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崩落まで、

きく、こと

作者: 昭如春香

評価およびブックマークありがとうございます。

所でこのシリーズ、長編に纏めた方がいいのでしょうかね?

一応後三話は確実に書きますが。

 

 

 時に、真実は小説きょこうを上回るらしい。


 笠山里穂ことゲルトラウト・アンドレア・シェーンハイトは、輪廻転生を果たしたのだ。ちなみに死因は帰り道で通り魔に刺殺されたからだ。その時某メ○トから購入した乙女ゲーを持っていたのが、きっと転生原因だったんだろう。たぶん……。


 まあ、生まれ変わってしまったんだから仕方ない。今私がくよくよくした所で、私が暮らしていた地球の、日本の、あの豊かな時代に帰れるわけじゃないんだから。縦しんば帰れても、笠山里穂は既に死んでいるし、私がそのまま笠山里穂になれない。無いもの強請りしてもね。


 時に前世の利便性とか文化を恋しく思いつつも、ゲルトラウトとして色々折り合いつけつつ生きている。幸い伯爵令嬢で、農村とかスラムの生まれでないだけ幸運に恵まれた。その分、貴族って奴は色々面倒なんだけどね。


 二つ上の兄や四つ下の弟が居るから、私が伯爵家を継ぐ事は無い。そのかわり政略結婚の義務がついて回るけれど、礼儀作法とかしっかりしていれば、今生の両親の干渉が薄いんで好き勝手させてもらってる。


 こんな私も齢十二を迎えた時、魔法学院初等部に入学した。因に学院は十二から十六まで初等部で基礎魔術を学ぶ。イメージは小学校と中学校と高校を足して三で割った感じかな。それで才能のある人物や貴族が高等部にエスカレータ式に入学する。こっちは前世の大学に近くて専門性が強いのが特色だね。


 大体の貴族は魔法の才能を大なり小なり持っているらしい。どっかのネット小説よろしく、才能ゼロでも無ければ、特出して才能がある__訳がなかった。平均よりも上って所。


 魔法ですよ、奥様!? どんなんでも魔法が使えるのだ! それだけで、ドッキドキのワックワクでしょう? そりゃ、物語よろしく、ファ●ガとか、ぶっ放したかったけどね。終焉幻想はワタシの聖典です!


 閑話休題。


 私は召喚魔法との相性が結構良かったらしく、高等部では召喚学科に入学する予定だ。魔力量の問題があるから、バ●ムートは喚べないけど、シ●ァさんとか喚びたい!! 残念ながら精霊魔法の適性が無かったから、喚べても氷妖精だけどね。


 こんな感じで面白おかしく学園生活を満喫していたんだけど、転機は初等部入学して一年経過した時だ。今年召喚魔法の名家リッター家の三男が入学したらしい。羨ましい事に、才能豊かだとか。彼は既に召喚契約獣と契約しているらしい。これは拝見しなくちゃ!


 るんるんとスキップしながら一年の廊下を歩いている時だった。目の前から、月のような銀髪に、アメジストのような瞳の少年だ。色素の薄い肌は北方の血を感じる。切れ長の瞳は冷ややかで、唇はしっかりと結ばれているから、より近寄り難い雰囲気を纏っていた。


 おかしい。なんで。なんか、み、おぼえ、が____。


 頭を金槌で思いっきり叩かれたような衝撃が、駆け巡った。そう、このリッター家三男ことアウグスト・ディーター・リッターを目当てで、私は、笠山里穂は、『女神の祝福〜貴女の虜〜』を買ったんだ。


 笠山里穂は、一般分類でいうなれば、ヲタクに相当する。所謂、ゲームオタクだ。ジャンルは最終幻想のようなRPGと乙女ゲームが主だ。あんまり反射神経よくないんで、リズム系は得意じゃない。乙女ゲーは声優萌えとかではなく、とあるタイプのキャラクターに入れ込んで居た。


 そう、寡黙男前系を!!


 背中で語る男って、イイ。今日絶滅したと思われる大和撫子と同じような、大和男児。一本筋を貫く姿に、敬愛が止まらない!! と、云うわけで、アウグストを目当てで買ったのだが……。



「………………三次元ってクソだな」



 皆様方は漫画とかの実写版って許せた派? 許せない派? 私はねぇ、許せない派だよ!!! イメージと違うことの方が多いんだもん。


 それはどうでもいい。三次元化したアウグストは、単なるちょっとカッコいい男の子ってだけだった。こう、学年に一人か二人いる感じの。私が好きなのは、二次元のアウグストなんだよねぇ。


 横目で一応登場キャラクターっぽいのを観察はしたけど、二次元と三次元の壁は厚かった。萌えないし、ときめかない。いや、さ、一時『壁ドン』なるものって流行ったじゃん。あれって漫画とか小説だから良いんであって、リアルでやっられたら私ドン引きする自信あるわー。


 そんなこんなで、高等部入学〜! 希望は勿論、召喚学科一択よ!! シ●ァ、待っててね!!


 で、気付くと本編が始まっていた。何で気付いたか? 転校生の噂話が流れたからよ。『女神の祝福〜貴女の虜〜』は、突如女神のお告げから始まる。『衰退したる世界に祝福をする乙女あり』と。この世界は、緩やかに滅びに向かっているらしい。それを軌道修正する力を持っているのが、ヒロインだ。


 彼女の相手役である七人のヒーローと学院を舞台に交流していく物語だ。この七人のヒーローは、この世界の神々の欠片を抱いている者で、それぞれの心を癒す事で、神を癒すとかなんとか。


 昔すぎてよく覚えてないし、そもそもゲームやってないからなぁ……。


 そんなこんなで、ヒロインちゃんは次々とヒーロー達を落としていった。中庭で時折見掛ける姿は、彼女を含めて七人で、一人洩らしているみたいだが。そもそも急に世界が破壊されるってわけじゃないみたいだしなぁ。


 逆ハーレムをリアルで見ることってあるんだろうか? 彼女は確かに可愛いけど、傾国のって冠が付くような感じじゃないし。性格美人って奴か?



(……よくあるネット小説で見掛ける成り代わり系ヒロインとか?)



 いや、私の考え過ぎか。そうそう記憶もっての転生なんてあるわけないしな。ゲームでもハーレムエンドが在ったのかもしれないし。芸能人とかと同じで、こういう主人公級の人間はきっと運を持ってるんだろう。 


 そう納得してしまえば、気ならなくなる。前例わたしがあるのならば、ヒロインがあったって可笑しくないのにね。




 失敗に気付いたのは、崩落してからだった。




.

聞く/聴く/訊く きく、こと


●ゲルトラウト・アンドレア・シェーンハイト

シェーンハイト伯爵家の長女で笠山里穂の記憶を持つ。

召喚学科四年で、そこそこ才能あり。


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