第19話「王宮でのOHANASHIは騒動の予感」
王宮へと到着するサイラスたち二人。
一悶着ありつつも無事王の前えと到着するも再び騒動の予感がして来た・・・。
続きは本編にて。
アインのおっさんと足早に王宮へ向かう途中今回の事の顛末を話し合い
そして目に見える位置まで来た所で再び会話が始まる。
「今更でなんだが国王様に関しては寛大な方だから多少の事は目をつぶっていただけるだろう。
だがな、周りの重鎮共は生まれもっての貴族、性根の底まで貴族根性の染み付いた奴らばかりで癖のある連中しかいねぇから気をつけなきゃいけねぇ。
一つ間違えば不敬と取られ死刑になりかねぇぞ?」
「あぁ、解ってる。
だけど生まれてこの方ほぼ森の中の生活で、王都に来てから二週間も経ってねぇ。
そんな俺に礼儀なんて期待するのか?」
「その件に関しては俺に合わせれば後は何とかできると思うが
たかだかギルドのサブマスターである俺にどこまで力が及ぶかは何とも言えん。」
「あぁ、その辺に関しては期待しないようにしておくさ。
まぁ、死刑にならないように祈っててくれれば良い。
万が一の事があった場合ハヤテ達の事は頼む。」
「ふん。その約束は出来ねぇ。
きちんと戻っててめぇで何とかしやがれ。」
「まぁ、なるようにしかならねぇよ。おっさんとムダ話ばかりしてたら着いたぜ。」
目の前にそびえ立つのは、王城への入り口。
左右に門番が槍を構えている。
「そこの二人、王城へ何の用だ?」
「はっ。冒険者ギルドサブマスターの任を勤めておりますアインと申します。
この度は、王令にて我がギルドの冒険者であるサイラスを連れて参りました。」
「ふむ。話には聞いておるが先日の件の当事者がその子供だと申すか?
にわかには信じられぬ話だ。嘘偽りは無いものか?」
「先日報告を上げさせて頂きました件については相違ありません。
報告の時にも申し上げましたが、
当事者については来年学園の入学試験を受けるべく王都に参りました。
歳は来年12歳となります。
まだまだ、子供の域を抜けぬ年齢とは言えこのサイラスは
かの賢者様のお孫様にございます。」
「ほう。あの賢者様にお孫様が居たと言う噂は本当であったか。
おい、誰か手の空いている者!
王宮内へ急ぎ二名の来訪者が来た事を伝えろ。
二人ともそこでしばし待たれよ。」
「お手数おかけします。」
待つこと10数分。
城のなかから兵士が駆けてくる。
「宰相どのより通して良いとのことでした。」
「わかった。」
「聞いての通りだ。許可は出た。通っても良いぞ。」
「「ありがとうございます。」」
「おい、ちょっと待て。サイラスと言ったな。
城の中は武器の携帯は禁止されておる。
腰の剣はここで置いてゆけ。」
「申し訳ありませんが、この剣については了承いたしかねます。」
「なんだと?禁止されていると解っていながら
武器を持ち込むと申すのか?」
「いえ、武器としてではなく証拠品なのでございます。
そして、こちらをご覧ください。」
そう言いながら、ワイバーン戦で鍔元から折れた剣を抜く。
まぁ、抜くと言っても歯の部分なとほとんど残っておらず留め金を外せば
簡単に落ちる状態だ。
「ふむ。その状態では武器とは言えぬか。
良いだろう、しかし武器は武器この封印を付け決して抜くでないぞ?」
「勝手なお願いについては、誠に申し訳ありません。
先に提示しておくべきでした。」
「過ぎた事だ。次からは気をつけよ。」
「ありがとうございます。」
(おめぇ、そんなもん後生大事に持ってたのかよ。
何もいわねぇからいきなり牢屋行きかとあせったじゃねぇか。)
(悪い悪い。言われるまで忘れてたんだよ。)
「そこ、なにをブツブツ言っておる。皆長い事またされてるゆえ急げ。」
「「も、申し訳ありません。」」
怒られながらも、王城の中を走る訳にもいかず早足で王座へと急ぐ。
王座への扉の前に兵士が二人行く手を阻むも先導する兵士の合図で道を空ける。
そして、先導の兵士が王座への扉を開けるとそこはまさに王座の間。
圧巻としか言いようが無い。
正面には王座その横には王妃様がその左右には初めて見るが
俺と同じ位だろうか王子と思われる人、その横には知った顔があった。
そう王都へ来る少し前魔法について手ほどきをしたメイだ。
両脇に並ぶ内の一番奥宰相であろうその人が口を開く。
「両名入るが良い。」
二人で奥へ進もうとするも何故かアインのおっさんは扉を過ぎてすぐの所で兵士に止められる。
(やっぱりか、横から会話に入り込ませない気だろう。)
「おいっ、説明も無しにこの対応はどういう事だ?
