 2000年から2050年代
6.経過(近代期)
6.1 気象コントロール技術とバイオ金属技術の確立
6.2 タワーの建設成功による戦線拡大
6.3 ソビエト軍管区による天空帝国首都奇襲作戦
7.地球環境の崩壊
8.停戦協定の締結
9.休戦協定締結に向けた動きとその先の終戦協定
10.近代で使用された主な主力兵器
11.タワー周辺の環境
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概要
1980年6月18日に天空人によって行われたノアの大洪水による地上文明消滅作戦が地天戦争の始まりだとされる。天空帝国はそれまで秘密主義を貫いていたが方針を転換し大部分の地上人を天空に強制的に収容した上で地上に対して気象兵器を使用して全世界に1ヶ月に渡る大雨を降らせて地上文明を消滅させようとした。これに対して地上人はアメリカ合衆国、ソビエト連邦、イギリス、フランス等の核保有国を中心に地上を覆う雨雲に対して核攻撃を開始した。地上人はこの時、天空人の存在を知らなかった。この攻撃を予期していなかった天空帝国はこの攻撃によって空にある雲の国土の80%が失われた。天空帝国は軍を派遣し地上人の軍事施設に対して攻撃を開始した。戦火は見る見るうちに拡大し人口は地上人、天空人を含めて激減しこれが後に核戦争期と呼ばれる1世紀に渡る放射能と核爆発の死が支配する時代の幕開けとなった。
2050年以降に気象コントロール技術を地上人が確立しさらに数年後にバイオ金属技術を確立させると戦争はこれまでの核攻撃による面制圧から様相から大きく変わり始め2068年にイギリスがバイオ金属技術を応用し大規模気象コントロール軌道タワー(通称:タワー)を建設すると防衛戦は地上人側に有利となり戦線が動きにくくなった。この状態は22世紀に突入した2140年台以降まで続いた。状況が大きく動いたのは地上人のソビエト軍管区が主力となって行われた天空帝国首都奇襲作戦でこの作戦から数年後に地上人と天空人の停戦交渉が行われ停戦協定が締結され大規模な戦闘は以後行われなくなった。
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参戦国
地天戦争の戦争構造は非常に単純であり地上に文明を持つ地上人と空に文明を持つ天空人との間で戦争が行われた。地上人は開戦当時の列強国であるアメリカ合衆国、ソビエト連邦、イギリス、フランス、中国を中心に南米、アジア、アフリカ地域の国家18カ国が参戦した。しかし、列強国以外の核兵器を持たない国々は開戦初期の5年以内に南米の連合勢力である南米連合を残して壊滅した。核戦争期に本格的に突入すると列強国であった中華人民共和国と核兵器を保有していなかった南米連合は2010年代には事実上壊滅した。その後はアメリカ、ソビエト、イギリス、フランスが地上に残る地上人勢力として存続し国際連合の名の下に天空人と戦争を続ける事になる。天空人の国家は天空帝国のみの為、一貫して天空帝国が地上人との戦争を主導している。
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背景
地上人と天空人の違いは大まかには地上に住んでいるか雲の上に住んでいるかである。地上人は地球誕生後地球の生物の進化によって誕生した人類で天空人は太古の昔に何らかの原因で宇宙や平行世界(説は多くある)から地球の雲へと住み着いた、限りなく人に酷似した知的生命体である。天空人の背中には飛行可能な大きな羽が存在し生物学上はヒトではない。
天空人の存在が地上人の公に露となったのはこの戦争がきっかけだと言われている。天空人から提供されている資料によると天空人は人類がまだ石器時代のを迎えていた時にこの世界(地球)に到来し当時保有していた超科学技術によって水蒸気の塊でしかない雲を居住可能な大陸へと姿を変え住み着き天空帝国を建国したとされる。天空人の存在は原始的な文明しか持っていなかった地上人に恐れられ崇められ神として崇拝されていた。地上人の様々な宗教には神は空からやって来る等の概念があるがこれは天空人が空に住んでいた為、何らかの関係性があると現在の歴史学では言われている。天空人は当時の地上人に神として稲作や家畜の育て方、水路の引き方、巨大建築物の建設方法を伝え地上人を永らく支配していた。しかし、この頃に文明としての力が増大した天空人の結束が乱れ始め地上の地下資源を巡って世界規模の大戦が行われた。戦争は数十年にも及び最終的には天空帝国の勝利で終わったが多くの超科学技術を失い天空帝国は以後、地上世界への介入を禁止し空だけを自らの領域とする事を決めた。その後、天空人は地下資源ではなく自然エネルギーを活用したクリーンな文明へと姿を変える事になった。
