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賢者になれるらしいです(仮)  作者: 散歩道
プロローグ~幼少期~
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第5話「爺ちゃんとの修行:後編」

さて、前編からの続きで修行後編となります。

現代知識により若干のチートも入ります。

では第5話をお楽しみ下さい。

「ハァ、ハァ、ハァ。」

「爺ちゃん何時まで走ればいいんだよ。」


「サイラスよ、お主は魔物に追われた時も同じセリフが言えるのかのぉ?

何時まで?では無くて何時どんな時でも死なぬ為、死なせぬ為最低限の体力は作るのが冒険者の必須条件じゃ。」


と言うセリフを聞きながらかれこれ二時間は走り続けている。

森の中を二時間も走り続けれるハズが無いって?

そりゃ、森の中だったら30分だって無理さ。

ここが何処かと言えば、昨日ゴブリンに襲われたで

森だった場所だよ。

あの時に精霊がはしゃぎ過ぎたらしく、500メートル四方の木が

根こそぎなぎ倒されて平らで丁度いいグランドみたいになってるんだ。


「そうじゃそうじゃ、諦めずに走る、そして仲間の動きを良く見て自分のすべき事を常に考えながら行動するんじゃ。」


そんな毎日を過ごす事3ヶ月。

二時間走ろうと息が切れる事がなくなって来た頃突然後ろから水の塊が飛んできて、足元に落ちる。


「わぁあ!爺ちゃん何するんだよ。

突然魔法を打つなんて危ないじゃないか」


「ほれほれ、余所見をしとるとずぶ濡れになるぞい。

ただ走るだけが戦闘じゃ無いぞい。

目で見えるものだけを気にしとると今みたいに自分の死角になる所からの攻撃で命を落とすんじゃぞ。」


「そんな事言ったって、後ろなんて見えないよ、走ってたらなおさら前を向いてないと走れないジャン。」


「ふむ。お主は何故後ろまで見ようとするんじゃ?」


「え?後ろを見なきゃ攻撃が来るかなんてわかんないよ。」


「ワシは、気にしろとは言ったが目で見て確認しろとはいっとらんぞぃ。

何の為の魔法じゃ?

魔法とは、攻撃したり守るだけが魔法じゃ無いんじゃぞ?

自らの魔力を常に当たりに張り巡らせ気配を感じたり

時には、体から漏れ出る微量の魔力すら絞り気配を殺したり

同じ量の魔力でもその一瞬に爆発させれば

お主の様な子供の魔力でもどうなるかは、

周りを見れば、想像することは容易いじゃろう?」


「そうか、そうだよね爺ちゃん。

何も炎や竜巻にするだけが魔法じゃ無いんだよね。

よーし、今ので良い事思いついたぞー。」


爺ちゃんの言葉がいいヒントになった。

魔力魔力魔力・・・

あの時体から抜けていったナニカが魔力だって言うならば・・・

見つけた!これだ!


考えながら、自分の中に意識を集中すると自分の中にある

魔力であろうナニカを見つける事が出来た。


「よーし、爺ちゃん見ててよ。

俺の考えがうまくいくなら、すごい事が出来ると思うよ!」


「ほうかほうか、危ない事になりそうじゃったらすぐに止めるから安心するんじゃぞ」


体中に散らばっているような感覚になる魔力を自分の意思で動かそうとするも、最初はうまくいかずなかなか思うようにいかなかった


「サイラスや、何をしようとしとるのかは解らんが

魔法は常に己と共にあるんじゃ、無理をしようとせずに自然に出来るようにじゃ。

それが、当たり前だと思う事も大事なんじゃぞい。」


そうか、そうだよな。

出来なくても当たり前ついこの前まで魔法の魔の字も無い世界に居て

この世界に来てもこの間まで、魔法なんて使った事無かったもんな。


と、ここでなんとなくあぐらをかいて座ってみた。

そう、いわゆる座禅ってやつだ。

魔力がどこから沸いてくるのかは解らないが、命の源は心臓

そして心臓から流れて全身を巡る血液。

その血液に乗せて全身を循環する様に魔力を動かそうとする。

ほんの少しの時間しかたっていない筈なのに、体中から汗が吹き出てくる。

少しずつ少しずつ魔力を動かせるようになっている気がする

もう少し、もうす・・・


「サイラスや、今日はそこまでじゃ。

これ以上はお主の命を削りかねぬから。

また明日以降じゃ。

何度も言っておるが、ワシだって最初から魔法が使えていた訳じゃない。

何度も血反吐を吐くように毎日毎日努力した結果が今のワシになっとるんじゃ。

いくら賢いお主とは言え、やろうと思ってもすぐに出来るものでもないんじゃぞ。」


「うん。解ったよ爺ちゃん。明日からも頑張る!」


それから、また三ヶ月毎日走り込みと魔力を操作する修行を続け

かなり思い通りに魔力を動かすことが出来るようになってきた。


「爺ちゃんそろそろアレが出来そうな気がする。少し離れてみててよ!」


心臓から左手そして足から右手そしてまた心臓へと魔力を循環させ徐々にその速さを早めて勢いに乗せて右手を握り目の前にある大きな木にめがけ拳を突き出す。

そして、拳が木に当たる寸前に拳を魔力で覆い守る力と拳から突き出すような力を込めて思いっきり右腕を振りぬく。


するとどうだろうか、木に手が当たった感触が拳に伝わる事無く

右腕が振りぬかれる。


「あれ?なんで?」


そんな思いの一瞬先めがけて振り抜いたはずの木が大きな音を立てて倒れていく。


「ほう!今のはワシも初めて見るぞぃ?

何をしたんじゃ?

爺にも教えてくれんかのぉ?」


倒れた木を見ると、拳が当たったであろう場所が半ばから削れ

木自体の重みに耐え切れず半ばから折れてしまったようだ。


爺ちゃんと何をしたかを話、説明するも爺ちゃんにはイマイチ

理解しがたいようだ。


現代知識のある俺からすれば、血液が心臓から血管を通って全身を巡るのは当然の事として理解が出来るが爺ちゃん達この世界の人達は

怪我と言えば、水魔法だったりポーション薬草だったりで治す物で

俺の居た地球の現代社会の様に切った貼ったで治す物ではないから

当然と言えば当然の結果だった。


当然の事ながら、爺ちゃんに説明する時は心臓や血管といった

この世界では理解しにくいものの名称は出さずに漠然とした

説明しかしてないのも原因の一つだろうがそれも仕方ないだろう。


「爺ちゃん、これにもっと鍛錬を重ねれば例え大勢の敵と戦うような事があっても色々と打開策を打ち出せる気がするんだ。」


「よしよし。魔法の修行に加えお主のソレも使い物になる様に修行に取り入れるかのぉ。






本格的な修行も始まりますが、主人公が10歳を迎えるまで

これと言った事件も起こりそうに無い為

またまた時間が飛びます。

後々の話で3~10歳までの閑話を入れるかもしれませんが

とりあえず、幼少期終了です。

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