王令で呼ばれてきたのに何故止められる?」
「王の前で騒がしいぞ。
ギルドの代表ともあろう者がなんたる態度。
それが御主等冒険者ギルドの姿なのか?」
ムカッとくるもそこは押さえてアインのおっさんに目で合図する。
おっさんもそれに気が付き堪えて扉まで下がる。
俺は王座の前中ほどまで来た所で方膝をつき頭を垂れる。
そして、口上を述べる。
「この度、王令によりこの場へ参りました。
冒険者ギルドに所属致しますサイラスと申します。
冒険者ランクはDランクの若輩者にございます。」
ここまで述べた所で先程の宰相から横槍が入る。
「誰が口上を述べろと言った。冒険者風情が自分の部をわきまえぬか。」
「申し訳ありません。何分王都へでてまだ10日ほど、それまでは
祖父である賢者と二人森の中で暮らしてきたもので礼儀作法とは
程遠い俗世とはかけ離れた生活をしてきたもので至らぬ点については
誠に申し訳なく思います。」
「部をわきまえぬかと言ったのが聞こえなかったのか?
お前達冒険者は聞かれた事に答えれば良いのだ。
我々とお前達とを同じ物差しで考えるでない!」
そこまで言われた所で俺の中に疑問が浮かぶ。
あれ?貴族ってなんだ?王族ってなんだ?
俺は何の為に命をかけ、死ぬ思いまでしてこの街を守ったんだ?
自分の中に言い知れぬ怒りがこみ上げてくる。
そして、怒りを抑えつつもう一度自分の周りを見回すと
本来ここに来ているはずの爺ちゃんやザックおじさんも姿が見えない。
そこでまた宰相からの言葉が飛んでくる。
「誰が頭を上げろと言った。国王の御前であるぞ。
一介の冒険者風情が何様のつもりだ!」
そう言ったのが聞こえた瞬間俺の中で何かが切れる音が聞こえる。
俺は膝立ちから立ち上がりそのままの勢いで腰に下げた鞘入りの折れた剣を宰相に向かって投げつける。
キーーーーン
甲高い音を立てて鞘が宰相の真横の壁に突き刺さる。
「ひぃぃぃっ。」
先程までの威勢はどうだろう?宰相は腰を抜かし地べたにへたり込む。
「さっきから聞いてりゃ、てめぇいい加減にしやがれ。
態度がどうだとかいちいちメんドクセェ奴だなぁ。
俺がここに呼ばれたのはてめぇの文句を聞きに来る為だったのか?」
「ひぃぃ。誰か誰かこやつをひっ捕らえよ。逆賊であるぞ!」
そう言うが早いかあちらこちらから兵士共が出張ってくる。
所詮は大人数で弱い魔物を倒す事しか想定してないヌルイ修練しかしてない
烏合の集だ。
こんな奴らものの数では無い。
適当に無詠唱で風の刃を打ち出してやると簡単に逃げ始める。
「うわぁぁぁぁあああ。」
「ひぃひぃ。俺はまだ死にたくねぇよー。」
「無理だ!あんなの見た目がガキなだけで、中身は化け物じゃねぇか。」
「おいおい、言いたい放題言ってくれるじゃねぇか。今から俺に背を向けた奴から優先的に狙っていくから覚えておけよてめぇら。
自分で抜いた剣をそのまま納めれるとは思うんじゃねぇぞ?」
自分でも引くくらい低い声でそう言うと烏合の集や貴族連中を見る。
総じて腰を抜かすか頭を抱えてしゃがみこんでる。
どいつから始末してやろうかと考えていると・・・・
ガツン!