しかし、天空人が居なくなった後、地上人は急速に文明を発達させていった。天空人がその後、地天戦争までの長い間一切の戦闘行為をしなかったのに対して地上人は地下資源を巡り争った。そして地上人の文明はついに飛行機を発明し空にまで進出するようになった。天空人は地上人のこうした技術進歩を脅威に感じるようになった。そして1940年代になると地上人は天空人が予想だにしていなかった脅威の兵器、核兵器を完成させた。さらに米ソ冷戦や深刻な環境破壊も発生し当時の天空帝国では「叩けるうちに叩いておくべきだ」と言う風潮が大きくなり始めた。しかし、天空人は地上人を精神的にも文明的にも遅れた野蛮人と考えていた人々が多かった。こうした要因が重なった結果、天空帝国はこれまでの自らの存在を隠し続ける秘密主義を転換しノアの大洪水による攻撃を行うにいたった。
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ノアの大洪水による開戦
当初の計画では地上に大雨を1ヶ月の間に降らし洪水などの災害によって地上文明を洗い流すものであった。また、人道主義と称して作戦実行後速やかに地上人数億人を天空帝国へと避難させ地上文明が消滅した後に地上へと戻す計画だった。しかし、この計画は地上人からの反撃行為がない事を前提にしたものであり後に天空帝国にも大規模な被害を与える事となった。
1980年6月18日、天空帝国ついに予てより計画していた気象コントロールによる奇襲作戦を開始した。地上全世界には大雨が降り始め天空帝国軍は計画通りに世界各国の地域から多くの民間人を天空帝国へと救助と称した拉致をおこなった。しかし作戦決行後の6月27日、地上人の列強国、アメリカ、ソビエト、イギリス、フランス、中国はホットラインによる電話会議の結果、地上を覆う雨雲に対して核攻撃をおこなう事を正式に決定した。これに伴い各国の政府は地下シェルターなどに政府機能を移し作戦は速やかに実行され雨雲に対して核攻撃が実行された。
この攻撃は天空帝国に大きな衝撃を与えた。天空帝国は地上人は天災に対してなすすべも無く滅びるだろうと考えていた。しかし、予想を大きく外れた地上人による一斉核攻撃によって雨雲ばかりか天空帝国の雲に擬態した浮遊大陸までもが核攻撃に巻き込まれ誘拐された多くの地上人を含めた多くの天空人が死亡した。浮遊大陸も全体の60パーセント以上が消滅しこれによって天空帝国の総人口は半分以下となった。また、エネルギーを供給していた州が破壊された為、地上に大雨を降らせていた雨雲も能力を大きく失い降雨量も世界規模で減少した。
天空帝国はこの事態に対しついに軍を動員し計画を成功させる為、地上人の抵抗国に対して降伏勧告と攻撃を開始した。この時点で地上人も天空帝国の存在をようやく認識することとなり地上人は神を名乗る天空帝国と徹底抗戦を開始しここに地天戦争が幕開けとなった。
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経過(核戦争期)
・1980年から2000年代
天空帝国との戦いは技術レベルの劣る地上人に不利に推移した。しかし、唯一地上人が抵抗できる最大の手段が核兵器だった。天空帝国も核兵器の対策を研究していたが有力な手段を確立する事は不可能だった。1980年から2000年代は核戦争初期と呼ばれ強力な米ソ冷戦によって世界中に蓄えられた多くの戦術核弾頭や戦略核弾頭が使用され天空帝国にも地上人にも大打撃を与えた時代である。天空帝国の誇る天空軍の飛行艦隊は事実上壊滅し天空帝国は気象兵器と地上人からUFOと称された高性能円盤型戦闘機による一撃離脱戦法を取るようになった。一方、地上人は地下施設などに篭りミサイル発射や地上軍による拠点防御が主流となった。この時代には列強国以外にもおよそ18カ国の国家が世界各地にまだ残っていたが2000年代に入ると南米のブラジル、アルゼンチンの連合軍、南米連合だけになった。壊滅した国家などは近くの国家に吸収されるか長期の潜伏を余儀なくされた。
・2000年から2050年代
