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賢者になれるらしいです(仮)  作者: 散歩道
プロローグ~幼少期~
13/34

第11話「メイの修行の終わりと卒業試験」

今回で修行パート終了です。

今回少し長めになってしまいましたが、

楽しんで頂ければと思います。

後一週間で約束の半年が過ぎようとしていたその頃

ザックおじさんは、何か用事があるとの事で王都へ出かけて行った。


「しかし、護衛で居座っておきながら用事があるって一種間もあけるなんて

どうゆうつもりなんだろうね?」


「えっと・・・。

私に聞かれましても、私も何も聞かされてないもので・・・。」


うん。まともな返事は期待してないから良いんだけど、

まぁ、一週間位なら何とでもなるんだけど

狩りは毎日じゃ無くても良いけど、

さすがに一週間行かない訳には行かないからなぁ。


「よしっと、メイ。」


「ひゃっ?ひゃい?」


うん。半年も経つというのに相変わらずカミカミだなぁ。


「半年間魔法は禁止と言ったけど、今日から一週間練習がてらに

俺と一緒に森に行こうか?」


「え?森って、ここは森の真ん中くらいですよね?」


うん。そうきたか。


「そうじゃなくて、俺と一緒に御飯を採りに行くの!

ねっ?その位なら良いでしょ爺ちゃん?」


「ほっほっほっほっほ。

なんじゃバレておったのか。

まぁ、ウチの近くならそんなに危険な魔物で無いじゃろうし

半年経っていきなりテストじゃかわいそうじゃろうに。

サイラスがいっしょなら例え亜種クラスがでても安心じゃろうに。」


「あっ亜種ですか・・・?

それって騎士団クラスがパーティーで挑むような魔物では・・・・。」


そう、通常の魔物には亜種や王種が存在する。

王種はそれこそ数十年に一度現れるかと言われる存在だが

亜種は結構頻繁に出る。

コボルとやゴブリン。それにオークと言った連中は数の多いせいか

それとも外敵から群れを守る為かちょくちょく亜種が出てくる。


「うん。まぁ、確かにその通りだけど、

半年でメイは魔法師団を泣かせるように修行するって言ったんだよ?」


「えっ?えっ?ええぇええぇぇぇええーーーーー。

まっまさか、魔法師団の人をではなくて、魔法師団自体をと言う事ですか?」


「ん?最初からそのまさかのつもりだったんだけど?

この修行が終われば、メイVS魔法師団でも

汗ひとつかかずに勝利させる自信はあるよ?」


「・・・・・」


「あれ?爺ちゃん俺達の認識っておかしいの?」


「むぅ?ワシもそのつもりで預かったんじゃが・・・・。

王都の連中は馬鹿なのかのぉ?

その程度の事でワシに教えを請うなどと誰が思うかじゃて。

むしろ、王都最強にしてくれと言ってきたもんじゃと・・・・。」


「あの~。私達が持ってきた書状はお読みになられました?」


「うん読んでない。」

「ワシもみとらん。」


爺ちゃんと声がハモるとメイが額に手をあててうなだれてしまった・・・。


「えっとですね。最初から説明しますね。

まず、私の技量のせいかもしくは生来の体質のせいかは不明ですが

魔法の素質があると思われていたものの、初級魔法ですら満足に

行使できない現状に魔法師団もお手上げ状態でして。

私の父上、あ、国王が昔から縁のある賢者様に指導して頂けば

魔法師団クラスとはいかないものの、せめて初級魔道師クラスには

上達できるのでは?と言うのが今回の目的だったのです。」


「へ~そうなんだぁ。」

「そうかそうか、そうじゃったか。」


「やっと解って頂けましたか?」


「うん。話は理解したよ?でも、もう手遅れだもん。ねぇ爺ちゃん?」


「ほうじゃのぉ。手遅れじゃのぉ?」


その言葉を聴いた途端メイの表情がこの世の終わりかのように絶望の色に染まる。


「てっ、手遅れですか・・・・。

一体どういう意味なのでしょうか?

私はもう普通に魔法を使うことが出来ないのでしょうか?」


「んー?爺ちゃんいいかな?」


「まぁ、いいじゃろうて。」


俺と爺ちゃんは言葉は少なくてもお互いの言いたい事は理解し合えてる。

解ってないのは張本人のメイだけだ。


「じゃぁメイ、良いかい?

俺に向かってファイアを打ってみてよ。

俺に防御させたら修行は合格で終了ね。

ちなみに、全力でだよ?」


「全力でファイアって・・・。

いくら初級魔法でも、直撃したら少なからずひどいやけどが・・・。

せめて防御位したいただけませんと・・・・。」


「うん。じゃぁ、簡単に教えてあげるね。

俺はワイバーンのブレスも防御の必要が無いんだよ。

ねっ爺ちゃん?」


「ほっほっほ。そうじゃのぉ。物理的な噛み付きや爪でのって出なければ

防ぐ必要すらないのぉ。」


「何をどうすればそんな事ができるんですか・・・・?」


「まぁまぁ、良いから卒業試験だよ?」


「はい・・・。わかりました。」


そう言うと、メイはいつもの修行の様に魔力の循環を始めた

いつもと違うのはここからだ。


「私、メイリーンが願う炎の精霊サラマンダーよ。

汝が力、眼前の敵を穿つ力となれ!!!!」


うん。魔法の詠唱とは人それぞれだ。

しても、しなくても良い、必要なのは魔力をいかに無駄なく

その現象へと変化させるかだ。

この世界の人はイメージ力だけでそれを行うから詠唱が必要になる。

俺からすれば、炎だけではなくその炎に風の魔力を混ぜ空気を取り込むように温度や威力を底上げする。

だから同じ魔法でも威力も範囲もいくらでも調整が出来るんだ。


そうそう、メイの魔法はというと半年間の修行の成果もあり

大きさはバスケットボールより二周りくらい大きい綺麗な球形をしながら俺の方に飛んできた。

その魔法は俺に直撃するも、髪の毛一つ焦がせぬまま消滅したんだ。


「え?え?ええぇぇぇええええーーーー!!!

