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賢者になれるらしいです(仮)  作者: 散歩道
〜俺より強い奴に出会う為に〜
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第28話「本戦スタート!」

前回闘技大会のエントリーを聞かされ

突然の事に戸惑うサイラス。

たった三ヶ月弱で何が出来るのであろうか・・・?

準備の進まないままあっと言う間に闘技大会の日が来てしまった。

どうやら、俺は無条件で本戦出場らしい。

一年は俺以外は最初に残されたうちの一人が本戦枠。

各学年本戦枠2つに予選枠一つずつの三学年のトーナメント形式らしい。


しかし、何故闘技大会に登録されしかも本戦枠なのだろうか・・・。


「おやおや、何も知らないのですね?

冒険者ギルドのアインさんからの推薦ですよ?」


「え?は?マジで?」


あのおっさんやってくれるぜ・・・。


「サイラス君考え事も悪くはありませんが完全に声に出てましたよ?」


「声に出したつもりは無いんですが、でもアインのおっさんの推薦だけで本戦枠に入れてもいいんですか?

予選枠の連中に文句言われたりしないのでしょうか?」


「ギルドでの活動内容はすでに報告を受けています。

単独での戦闘能力は文句なしです。

しかも学園までの道中の盗賊退治の件もありますしね。」


「どこまで情報を掴まれているのやら・・・。」


「大した事ありませんよ。

貴方の国の王女様の魔法の師匠が賢者さまではなく貴方だった事とか

他愛も無い事ばかりです。」


「おい、まてよ。

アレはお忍びで事実は表には出てないはず・・・。」


「えぇ、確かの表にはでてませんよ?

しかし、真実を隠すのは容易い事ではありません。

今後気をつけたほうが良いですよ。」


「あぁ、わかった。で、予選は終わったんだよな?」


「えぇ、二年三年の予選通過者は昨年と同じですね。

なので、正直二年と三年の試合は面白みにかけます。

私はサイラス君の試合に凄く興味がありますよ?」


「まぁ、俺はいつも通りやるだけだ。

試合に参加させられるって言われても、準備期間なんて三ヶ月切ってた状態で

準備も何もあったもんじゃねぇ。」


「そうですか、しかし気をつけた方が良いですよ。

各国のスパイも紛れ込んでいるでしょうし、貴方を自国に引き込めないかと

画策する者達も多いことでしょう。」


「あぁ、俺は何処かに所属するつもりは毛頭無い。

だから中立の冒険者ギルドに入ったんだ。」


「そうですか、ならば言える事は一つだけ。

強くなりなさい。

何があろうと自分の近いしい人々を守れるように。

そうでなければ我々のように・・・。

いえ、やめておきましょう。

貴方はまだ若い。

無事に学園を出る事が出来たら世界を見て回ると良いでしょう。」


「なんか意味ありげな発言だな。

まぁ、元々世界を巡ってみたいと思ってたのは事実だ。

爺ちゃんすら見た事の無い世界をな。」


「良い心がけです。

もし、無事に戻って来たら色々聞かせてくださいね。」


「あぁ、生きて帰ってこれたらな。

そんな保障は何処にも無いがただで死ぬつもりも無い。」


「ほら、ムダ話をしていたら貴方の試合みたいですよ?

早く行かないと何もせずに不戦敗になりますよ?」


「あんたは味方なのか敵なのか本気で解らないよ。」


「えぇ、私も解りません。

一ついえることはありますよ?」


「なんだよ!?

もったいぶらずに言えよ。」


「えぇ、貴方の先生です。」


「・・・・・。」


本気で喰えない先生だな。

まぁ、良い。

会場へと急ぐか。


とりあえず会場に急ぎなんとか最後のコールに間に合ったようだ。


「さいらすー、何処言ってたんだよ?

トイレにしては長すぎだぞ~。」


この間の抜けた声はマルコだな。


「うるせぇ。マルコは黙ってろ。」


正面を向き対戦相手を見る。

俺の初戦の相手は予選枠の相手らしい。

予選が余程きつかったのか、試合前にして肩で息をし始めている。


「おいおい、本当に大丈夫か?

審判!少しコイツに休む時間をやってくれないのか?

こんな状態で勝っても嬉しく無いぞ?」


「キミは、サイラス君でしたかね?

貴方は敵に出会った時に満身創痍だった場合同じ事が言えるのですか?

