~出会い 1
ガッツ
『わぁ!やっと着いたのね。アトランタにっ!!』
この土地、アトランタ。今一人の女が足を踏み入れた。彼女は白い肌にりんごのように赤い唇、どこか女神を思い出させるような雰囲気をしているが少女のような無邪気さが残っている。町中の紳士や淑女は彼女にくぎ付けだ。
「アヤカ~!こっちよ~!」
心優しそうな淑女が手を振る。
『メラニー!久しぶりね、会いたかったわ。』
アヤカはメラニーの手を取り涙を流す。
「アヤカ。スカーレットはどこにいるの?」
『あっ、忘れてたわ。探してくるね』
「私はここにいるわね。いってらっしゃい」
アヤカは手を振り人ごみの中に入った。予想以上の人多いさに呆気にとられながらもスカーレットを探す。彼女はお店に飾ってあるチラシが目にとまったが気にせず探した。
探し始めて10分ぐらい経った。しかしスカーレットは見つからない。少し腹がたったアヤカ。いっそうメラニーのところに戻ろうと思ったが、もうちょっと探そうと思い足を進めたが
ドンっ
人にぶつかってしまった。ぶつかった衝撃で彼女は尻餅ついた。
『イタッ・・・・・あ、あれ?。』
アヤカは座ったままで謝るのはマナー違反なので立とうとしたが、腰が抜けて立てない。
「大丈夫ですか!誠に申し訳ございません・・・・」
やや肌が黒くて家柄がよさそうな男が謝った。
『こちらこそごめんなさい。・・・あの・・腰が抜けて立てないのです。手を貸してくれませんか?』
アヤカは赤くなった頬を隠しながら言う。それはずっと道端で座っている彼女を不思議そうに町の人に見られていることとドジを踏んでしまったからである。
「どうぞ。」
手を差し出されたので手を取るとアヤカの体はなぜか横抱きにされていた。
『えっ・・・えぇぇええ!いや、あの降ろしてください!』
「何をおっしゃっているんですか。腰が抜けたら歩けませんよ!」
「貴女は誰かを探していた様子。私もご一緒しましょう」
まわりからの視線が痛い。一緒に探してくれるのはありがたいが、この格好ではとても恥ずかしい。
『恥ずかしいです。降ろしてください!!』
「・・・・・・・・・・・・・・・」
アヤカが抗議しても聞く耳を持たないようだ。