なぜ?なぜ?何が起きたんですの?」


うん。メイは完全にパニック状態だ。


「だから言ったじゃん、防御すら必要ないって。」


「そう、それもそうなんですが・・・・。

今のは何なのですか?

私はファイアのつもりなのに見た事も無いような

炎の球が恐ろしい勢いでサイラス様に・・・・。」


やっぱり、魔法の威力が向上した事にびっくりしてたんだなぁ。


「メイ、ちょっと聞くけど疲労感は無い?」


「えっと、自分でも不思議なのですが今の魔法なら後10回は打っても

倒れる事は無い気がします。」


「うん。仕上げは上場だね爺ちゃん。」


「そうじゃのぉ。」


「って事で、メイ卒業おめでとう。」


「へっ?お二方とも、一体なんの冗談で?」


「冗談じゃ無いさ。この約半年間メイがやって来た事が修行の全てさ。

魔力とはなんたるかを理解しそれを自分の意思で操作する。

そして、操作が出来ると言う事は言葉にしなくても

魔力を手や足、思った所に集めてなおかつそれを炎や風水土に変化させる事が出来るようになったんだよ。

なれてくれば、ほらこんな事も出来るようになるよ」


と言いながら、俺は自分の上に4属性の球体を作る。

すると、案の定メイは目を見開き固まってしまった。


「後は、自分だけでも出来る修行だよ。

指先に魔力を集め、心の中で精霊達に働きかけそれぞれの現象を起こすんだ。

まぁ、俺は風の属性との相性が一番良くて次に水火土の順番かな。

何にせよ、自分に合った属性の魔法からなれて苦手なものへと練習してくのが一番だよ。」


「わ、わかりました・・・・。

で、でも一つ?疑問なのですが直撃したはずなのになぜススの一つもつかなかったのでしょうか?」


「あぁ、それもさっきの修行と同じ。

自分の中を巡らせた魔力をほんの少し体の外側を巡らせてやるんだ。

体の中に比べてかなり難しい魔力操作になるけど

その魔力で相手からの魔法を防ぐ壁にするんだよ。


相手の魔力や魔法そのものに干渉するのは難しいだろうけど。

自分の魔力で自分を覆って相手からの干渉をうけにくくするのは簡単だ。

いくら熱い熱でも伝わらなければ意味が無いからね。

まぁ、当たった衝撃はくるからそこは自分の力で耐えるんだけどね。」


「なるほど・・・。

はっきりと理解出来た訳ではありませんが

なんとなく解った気がします。」


「じゃぁ、ザックおじさんが王都に向かったところだし、メイ王都まで競争しようか?」


「え?今からですか?」


「そうだよ、今のメイなら全力を出せば夕方までには王都につくよ。」


「え?馬車で三日なのですが・・・・。」


「んー俺と爺ちゃんなら3時間?」


「そんなもんじゃろうなぁ。」


「えっ?昔からお二方とも王都へは馬車で来てたと聞いてたのですが・・・。」


「「だって断ると面倒だもん(じゃもん。」」


「そっそんな子供みたいな理由で・・・・。」


「メイは知らないだろうけど、王族や貴族の送迎って断ると

たちが悪い奴等だと、すぐに不敬だーとかめんどくさいよ?」


「そうなんですか・・・・。」


「じゃぁ、メイまずは全身を巡らす魔力を風属性にして自分を風で押すような感覚でながしてみて」


「はっはい。」


「まだなれてないからゆっくり最初は行くけど、すぐに全力で走れるようになるからね。」


そう言いながらメイと王都へ向けて走り始めた。

そして、日が落ちる少し前6時間と少しくらいで王都の門が見えてくる。


「おい、そこの二人何者だ!

そこで止まって身分証を見せろ!」


「お勤めご苦労様です。」


門番に向かいメイが挨拶すると、門番の顔が驚きに染まる。


「お、お、お、お、王女様が何故こんな所へ?」


「えぇ、予定が少し早まりまして一足先に戻って来た次第ですの。」


メイはそう言うと、ポケットから王家の紋章入りのハンカチを門番に見せる。


「はっ!確認させて頂きました!」


「それって、偽装とか出来ないの?

見ただけで解るもんなの?」


「何だキサマはっ!王家の紋章を刺繍する時に魔力を流し込みこれをかざすと反応するように出来ておるのだ!」


と同じように掲げて居た懐剣にも王家の家紋が刻まれていた。

さすが、ファンタジーと言わざるを得ない。


「じゃぁ、メイ俺は家に帰るよ。

二~三日でザックおじさんも到着するだろうからよろしく言っといてね。」


「あ、えっと。

お城に来ていただけませんか?

お礼もしなければと思うのですが。」


とメイは言ってたが、早く帰らないと爺ちゃんの晩御飯が遅くなっちゃうし

今日からまた爺ちゃんと二人。家族水入らずだ。


「まぁ、来年の春には学園の入学試験の為に王都に来るから

そのときにでもねー。」


と言いながら、さっさと帰路に着くサイラスであった。



これにて修行パート終了で、少しだけ時間が飛び

次回からは、王都~学園編へと続く予定となっております。

ここまで読んで頂いた方がたありがとうございます。

では次回で又お会いしましょうノシ


『ワシの出番はまだかのぉ?』


「神爺はそのうち気が向けば出てきます。」


『ヒドイんじゃもんじゃもん。』


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