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賢者になれるらしいです(仮)  作者: 散歩道
〜俺より強い奴に出会う為に〜
32/34

遥か昔、遡るは数千年の時を経て・・・。中編

前回に続き昔話が続きます。

その日、いつもの三人組で学校からの帰り道俺達の足元に突然魔方陣が現れた。

正確には、俺達三人の内の一人、響千夜の元にだった。


「う、うわぁ!」


「な?なによ?」


「な、なんだこれ???」


千夜と共に一緒に居た俺達二人も巻き込まれ視界が光に包まれた。


「ようこそおいで下さいました勇者様。」


「ゆ、勇者?」


「なに?なんなのよ?」


「な?どこだよここは?」


視界の白さが色を取り戻すとそこには壮年の老人と重装備に身を固めた兵士達が居た。


「突然の事で動揺されているとは思いますが、ここは勇者様方の世界ではなく

異なる世界にございます。」


「い、異世界・・・。」


その時俺の脳裏にはいわゆる異世界ファンタジーの物語が浮かぶ。


「まさか、魔王を倒して欲しくて俺達を呼んだとか・・・?」


「おぉ、あれだけの会話で全容を理解されるとはなんと言う知識。」


(なぁ、どうなんってんだ俺達?)


(ねぇ、私達帰れるの?)


(ん~。中二病全開の世界に呼び出されたらしいぞ。

魔王を倒せば帰れるかも知れんが最悪戻れない。)


千夜と澪のそれぞれの質問に小声で答えると澪が叫ぶ。


「嫌よ!私は家に帰りたいの!」


「も、申し訳ない。召喚の方法は我々の元にあるのだが、送還の方は魔王軍に

奪われてしまい、失伝してしまっておるのじゃ・・・。」


こうして、俺達三人響千夜、白沢澪、山田太一オレは異世界に召喚された。



「そ、それじゃぁ他に二人もあんたみたいな化け物が居るのかよ・・・。」


「正確には二人だ。」


「もう一人はどうしたんだよ・・・。」


「千夜は勇者として召喚されたが澪に関してはこの世界の住人に比べれば遥かに強い魔力を持っていたが魔法の適正は補助と治癒しかなかった。」


「て事は一緒に呼び出されたお嬢ちゃんはもう・・・。」


「あぁ、そうなるな。」


膨大な魔力をえたものの、魔法の無い世界から呼び出された為

使いこなすまでは相当な努力が必要だった。


千夜に関しては勇者の適正による物なのか、メキメキと実力をつけあっと言う間に冒険者を圧倒するまでになっていた。


澪は攻撃にこそ適正はなかった物の、補助と治癒の適正がありもとの世界に帰りたい一身で必死に努力した。


そして、あっと言う間に三年の月日が流れ魔王に挑む準備が整った。


「で、あんたがここに居るって事は無事に魔王を倒せたって事だよな?」


「あぁ、確かにヤツラは強かっただが鍛えぬいた俺達には倒せない相手じゃなかった。」


「そうか、その時に嬢ちゃんが・・・。」


「いや?澪が逝ったのはその時じゃない。」


「じゃぁ、その後に一体何が・・・。」


「魔王を倒し城に戻った俺達は正に英雄だった。

城へ凱旋すると国民総出で出迎えられすぐに魔族の領域へ冒険者達が送還の方法を探す探索隊が送られる事になった。」


「でも、あんたがここに居るって事は見つからなかったのか?」


「いや、見つかるには見つかったのさ。」


「じゃ、じゃぁなんで・・・?」


「戻った夜に城の晩餐会で事件が起こったんだよ。」


「じ、事件・・・?」


「勇者様方誠に大儀であった。その体をゆっくりと休めてもらいたい。

ささやかながら晩餐会を開かせてもらったので楽しんで欲しい。」


「こ、これで私達は帰れるのね!」


「そうだ、戻ったらあれもこれもやりたい事が沢山あるしなー!」


「あの漫画の続きはどうなったかなぁ?