核戦争後期と呼ばれるこの時代は地上人の列強国が汚染と天空人の攻撃によって苦しめられた時代となった。この時代、地球は壮絶な環境異変に悩まされた。天空人が地球を雨雲で多い尽くした為、地表の気温は下がりさらに地上人が使用した核兵器による汚染や洪水で流された化学工場などから流出した汚染物質などによって陸も海も大気も全てが汚染されていた。長期にわたる天空人の気象兵器の使用による無差別、気象異変や気象攻撃で地上人の行動は大きく制限され天空人は地上人を周到に攻撃した。これによって南米連合が2030年代には事実上壊滅し2040年代に入ると初めて核保有国である列強国の一つ中華人民共和国が天空人の攻撃によって敗北し壊滅した。これに伴い国際連合は各国の結束を強める為に各軍を軍管区として再編成し世界的な協調姿勢をさらに強める事になった。
経過(近代期)
・気象コントロール技術とバイオ金属技術の確立
戦争の様相が大きく変わり始めたのは2050年代に入ったときである。これまでの地上人の戦略は天空人の戦力に対して核兵器による面制圧を基本としたものだった。しかし、アメリカが研究していた気象コントロール技術を確立させると初歩的であるため小規模ではあるものの気象のコントロールに成功し無汚染地帯を人工的に作り出す事に成功するようになり新たな拠点構築が以前よりも容易に可能になるようになった。さらに同時期にバイオ技術研究が進んでいたイギリスがバイオ金属技術を確立させた事により金属資源の採掘の必要が無くなり兵器の生産性や物資の生産性が大きく向上した。これによって技術面で大きく優れた天空帝国の兵器に対して物量戦を仕掛ける事が可能となった。またバイオ金属技術を応用した食料の生産システムも構築し地上人は長年続いた食料問題から解放される事になった。
・タワーの建設成功による戦線拡大
2068年にイギリスがアメリカの気象コントロール技術の技術供与を受けて自国のバイオ金属技術を応用し全長1万メートル以上にも及ぶ大規模気象コントロール軌道タワー(通称:タワー)を建造期間僅か6ヶ月というスピードで建造に成功すると戦況は大きく変わるようになった。タワーは半径数十キロ圏内の雲を全て取り払う事が可能でこれによって地上人は約一世紀ぶりに青い空を取り戻しタワー周辺を除染することによって新たな戦略的拠点となった。このタワーは世界中で建設されイギリス軍管区では旧ヨークシャーデイルズ国立公園に、フランス軍管区ではトゥールーズに、ソビエト軍管区では極東シベリア地域に、アメリカはネバダ州とペンシルベニア州に建設された。これにより地上人はこれまでは地下シェルターに隠れて僅かな領域しか護る事ができなかったのに対してタワーによって地球上で最も安全な拠点を手に入れることに成功し各生産設備をタワーの防衛領域へと移転、バイオ金属技術をもって大量の地上兵器、航空兵器、無人航空兵器を大量に投入する事により戦線が大きく拡大される事となった。しかし、核兵器の使用は領域がある程度確保できた事と無尽蔵に兵器が開発可能になった事を受けて使用はされなくなった。この決定は地球の環境をこれ以上悪化させる事は好ましくないとの判断も大きい。その後は地上人は物量戦を仕掛けるようになったが天空人は地上人が核兵器を使用しなくなると大型飛行艦艇(通称:母艦クラスUFOや戦艦クラスUFOと呼ばれる)を投入し戦線は膠着した。しかし、戦線の膠着とタワー周辺の安全地帯の出現によって地上人の人口は増加傾向へと転じ、一時10万人を下回っていた人口は22世紀に入る頃には1億人を突破するようになった。
・ソビエト軍管区による天空帝国首都奇襲作戦
2140年代に入っても戦線はこう着状態や取ったら取られるといった状況が続いていた。依然として地球全域で見ると占領こそされていないものの戦線の天空人側の領域は地上人の影響下にない領域が90%以上であり地上人にとって有利な状況とは依然言いがたかった。そこで地上人はこの頃になると形成を逆転する為に天空人の首都を直接攻撃する計画を立案した。天空人の帝国である天空帝国の大陸は雲に擬態しているため普通の雲との見分けがつきにくく、さらに空を回遊している為今まで一度も攻撃に成功した事はなかった。しかし、地上人は長年に渡る天空帝国軍の動向や捕虜への尋問からある程度の位置をあぶりだす事に成功し、作戦はソビエト軍管区とアメリカ軍管区の共同作戦で実行され、まず、アメリカ軍の大規模航空部隊が首都のある方角へと出撃し天空軍と太平洋上で交戦。その後、ソビエト軍管区から大規模航空部隊が出撃し手薄になった天空帝国の首都を強襲した。この作戦はソビエト軍管区、アメリカ軍管区双方の軍に多大な損害を与える結果となったが成功し天空帝国の首都を空襲。空襲後は、アンドロイド兵や無人兵器が多数首都に降下され有人部隊の撤退後にもゲリラ戦が展開された。この作戦成功が天空帝国側に与えた影響は非常に大きく、核戦争期を除いて長きに戦火に見舞われなかった本土が襲われた事によって心理的なダメージを与える事になった。この作戦から数年後、停戦協定が調印される事になる。
