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賢者になれるらしいです(仮)  作者: 散歩道
〜俺より強い奴に出会う為に〜
33/34

遥か昔、遡るは数千年の時を経て・・・。後編

前回の続き。昔話からの現代へと話は戻ります。

「うっ、ここはどこだ・・・?」


目を覚ますとそこは森の中、そして俺は体のほとんどを木に飲み込まれた状態で目を覚ました。


意識を失う前は荒野だったはずだ。

しかし、今目の前に広がるのは巨大な木に囲まれた森の中だった。


体を飲み込んだ木をなるべく傷つけないように抜け出し世界を巡り情報を集めると

千夜が魔王となった後、王国が滅び世界の8割が崩壊してしまったようだ。


数少ない生き残りが村を作り町を作り王国を作って千年以上の時が流れた事が解った。


その後、幻術を使い老人の姿をして各地を放浪し世界を見て回った。


意識を取り戻してから魔王となった千夜を止める方法を考えるべくエルフ、精霊など多種多様な種族と係わり合いを築き二千年を超えてからは覚えてないが

色々な国の誕生と終焉を見て来た。


終焉を迎えるのはいつも人のエゴだ。

それからは人里を極力避け、人間とは距離を持って生活してきた。


「という訳で、人間たちと関わるようになったのはザックがついて回るようになったつい最近のことなんだよ。」


「そうかよ、何となくしかわからねぇけど、あんたも大変だったんだなぁ。」


「やっぱ、お前は馬鹿だろ?」


「は?馬鹿ってなんだよ!」


「まだ、千夜は死んでねぇんだぞ?終わって無いのに何安心してんだよ!」


「あっ・・・・。」


「あっ、じゃねぇし。頭痛くなってきたわ。」


「なんか解決策は見つかったのかよ!」


「・・・・。」


「ねぇのかYO!」


「聖剣の代わりも出来てねぇし、勇者も生まれてねぇし。

なんにしても時間がたりねぇんだよ。」


「でも、だったらなんで元の姿になってんだよ。」


「あぁ、奴が封印を破りそうなんだよ。」


「え?なんでそれがわかるんだよ!」


「ん?あぁ、サイラスが原因だ。」


「は?あの坊主がなんで・・・。」


「なんでも何も、アイツは俺の同郷だしなぁ。」


「え?どういうことだよ・・・・。」


「いや、あいつ自分では気が付いて無いけど

飯食う時に『いただきます』って言うんだよ。」


「いや、それだったら賢者様だって言ってただろ。」


「あぁ、サイラスが最初に言って気が付いて無いから併せてただけだ。

その言葉こそ、俺と同郷だって証拠なんだよ。」


「マジか・・・・。

でも、同郷だからってなんで・・・。」


「魂だよ。魂。

今まではこの世界に千夜と俺しか同郷の奴は居なかった。

だがサイラスが現れた年に世界中で異世界の魂が増え始めたんだよ。」


「な、なんでそんな事が・・・。」


『なんじゃい、バレておったのか・・・。』


「相変わらず、唐突だな糞爺。」


「な、な、な、今度はなんだよ!」


「今話にも出てきただろ。神爺だよ。」


『太一も相変わらずじゃのぉ。

もう少し敬うとか、敬意とか無いもんかのぉ?』


「巻き込まれて、こんな目に合わされたら敬意も糞も無いと思うが?」


『それは、まぁよいとして解決先は何か見つかったかのぉ?』


「良いのかよ!!相変わらず勝手な爺だなぁ。

まぁ、解決策と言っても100%じゃねぇけどな。」


『しかし、ムダ話をしておるほど時間もないぞい?』


「マジか!?おいザック試合会場に急ぐぞ!」


「おいおい、急ぐって言ったって学園までどんだけ遠いと思ってんだよ?」


「逆に聞くが、俺が誰か忘れたのか?」


そう良いながら、魔力で道を作る。


「我が眼前に、姿を現せ!ゲート!!」


力の言葉と共に目の前に魔力の渦が現れる。


「効果時間が短いからさっさと逝くぞ。」


言うが早いか逃げようとしたザックの首を掴み渦に飛び込もうとする。


「はなせー!まだ、準備ができてねぇんだよ!」


「そんな暇なんかねぇよ!逝くぞ!」


「さっきから、なんか字がちげぇし。まだ死にたくねぇよーーーー!!」


「それが、ホンネかよ!うるさいから静かにしてろ!!!!」


殴って気絶させると、そのまま飛び込む。


視界が開けるとそこには試合会場のリングが広がる。

目の前には問題のサイラスの背中が見える。

リングは土埃が立ち込め対戦相手は見えない。


「姿は見えないがこの気配は、間違いなく千夜だな。」


ここで、アナウンスが流れる。


「おーーーーーーっと!リングのそばに乱入者かーーーー?