アニメの続きも気になるし、DVDBOXとかもそろえなきゃなー。」


晩餐会も終盤に差し掛かった所で異変が起きる・・・。


「ぐっ、がはっ!」


「うえぇぇ。なに?なにが・・・。」


「ごほっ、げふ・・・。」


「やっと効いて来たか・・・。

やはり、魔王を倒すとはヤツラと変わらず化け物じゃったのぉ・・・。」


「「「えっ???」」」


そう、俺たち三人は毒を盛られたのだ。

しかも、ほんの少しで数百人の人間を殺せる猛毒を。


「な、なぜ・・・・。」


「ど、どうして・・・。」


「俺達の存在はやはり邪魔だったと言う事か・・・。」


「やはり、お主は賢いのぉ。しかし賢すぎるんじゃよ・・・。

過ぎたる力は脅威となる、強大なる知識もしかりじゃ・・・。」


「おとうさん・・・。おかぁさ・・・」


「澪!みおぉぉぉぉぉ!!!」


「千夜、動くな!毒が回るぞ!」


一番体力の低い澪が最初に逝った。

毒でまともに動けない体で千夜が立ち上がり王達を睨みつける。

俺は何とか解毒しようと魔力を巡らすも毒のせいでなかなかうまくいかない。


「千夜、太一ゴメンね。

あぁ、うちに帰りたかったなぁ・・・。」


澪の瞳から光が消える。


「ちくしょーーーーーーーーー!!!!」


千夜が吼える。

その叫び声と共に暖かく光り輝く魔力が、どす黒く凍て付くような寒さに代わっていく・・・。


「滅べ!滅んでしまえ!」


「ま、まて!千夜怒りに任せるな!」


「ぐぅ、ガァァァァァァ!!」


千夜の顔が怒りのまま全身がどす黒く染まっていく。


魔法の杖を支えに何とか立つも千夜からの魔力の奔流に吹き飛ばされ壁に叩きつけられる。


「ぐっ、がはっ!せ、千夜・・・。」


そこで俺の意識いったん途切れた。


「お、おい一体どうなったんだよ・・・?」


「簡単な話だ。墜ちたんだよ。」


「墜ちた?」


「あぁ、光の精霊に愛されし勇者が憎しみに身を任せ闇に落ちたんだよ。」


「おい、それって・・・。」


「あぁ、新たな魔王が生まれちまったんだよ。」


「マジか・・・・。元勇者が魔王・・・。」


「聖剣もそれと同時に闇に染まり魔剣となってしまった。

唯一魔王を倒せる武器がなくなっちまったんだよ。」


「でも、それじゃぁ今の世界に魔王が居ない理由には・・・・。」


「まぁ、話は最後まで聞けよ。」


俺が目覚めた時真っ白な空間に居た。


「こ、ここはどこだ・・・?」


『ようやくお目覚めかのぉ?こんな時にのんきなもんじゃもん。』


「え?は?誰だよ?」

(なんだ?この胡散臭い爺は?)


『初対面で胡散臭いとはなんちゅう礼儀知らずな坊主じゃも。』


「はっ?心を読まれた?」

(そんな事はいってないはず・・・。)


『動揺して、建前が逆になっとるぞい?』


「ぐはっ」


『まぁ、良いわい。

ワシは神と呼ばれておる、この世界を管理しておるもんじゃもん』


「神・・・さま?」


『んむ。尊敬してもよいんじゃぞ?』


「ちっ糞爺が・・・。」

(な、なんのようだよ?)


『ホントに癖のある坊主じゃもん。

いっそこのまま戻してやろうかもん?』


「いやいや、すいませんついホンネが・・・。」


『まぁ、ムダ話をしとる場合じゃないんじゃもん。

お主あれをどうするつもりじゃったんじゃ?』


「どうするも何も千夜は俺のダチだ!止めるしかねぇだろうが!」


『しかしのぉ。遥か昔にエルフと精霊が作った聖剣も闇に染まってしもうて

さらに元勇者な魔王じゃぞい?』


「でも、千夜は千夜だ。俺達が悪いんじゃなくて、悪いのは人間達だろう!」


『その件については、此方の世界の住人にも非があるわけじゃろうが・・・。

じゃが、このままでは世界が滅ぶぞい?』


「なにか、何か手は無いのかよ!」


『本当はワシが手をだしてはいかんのじゃがのぉ。

おぬしには覚悟はあるかのぉ?』


「あぁ、俺に出来る事ならなんでもする。どうすればいいんだ?教えてくれよ!」


『ふむ。何でもか・・・。

ならばこの力でアレを封印するしか方法は無いのぉ。』


「ど、どうやってやるんだ?」


『やり方はおのずと理解できるはずじゃ、しかし後戻りは出来ぬぞい?』


「元から辞めるつもりもねぇ。

千夜をあのままに出来るわけねぇだろ。」


『ほいじゃぁ、いくぞな。』


糞爺のセリフと共に視界が白く染まる。



視界に色が戻ると、元居た場所とは思えぬ荒野が目の前に広がる・・・。


「こ、ここはどこだ・・・。」


辺りを見渡すと空には一つの影が浮かんでいた。


「ガァァァァアー!!!」


「あ、アレは千夜!」


雄たけびと共に人影が飛んでくる。

そこから、多分三日三晩だろうか永遠とも思える時間戦い続け千夜の隙を探す。


そして、一瞬の隙を見つけ爺に貰った魔法ともスキルとも違う何かを解き放つ。

それと同時に頭に耳障りな声が響く。


『忘れておったが、封印しておる間お主は死ねなくなるから

きをつけてのぉ。』


「いまさらおせぇよ!もう、つかっちまったじゃねぇか!!

しかも、死ななくじゃなくて、死ねなくってどういう意味だーーーー!」


俺は、閃光と共に意識を失った。

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