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地球環境の崩壊
この地天戦争の主に核戦争期と停戦協定締結までの長い間に天空帝国によって行われた気象攻撃によって地球環境は事実上壊滅した。地上人の支配領域の中心であるタワーの周辺、数十キロはタワーによって気象が晴れの状態に常にコントロールされている為、汚染の心配はないがその他の天空以外の領域は全域が汚染されている。植物などは1世紀以上続いた雨によって流され生物も放射能や汚染物質によって死滅し広大な沼地と荒野だけが広がっている。さらに気象兵器の使用を天空帝国が停止したにもかかわらず空は汚染された黒い雲に覆われ雨や雪が降り続いている。これらの環境回復には途方もない時間が必要と考えられている。
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停戦協定の締結
ソビエト軍管区による天空帝国首都奇襲作戦から数年後の2150年代後半に天空人と地上人は両者の間にホットラインを設け戦争終結に向けた交渉が地上人と天空人の間で行われるようになった。その結果締結されたのがこの停戦協定である。この締結によって両者は一切の戦争行為を停止し、天空帝国は現在使用している気象兵器の使用を停止した。
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休戦協定締結に向けた動きとその先の終戦協定
停戦協定の締結後、両者は互いに手を取り合い休戦協定の締結とその先の終戦協定の締結を目指す事で合意した。それまでのプロセスとしてまずは互いの相互理解を進める必要があるとして民間交流、学術交流、軍事的交流を行う事になった。
2169年には民間交流として16歳から17歳の天空帝国は男女50人づつの学生合計100人を、地上人は各軍管区から参加希望者を募り男女合計118人を交換留学させる事になった。学生達は同じ年代の学生達の下にホームステイという形で留学する。天空人の留学生受け入れは留学生の安全を守る為に家族社会という概念が無くなったソビエト軍管区やフランス軍管区で行われた。両軍管区は長い戦争の間に家族という概念が形骸化し結婚という制度こそあるものの子供は国家が育てるという社会システムの為、同年代の学生は皆、基本的には一人暮らしをしている。その為、政府が心理テストなどで安全と認められた学生の下に留学生が送られる事となる。天空帝国側は戦争の被害も首都以外の州では無かった為、首都以外の自然豊かな州の安全な一般家庭へと送られる事となる。
軍事的交流では共同軍事演習や共同訓練などが上げられ学術的交流では両陣営の学者による交流であり現在は歴史学の交流のみが行われている。
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近代で使用された主な主力兵器
・地上人
〔超大型爆撃機ツポレフ-2100〕
ソビエト軍管区で開発されその後、ソビエト軍管区、アメリカ軍管区、イギリス軍管区、フランス軍管区の各軍管区が使用している超大型爆撃機。全長が158mであり姿はTu-22Mに類似している。この機体は対艦ミサイル、ルベージュ‐2500(全長53メートル)を機体内にリボルバー式に8発搭載が可能であり天空帝国との戦闘では母艦クラスUFOや戦艦クラスUFOとの戦闘に使用された。垂直離陸が可能で様々なバリエーションが存在し攻撃タイプ以外にもタワーの周辺で草木に水をまくタイプや輸送機タイプも存在している。対艦ミサイル、ルベージュ‐2500は無誘導投下も可能であり天空帝国の空襲作戦には多数の弾頭が無誘導で投下された。
〔TR‐300ドローン〕
アメリカ軍管区とイギリス軍管区が共同開発した無人航空機でありアメリカ軍管区、イギリス軍管区、ソビエト軍管区、フランス軍管区で大量生産され配備された。機体色は銀色で大きさは一般の戦闘機よりも一回り小さい三角型。人間には操縦不可能な機械的な直角飛行や急停止、空中浮遊も可能でエネルギー弾を利用した連射攻撃システムが搭載されている。地上車両にも搭載車両なども存在し格闘戦では主力を担った。多数の機体が合体する事で大きな三角形や四角形を形成し敵攻撃からの盾の役割をして施設の防衛なども行った。タワーの周辺には合体した状態で待機しタワーの周辺を回転している機体が多く存在する。
〔B‐7スピリット輸送機〕
アメリカ軍管区が開発した輸送機。アメリカ軍管区とソビエト軍管区で使用された。上から見た見た目はB‐2スピリットの形状に似ているが正面から見ると両翼が折れ曲がっている特長的な構造をしている。空中浮遊が可能で機体下部前方には回砲可能な2連装重機関砲が搭載され兵員30名を輸送する事ができる。
