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賢者になれるらしいです(仮)  作者: 散歩道
プロローグ~幼少期~
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第10話「メイの修行風景途中経過」

前回、追記でそれぞれの思いを書かせて頂きました。

王女様とは言えまだまだ小さな女子。

薄暗い森の中で何とかやっていけてはいるようですが続きをどうぞ。

あれからあっという間に半年と言った期限の半分の三ヶ月が経った。

俺の家の周りにはメイの暮らす家、まぁ、家と言っても

寝る為のベット等ある位の小屋と言っても良い位の大きさの物だ。

さすがに、くっと同じ家で寝起きするわけにもいかず、俺とザックおじさんとで急遽建てたんだが我ながらうまく出来たと思う。


そして、俺の家との間にあるのがトイレとお風呂だ。

もうすぐ夏も終わり、この森にも少なくない雪が降るからさすがに川での行水もそろそろ限界だ。

男だけなら、タライに沸かしたお湯で十分だがさすがに女の子はそうもいかないだろうと思い建てたら、思いの他爺ちゃんに高評判で

爺ちゃんに至っては毎日長湯しながら晩酌してる有様だ。


あれから三ヶ月も経つとメイの魔力操作もまだまだとは言え

さまになって来ている。

疑問に思いつつも毎日黙々と魔力の流れを維持しようと頑張っているようだ。

最初の頃は1分も続ければ立てなくなっていたものが、

今では座っていれば30分続けても平気なようだ。


「サイラス様、何か御用ですか?」


いかんいかん、じっと見すぎたようだ。

魔力操作に慣れてくると、自分の周りにある魔力の流れ

それに気配の流れなどもなんとなくだがわかる様になってくる。

俺にはこの世界の理は解らないが、魔力操作と完璧に出来るようになれば多分だが相手の魔法すら相殺することが出来ると思うんだ。

あくまでも、俺の持論だが魔力を使って現象を起こすのが魔法であり精霊魔法だと思う。


逆に言えば、自分の魔力を使って相手が起こした現象もしくは

現象となろうとする魔力そのものをかき乱してやれば魔法自体が不発になるんではないだろうかと。

例えば、相手が炎の魔法を得意とするのならば、自分の魔力を水属性に近いものに変え相手が発動しようとする魔力の流れを読み邪魔をしてやれば良いと思うのだ。

まぁ、あくまでも仮説の段階で実践ではまだ一度も試せてない。

なるべく早めに試してみたいとは思うのだが当面その時間は取れそうに無いだろう。


「ス様?サイラス様?」


「ん?メイどうした?」


「なにやら難しい顔をされていたので、何度かお声をかけたのですが

全然反応されなくて心配になりましたの。」


首をかしげて上目遣いで見てくる。

うん。カワイイぞ。

街で見かけたら声をかけなきゃ失礼なレベルだ。うん。

そうこう考えているとメイからまた声がかかる。


「も、もしかして修行がもっと厳しくなるのですか?」


「ん?いや、まだそんな段階じゃ無いと思うけど飽きちゃった?」


「いえ、魔法を使えない状態で今のまま後三ヶ月もずっと過ごす事を思うと毎夜毎夜悪い方向へと考えてしまうのです。

魔法が使える事以外他に得意な事が無く、その魔法すらままならない今

王都へ帰る事になっても私の立場が・・・。」


うん。今にも泣きそうになっている。

さてどうしたものか。


「メイ、言葉で言っても信用できないかもしれないけど

今の修行に何の意味があるか疑問なんだよね?」


「はい。毎日毎日繰り返すことで少しずつですが最初の頃の様に

立てなくなる様な事はなくなりましたがこれは一体何の修行になるのでしょうか?」


「そうか、では逆に聞くけど最大でどの位維持が出来る?

今は、ゆっくり全身を巡らせる事を30分で1セットにしてあるけど。

後の事を考えず、自分の出来る限りの速さで動かしてどの位持つかな?」


「えっと・・・。

サイラス様の言われるように全力でと言う事であるなら、多分30分は持つかも知れませんがその後は意識を保てるかも自信がありません。」


「ふむ。自己分析はなかなか良い所にいってるね。

まぁ、採点するなら80点って所だね。

何故全力でと言ったかと言うとね

メイは据わった状態を想定して30分って考えなかったかい?」


「はい。

いつもの修行を思っての状況です。」


「でもね、それがいざ戦闘となったらどうだい?

仲間に声をかけながら、そして敵の動きを見つつ自分の次の行動も考えなきゃいけない。

そんな状況で、全力でなんて普通なら無理だ。

だけどね、何も無い状況で魔力を全身に巡らせ続ける。

これが寝ているとき以外常時出来るのが理想なんだ。」


「えっ?寝るとき以外ですか・・・・。

今は休みながらで何とか出来ていますが、そんな事が出来るんですか?

魔力を動かすだけと言っても、動かせば動かしただけ精神的疲労や

体内の魔力が少なくなる気がするんですが・・・。」


「なんだ、メイ自分で疑問に思っている事の答えに気がついているんじゃないか。」


「え?え?え?」


「最後に言った事をもう一度、自分で思い返し見てみてよ。」


「この修行をすると、精神や魔力的疲労が起こるということでしょうか?」


「そう。半分正解半分間違い。

その疲労はただ疲れるだけじゃないって事だよ。

魔法を使いすぎた時に同じような感覚になった事は無いかい?」


「あ、あります。ここに来た時にの私は初級の魔法ですら三度で限界で

四度目には気を失うか、発動まで出来ませんでした。」


「そう、その時メイが今の修行を行えた時間は?」


「動かす事すらままならず、1分も持たずに動けなくなりました。」


「そうだね。でも、メイはそれから三ヶ月疑問や不満を持ちつつも頑張ったよね?」


「はい。頑張ったと言えるかは解りませんが賢者様に言われた半年と言うチャンスを逃したく無く思っていました。

ですが、挫けそうになるたび、いつの間にかサイラス様が現れ励ましていただけたお陰で何とか半分の三ヶ月が過ぎたと思います。」


「そうかなー?たまたま近くに居ただけだよ。

だって狩りをした後はここに帰って来るんだもん。」


ホントは遠巻きに見ながらだったりちょくちょく様子を覗きに来てたんだけど、そんな野暮は言いっこなしだ。


「この調子なら後三ヶ月で本当に爺ちゃんに見てもらっても恥ずかしくない仕上がりになると思うよ。」


「本当ですか?魔法に関しては不安が残りますが。

残り半分、今まで以上に頑張らせていただきます!」


「うん。頑張るのはいい事だ。

でもね、前から言ってるけど急ぎすぎてもこの修行は失敗するよ。

このまま同じ様に30分1セットであと三ヶ月ね。」


そう良いながら、笑いかけると何故かメイは赤くなって下を向いてしまった。

思いが空回りしちゃって恥ずかしかったのかな?

まだまだ、小さな女の子だから仕方ないよね。

前世じゃ妹どころか兄弟も居なかったから、

ある意味生まれ変わることが出来て神爺には感謝しなきゃいけないのかなぁ。


『なんじゃい。なんじゃい。久々にワシの事を思い出したと思ったら

扱いヒドクネ?

もっと感謝してくれてもいいんじゃよ?』


はい。いらない横槍が入りましたが次回はさらに三ヶ月後からのお話となる予定です。

毎日読んで頂けている方。今日初めて読んだよって方。

誤字脱字、読みにくい部分もあるかも知れませんが明日以降も更新頑張りますのでよろしくお願いします。

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