ここからは、はっきり見えませんが黒髪の少年のようです。

一体何者でしょうか?」


「外野はうるせぇんだよ!

死にたくなけりゃ今すぐここから逃げろ!

まぁ、今更逃げてもどうにかなる物でもないけどな!」


言うが、早いか背を向けたままのサイラスが叫ぶ。


「おいおい、人が必死に戦闘してるってのに、一体何事だよ。

邪魔するんだったら外でやってくれよ。」


どうやら、俺の事には気が付いたが俺が爺ちゃんだって事には気が付いて無いらしい。


「サイラス、今すぐ下がるんじゃ。もうそれは試合なんぞじゃないぞ!」


「じ、じいちゃん!?

ウチに居るはずの爺ちゃんの声がなんで???」


声色を使い声をかけるも混乱してしまって思考が追いついてないようだ。


「あぶねぇ!!」


喋っていると、土煙の中からとてつもない威力の魔力弾が飛んでくる。


「ちぃ、千夜の野郎闇に墜ちても得意技は変わってねぇじゃねぇか。」


リングに駆け上がると杖で魔力弾を弾く。


「くっくっくっく。ひさしぶりだなぁ。」


「あれ?お前意識があるのかよ・・・?」


「太一、相変わらずお前馬鹿なのか天才なのかわからねぇなぁ。

暴走する力もアレだけの時間があれば自分の物にするのなんてたやすい事だろ。」


「正気を取り戻して、なぜ闇に染まるんだ!千夜!!」


「何故?だと?お前こそこの世界の人間が澪に、そして俺達に何をしたのか忘れたのか!!!」


怒りと共に恐ろしいほどの魔力の奔流が押し寄せてくる。


「ちぃっ!」


俺は平気だが、後ろのサイラス引いては会場の連中はこのままだと魔力に当てられて死んでしまうのが目に見えている。


「いいか、サイラス良く聞けよ。

爺ちゃんはやらなきゃいけない事があるんだ。

爺ちゃんに出来るかは解らないが、もしもの時はサイラスお主に後を託す。

すまんが、後生じゃ。」


「おいおい、太一なんだ?お前孫でも出来たのか?」


「あぁ、そうだ。俺の大事な孫さ。そして、俺達の居た世界からの後輩だよ!」


「えっ?何?何が?」


混乱して、思考の追いつかないサイラスを尻目に魔力を練り上げ、一気に展開する。


「太一、この期に及んで何をする気だ?」


「お前は確かに勇者だった!だけど怒りに身を任せて闇に墜ちた。

澪がいない今、止められるのは俺しか居ない!


俺と共に行くんだ!『時空転移!!』」


俺と千夜の足元にこの異世界に呼び出された時と良く似た魔法陣が浮かび上がる。


「た、太一キサマなにを・・・・?」


「あぁ、見つけたんだよ送還魔法をな。

お前が滅ぼした城のあった場所の地下深くに召喚の魔法と共に封印されていたよ。

呼び出す魔法と送り返す魔法この二つを組み合わせるとどうなると思う?

俺にも解らないがここでも地球でも無い何処かの世界に飛ばされるだろうな。

願わくば他に生き物の居ない世界を望むが、そればかりは神のみぞ知るって奴だ。」


「や、やめろ!まだ、俺の復讐は終わって無いんだぞ!」


「さぁ、俺すら行き先はわからねぇが最後まで付き合ってやるよ。」


「や、やめろーーーーーーー」


こうして、二人を光が包むと、次の瞬間には辺り一体の静寂しか残らなかった。

次話にて完結予定ですので、もう少々お付き合い願えればと思います。

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