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賢者になれるらしいです(仮)  作者: 散歩道
プロローグ~幼少期~
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第20話「ギルドで大人のOHANASHI」

王城で大暴れをしたサイラス。

そこで賢者様の登場で場が一気に冷めるもまた波乱の予感。

続きをお楽しみください。

王城での一悶着の後俺達は冒険者ギルドまで戻ってきた。

爺ちゃんはニコニコしているが、アインのおっさんは終始苦虫を潰した様な顔で

ブツブツと何かを呟いている。


「だーもう。だから付き添いでついて来いって言われた時に嫌な予感がしたんだよ。

道中であれだけ気をつけろと言ったのに、全く持って意味が無かった・・・。

サイラス、おめぇ何考えてんだよ?」


「ん?俺が悪いのか?

誰だってあんな言われ方すりゃ切れるだろうよ。

苦労のくの字も経験した事が無いような狸親父だぜ?アレ。」


「だからと言って、宰相だぞ?国王についで国の権力を握っていると言っても

過言じゃねぇ様なヤツだ。

そんなの相手にどうしようって言うんだ?」


「どうするも何も、めんどくさいからこの国からさっさと出て行こうと思ったたんだけど?」


「出て行けば済むと思ってるのかお前は!確実に追っ手に狙われるぞ?」


「あぁ、追っ手か。まぁ、この国の兵士だろうが魔法師団だろうが

そんな烏合の集がいくら来ようと何でもねぇよ。

全部返り討ちにすれば問題ないだろ?」


「てめぇは、一体どんな頭のなかしてやがんだ・・・。」


「でもさ、最初は何度か来るだろうが

何度送っても、誰一人戻ってこなきゃさすがに恐ろしくなって

追っ手を送るのやめねぇか?」


「それも一つの手だろうが、その後はどうすんだよ?確実にお尋ねもんだぞ?」


「ん~。特に行く宛てもないから、世界でも見て回ろうかなと。」


「本気でお気楽なヤツだな。

まぁ、今回の件は多分賢者様の横槍でお咎め無しになるだろうな。」


「別に本気で城丸ごと潰しても俺は平気なんだけど?」


「あぁ、本気で出来そうだからやめとけ。

ワイバーン共と戦った跡地をみたらあながち嘘とも思えねぇ規模で

森のあった場所に大きな窪地が出来てたわ。

何をどうすればあんな状態になるのやら。

大怪我をしていたとはいえ、五体満足なおめぇにも驚愕もんだわ。」


「何をって、全力で魔法やら剣やらでぶつかって行っただけだ。」


「アイン、この家族に何を言っても意味はねぇよ。」


「ザックおじさんそれヒドイんじゃね?」


「あぁ、おめぇは知らねぇだろうが

俺は同じ様な状況に居合わせた事が一度だけあるんだよ。」


そう良いながら爺ちゃんの方を見る。


「ほっほっほっほ。何の事かのぉ。最近物忘れが酷くて思い出せんわぃ。」



「そうかいそうかい。んじゃぁ俺が説明しても問題は無いんだな?」


「・・・・・。」


爺ちゃんが苦虫を潰したような顔をするも、何も言わない。


「あれは、俺がまだ駆け出しの頃だった。

賢者様の荷物持ちで無理やり旅に同行していた時だ。

どこでどう行き先を見つけたのかわからねぇが

前国王からの伝令が行き着いた村で待ち伏せしてやがってな

そんでもって至急王城へ来いと言われたんだ。


当然、俺達は何か緊急事態だと思い本来早馬に乗っても三ヶ月はかかる道のりを昼夜問わず走り続けて二週間で着いたんだ。」


「さすが、俺の爺ちゃんだ。」


「褒めてんじゃねぇんだよ!黙って聞きやがれ。


王城に着いてなんて言われたと思う?」


「ん~?溢れた魔物の群れが~だか魔族だかが襲ってきたとか?」


「普通はそう思うだろうな。

ところがだ、現国王の家庭教師をやれと謂れたんだよ。」


「「はぁ?」」


俺とアインのおっさんの発言がかぶる。


「そうなるだろ?俺達の必死に戻ってきた気持ちがわかるか?

俺は自分の修行の為無理やりついて行ったんだからしかたねぇとしてもだ

賢者様はさすがに開いた口が塞がらなかったんだよ。そしてその時だ。


現宰相の言った一言が致命的な一撃だった。」


「次期国王となられる方の家庭教師が出来るのだ。

末代までの誉れとなろう。光栄に思うが良い。」


「だそうだ。」


「・・・・。」


無言になるアインのおっさん。


「で、その後爺ちゃんはどうしたのさ?」


「そりゃぁ、今の俺が見てもビビるような鬼の形相でな」


「「で?」」


「当時の賢者様の全力であろう勢いで魔法をぶっ放した。」


「ほら、俺はやっぱり爺ちゃんの孫ジャン。」


「若気の至りじゃ。皆まで言うな。」


「巻き添えで死に掛けたんですが?