〔ハヤブサ‐600B偵察機〕
ソビエト軍管区には日本が壊滅した後、日系人の多く退避してきており、その子孫に当たる日系人技術者が開発した有人戦闘機。停戦協定締結前に開発された。有人の機体では速度面から世界最速の高性能の分類に入る。ソビエト軍管区で60機ほどが生産され戦争中、他の軍管区との連絡のやり取りに使用され環境調査なども行った。
〔2K12対空ミサイル車両〕
20世紀にソビエト連邦で開発された2K12を無人化しミサイルやレーダーを最新式に取り替えたタイプの車両。このタイプは開発が容易である事からソビエト軍管区ではかなりの量の車両が生産され現在でも改良が行われ使用されている。
〔シャール‐11要塞戦車〕
フランス軍管区で開発され汚染された地域で長期間の任務に耐えられるように設計された大型戦車。フランス軍管区、ソビエト軍管区、イギリス軍管区で大量生産された。乗員は2名で車内にはトイレや空気清浄機、食料庫などが完備されている。無補給で1月間の活動が可能でありフランスやイギリス、ソビエトで多く使用された。装備は2連装の速射エネルギーカノンが搭載されている。通称、芋虫戦車。巨大な車体に対して小さく平べったい印象を受ける砲塔が特徴。
〔FCM‐F3要塞戦車〕
フランス軍管区で開発された多砲塔戦車。フランス軍管区、ソビエト軍管区で大量生産された。複数のバーションが製作されており、単装の実体弾頭運用用砲塔を1基、単装の速射エネルギーカノンを搭載したFCM‐F3‐1。2連装の速射重エネルギーカノン砲塔を1基、2連装の速射エネルギーカノンを搭載したFCM‐F3‐2。2連装の速射重エネルギーカノン砲塔を1基、単装の速射エネルギーカノンを搭載したFCM‐F3‐3のバーションがある。基本的な車体形状はFCM‐F1に類似しているが、単装の砲塔の砲身位置は車体中央という特徴がある。
〔M58エイブラハムス多砲塔要塞重戦車〕
アメリカ軍管区で開発された多砲塔戦車。シャール‐11要塞戦車を2両横に並べた位の大型戦車であり人類史上最大級の戦車である。4連装速射エネルギーカノン砲塔を5基搭載しており非常に強力な対空能力を誇っている。アメリカ軍管区でのみ使用されておりアメリカ軍管区の主力戦車を担っている。
〔シャール‐12トレーラー〕
TR‐300ドローンを効率よく地上軍の作戦に投入する為に開発された超大型輸送車でありキャタピラを使用して移動しTR‐300ドローンを5機搭載可能でTR‐300ドローンの発射、再収容ができる。全ての軍管区で多数運用された。
その他にも多くの兵器がある。
・天空人
〔母艦・戦艦クラスUFO(正式名称不明)〕
全長が200mクラスの大型UFO。様々な種類があると思われ強力なエネルギー兵器のほか、シールドも搭載しており迎撃には専用装備が必要でその主力の兵器はルベージュ‐2500だった。ルベージュ‐2500にはシールドを中和し破る機能があり爆発の威力も強力で一撃で撃墜が出来た。しかし、それ以外での兵器では撃墜が大変困難であり地上人に恐れられた。
〔戦闘機クラスUFO(正式名称不明)〕
地上人の戦闘機と大きさは変わらないが搭載しているエネルギー兵器は地上人が保有している戦闘機よりも強力な破壊力を示した。こちらも様々な種類があることが確認されている。地上人の地上部隊に恐れられた。
その他にも多くの兵器がある。
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タワー周辺の環境
タワーの周辺は半径数十キロの範囲が決して雲が現れない領域となっており衛星から見ても地上から見ても台風の目のようになっている。この領域には植物が植えられているが雨や雪が降らないために超大型爆撃機ツポレフ-2100などの大型航空機に水を満載して上空をゆっくりと飛行しながら水を撒いている光景が良く見られる。この領域の汚染は既に除染されている為、地上人も天空人も防護服無しで活動が出来る。建造物などはタワーを中心に点々と広がるドーム都市や各施設をつなぐチューブエアカーを見る事ができる。タワーの地下には巨大な地下施設が存在し軍需工場や生活物資の工場が作られている。
タワーの領域外部には簡易的なタワーよりも小規模な広域気象コントロール装置を用いた最前線地域と呼ばれるエリアが多数存在しており気象コントロールによって天空帝国の気象攻撃を防ぎ、そこに最前線基地が設置されそこから軍の部隊が気象コントロール装置の影響外の地域に出撃している。