少ない時間でも出来る限り戦えるような状態にするのが当然の事でしょう?」


「いや、確かにその通りだが・・・。」


「てめぇ・・・いい加減に・・・しろ・・・。

始まっても・・・いな・・・い内に・・・・勝ったつもりか!」


「あ、わりぃ。

決してそんなつもりじゃ・・・。」


確かにそうだ、コイツだってそんな事は解りきっているはずだ。

戦う前から俺は勝った気で居た。

戦いなんて何が起きるか解らない。


甘えたことを言ってたのは俺だ。

何も解っちゃいなかったんだ。


前を向き相手を見据える。

満身創痍なのに何故か大きく見える。

気おされるな、相手を観察し攻め手を考えろ。

自分に言い聞かせ構えを取る。


「両者共に準備は良いですね?それでは本戦第一回開始!!!」


相手に向かって駆け出し相手の出方を伺う。

しかし、相手は動かない。

もしかしてカウンター狙いか?


相手の目前まで来て練っていた魔法を解き放つ。


「光よ!」


本来はただの明かりの魔法だ。

しかし持続時間をほぼ0にして光度を最大まで増幅した

言わば目くらましだ。


発動すると同時に背後に回り蹴りを放つ。


シッ!


ガシッ!!


「なに!?」


見えてない筈の攻撃が受け止められたことに一瞬戸惑う。


ブンッ


ヤバイ、掴まれた足をそのままに投げ飛ばされた。

そして、体制が崩れた所に追撃の蹴りを食らう。


バキッ


「グゥ。げほっげほっ。」


「見えない筈の攻撃を防がれた位で動揺しすぎじゃないのか?」


「な、なんだと?」


そう言われてみればさっきまでの満身創痍だったのが嘘みたいな動きだ。

さっきとはうって違って気力に満ちている。

だが、先程の疲労も嘘ではなかったはず・・・。


「見た目に騙されて相手の本質が見えてなかったと言う事か。」


確かに、コイツ魔力は人並みと言えるような量ではなく

どちらかと言えば並みの魔法使いの半分ほどしかなさそうだ。

あれか、完全に肉体を武器に戦うタイプか。


「やっぱり、おめぇを軽く見すぎていたみたいだな。

もう、手加減は抜きだ。一気に行かせて貰う。」


「おいおい、本気で来れば勝てるとでも言いたいみたいだな。

あんまり俺の事をなめるんじゃねぇよ。

優等生君よ!」


相手は完全に肉体派、そしてこっちは魔法と近接両方使えるが

どちらも極めた訳じゃなくどちらも中途半端だ。

相手は俺と同じく小さい頃から格闘技や武器による近接攻撃

ただそれのみを追求してきたんだろう。技の精度が段違いだ。


持久戦になればスタミナ少ないこっちが圧倒的に不利だ。

一気に行くしかない。


魔力を開放し、一気に練り上げる。


威力を落とし、手数を増やす。


『風よ敵を穿て!!』


しかし、全てが弱いわけではなく見た目はほぼ同じだが

同じ様に弾くと衝撃波を起こして弾ける様にした物を紛れ込ませてある。


ドドドドドド


パンッ


パパンッ


ドガーン


「ぐっ、きたねぇぞ!正々堂々勝負しやがれ!」


「生憎、此方は魔法使いが本業なんで悪いがこのまま潰させて貰うぜ!」


数の暴力で動きを制限しつつ同時に別の魔法を練り込でいく。


「がぁぁぁー!」


やべ!本格的に弾かれた!


周囲を囲んでいた風の砲弾を弾いた風の砲弾で相殺し始めた。


「だが、まだまだ甘いんだよ!」


『渦巻け水龍!打ち抜け咆哮!!』


本物の水龍を呼んだ訳ではなく

水を龍の形にして口の部分からウォーターカッターの要領で

圧力をかけた水を打ち出す魔法だ。


当然切れ味は抜群だ。


顔の前で腕をクロスさせて防いではいるもののジリジリと後ろに押し始めている。

防いでいる腕も水流でずたずたに切れ始めている。


「ガァァァァァ!」


「なんだ?何が起こっている?」


水流に押されてジリ貧のハズなのに相手からのプレッシャーが

先程までとは比較にならない位ヤバイ状態になっている。

逃げたい!と本気で俺のが勘が言い始めているような気すらする。


ドカーン


大きな音と共に目の前が水蒸気で真っ白になる。













試合は押していたはず、しかし相手からの圧力が増していく中

突如何かが起こる。

サイラスの命運はどうなるのか・・・。

次回決着となるか・・・・?

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