お陰で王城の正面からみて右半分が吹き飛んだんだぜ?

怒った賢者様は、さっきの王城での事の様に前国王に

どうするか聞いて、納得いかなかったが為に森の奥に隠居って事になった。


後、付け加えるなら王城での一言だ。次は消し炭じゃぞ?ってな。」



「さすが爺ちゃん容赦ないわー。」


「そうじゃろ?そうじゃろ?

サイラス、お主なら解ってくれると思っておったわ。」


「「この孫にしてこの祖父ありか・・・。」」


「なんか言ったかのぉ?」


「「コイツの親の顔が見てみたいわ。」」


「おっさん達息ピッタリだな。」


「「世間一般の反応だ!」」


「まぁ、その話はもう良いじゃろうて。」


「アインよ、ワシらまでここに連れて来た訳があるんじゃろ?」


「えぇ、サイラスが倒したワイバーン三頭を引き上げてきたは良いんですが

何分コイツはまだDランクでして・・・・。」


「査定と昇格に関してと言ったとこかのぉ。」


「はい、その通りで・・・。」


「本来の所で言うならば、ランク外と言う事で、素材の買取のみで

済ますのが常識じゃがなぁ。

ちぃと、鍛えすぎたのかの?ワシ?」


「賢者様から見て、実力の程は?」


「身内贔屓な点を引いたとしても、最低でSランクと言った所かのぉ。

潜在能力まで含めたらランクの枠じゃ収まらぬわい。」


「ザック、お前ならどこまでいける?」


「俺と比べるなよ。俺は魔法はほぼ使えねぇ。

コイツがやった事と同じ事をやれと言われれば、

雑魚共の群れまではなんとかする自信はある。だが、そこまでだな。

ワイバーンもとなれば疲労や体力の関係で

街に急いで戻って報告する以外の選択肢は浮かばねぇな。」


「あれ?俺ってもしかしてやらかした感じ?」


「まぁ、確実に論外だろうな。」


「と言う事で、経験が浅い点でSランクは無理だがとりあえずAランクへ昇格。

素材はギルドで買い取るなら金貨2万枚だ。」


「販売先は指定出来るのか?」


「出来ない事は無いがどうする気だ?」


「どうするって訳じゃ無いが、貴族階級以上に販売する場合は相場の10倍ね。

あ、当然国王関係もでヨロシク。

ちなみに代理購入の出来ないようにしてくれる?」


「おめぇ、本気でえげつねぇな。

ワイバーンやその亜種の相場の10倍って国庫が破綻するぞ?」


「あんな奴らにやる位なら捨てた方がマシだよ。

どうせ、ロクな修練もしてないようだろうし、宝の持ち腐れだ。」


「出来る限り希望に沿う様にするわ。

内訳は亜種15000に通常種が2500だ。金額だけでもどれだけの違いか解るだろ?

その金額はとりあえずの前金で素材が売れ次第残りの分も上乗せさせて貰うぞ。」


「ほー。ギルドって太っ腹だなぁ。」


「馬鹿な事言ってんじゃねぇよ。

ワイバーンでもこの辺にはなかなかイネェ。

それにその亜種だ。数10年に一匹って位だ。

金を持ってる連中にその相場の10倍って金額を吹っかけるんだろ?

下手すりゃ、そのままの金額の10倍は硬いぞ?

そんなに金を集めてどうするんだよ?」


「あぁ、金を稼いだら爺ちゃんと隠居するわ。」


「「はぁっ!?」」


「嘘だ。

スラムのガキ達に孤児院を作って

技術や計算を覚えれるようにしてやりたいんだ。」


「おめぇは一体何がしたいのかさっぱりわかんねぇよ。」


「ほら、俺は親は居なくても爺ちゃんがいるだろ?

でも、スラムやつらは親どころか爺ちゃんもいねぇ。

誰も助けちゃくれないんだ。

だから、そんな奴らでも居場所があれば良いと思うんだ。」


「釈然としねぇが、おめぇの金だ好きにしろや。」


「あぁ、好きにするさ。」


「ほっほっほっほ。コレでもう一つの問題も解決じゃのぉ。

後は一週間後にどうなるかじゃて。気長に待とうかのぉ。」



こうして、サイラスは素材の売り上げの半分で孤児院を建て

その後の冒険者達からの寄付もありスラムが無くなる事はなかったが

スラム出身の冒険者達が未来永劫街を守り続ける事となる。

第一号はハヤテだ。スラム出身であり魔法の素質は低かったものの

スラム出身の冒険者で初のS級冒険者となるのだがそれはまた別のお話。

本編では語られる事は無かった・・・・。


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