「いい加減にせんか!」
後頭部に鈍い痛みと共に爺ちゃんの声が聞こえてきた。
「まったく、少し目を離すとすぐにコレじゃ。
お主もまだまだ子供じゃのぉ。」
「じ、じ、爺ちゃん!?」
「爺ちゃんじゃないわい。」
「ううぅ。爺ちゃんごめんなさい。」
まさに怒られて一気にテンションは急降下していく。
「しかしのぉ。黙って聞いておれば昔から馬鹿貴族共はかわらんのぉ。
国王よ、そろそろワシはこの国を出てゆこうかと思うぞぃ?」
「せ、先生!お、お待ちください!」
ん?先生?聞きなれぬ言葉に前を見ると
幻覚か?国王であるはずのその人が椅子から飛び出し爺ちゃんの目の前で
土下座をしている・・・。
ウチのじいちゃんって一体何者?
「そうは言うがのぉ?昔から再三言ってきた事じゃろうに?
特に、そこで腰を抜かしておるマイロー?お主昔ワシの言った事を忘れたかのぉ?」
マイロー?誰それ?
「ひぃ!賢者様!消し炭だけはどうかご容赦を・・・・。」
うん。マイローって宰相の子とだったらしい。
しかし、消し炭ってどう言う意味だ?
「お主20数年前まだ前宰相の下で見習いをしていることじゃったかのぉ?
その頃まだ王子であった現国王の教育係に招かれたワシに対しても同じような態度を取り、その態度を改めぬまま次にワシの目の前で同じ事を繰り返すようなら
消し炭にすると約束したはずじゃったな?」
あっちゃー。
って、爺ちゃんも俺と同じ事してたんじゃん・・・・。
そう思い爺ちゃんを見ると苦笑いをしている。
「そ、そ、それは・・・・。」
「ギルドからの報告でワシの孫じゃと言う話も伝わっておるはずじゃがの?
もしや聞いておらぬとは言わぬじゃろ?」
「はっはい、聞いてはおりましたが。
その件に関しては、真実は思えず・・・・。」
「ほう、冒険者ギルドが嘘を申したと、そう言うのじゃな?」
「めっめそうもございません。」
「まぁ、よいわ。
国王よ、この件に関しては報告した事がすべてじゃ、
現場にはワシも出向いて調査しておるから間違いは無い。
一週間以内にこやつらの処分を確定してギルドまで報告するんじゃ。
もし一日でも遅れるようならワシはこの国を出る事にするからのぉ」
「肝に銘じまして、必ず。」
「そうか、ではアイン、サイラスいくぞい。」
「おいおい、俺は無視かよ!
賢者様~ここまで連れてきて俺の出番は無しかよ。」
「おぬしは本当に面倒じゃのぉ。誰じゃコイツを呼んだ奴は?
まぁ、よいわさっさといくぞい。」
やっぱり、トラブルに巻き込まれた?サイラスは突如登場した爺ちゃんに叱られるも
過去に同じ様な事を爺ちゃんがしていたと言う現実に妙に嬉しくなり、
先程までの怒りがどうでも良くなっていたのである。
次回は、冒険者ギルドにて今回のゴタゴタの纏めになります。




