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ようそこ星魅寮へ!貞操逆転世界の物語  作者: 三下茶屋


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プロローグ

次回更新 2026.3.12予定

ちょっと待ってくれ。AIと話してたら日付変わってた

プロローグ


一つ屋根の下、年頃の男女が生活している寮。 パジャマ姿でうっかり鉢合わせちゃったり、お風呂上がりに出くわしてドキッとしたり……何も起こらないはずがない。私はずっと、そんな夢のような生活を想像してきた。

……のに。


「男なんて、どこにもいないじゃない!?」


古びた居間で、私は頭を抱えながらわめき散らした。


「あかり、うるさいよ……」


ソファの向かい側で、分厚い純文学のハードカバーに視線を落としたまま、同い年の星城かなめがボソリと呟く。だが、私は知っている。その小難しいカバーの裏に隠されているのが、『屈強な女騎士が、か弱くて可愛い村人の男の子を力ずくで囲って、一晩中可愛がりまくる』という過激な挿絵たっぷりのエッチなライトノベルだということを。


「あんたさ、そんな本ばっか読んでないで現実見なさいよ!夜、声がうるさいのよ!この間ネット通販でまた変な本買ってたの知ってるんだからね!」


「あかりだって、毎日お風呂上がりに鏡の前で男の子を口説くセリフの練習してるじゃない」


痛いところを突かれ、私はぐぬぬと唸った。


「あはは、まあそう焦るなよ」


キッチンからマグカップを片手に現れたのは、大宮まり先輩だ。さばさばした姉御肌で、この寮の管理人でもある。 非常に理性的で頭もよく運動もできる優等生だ。


「てか、あかり。そんな都市伝説みたいな噂を信じて、わざわざこんな学校から一時間もかかる辺境に越してくるなんて……ぷぷっ」


「あんたもでしょうが! そんな本に影響されて、男の子と同棲する妄想膨らませて来たくせに!」


かなめが本で顔を隠しながら肩を震わせているのを、私はすかさず指差して反撃する。かなめは「……チッ」と舌打ちして本の世界に戻っていった。


この星魅寮は、数十年前にこの周辺が市の中心だった頃は立派な高級下宿だったらしい。今では最近できたニュータウンに人が流れ、寂れた郊外のようになっている。


「まあなんだ、いつか現れるって。それにうちの親も、この寮で運命の男子と出会ったって言ってたぞ?」


「それ、親の親の話ですよね!?」


そう、この星魅寮は、大昔に男子が住んでいたことがあるらしいのだ。 当時、まり先輩のおばあちゃんがその男子を射止めて結婚したとかなんとか。その名残で、今はまり先輩が管理人としてこの寮に住み込んでいる。




私――高峰あかりは中学時代、全くモテなかった。 ……いや、正確には『男子と話すことすらできなかった』のだ。 それを高校デビューで変えるべく、藁にもすがる思いでこの『男子と出会える(かもしれない)』という噂の寮にやってきたというのに、現実はそう甘くなかった。


まり先輩が慰めるように私の肩をポンと叩く。


「そんなに落ち込むことはないぞ? 学校には数は少ないが男子はいるしな」


「……まり先輩は、その学校の男子と話したこと、あるんですか?」


「…………」


私がジト目で尋ねると、まり先輩は気まずそうにスッと目を逸らした。


そう、男子と話すなんて夢のまた夢なのだ。


「あああああ! 私の血を吐くような努力を返して!!」


「うわ、何急に、また発作?」


「発作じゃないわよ! 鼻血出しながら嫌いな勉強して、親に土下座までして、やっとの思いで男子がいるこの『星魅高校』に入ったっていうのに!」


この世界において、男性は圧倒的に数が少なく、保護されるべき貴重な存在だからだ。彼らが進学するのは、私立の超名門校か、よほど偏差値の高い進学校のみと相場が決まっている。


「まあ、男子は保護されるべき対象だからな。まともに関われるのは確固たる『肩書き』を持つ特権階級だけ……仕方ないさ」


まり先輩が苦笑しながらコーヒーをすする。


「あかりみたいな普通の子なんて相手にされないっての。」


「あんたもね!」



テーブルに突っ伏して深いため息を吐く。


「はぁ……どこかに、私のことだけを見てくれる、可愛くて大人しい男の子、落ちてないかなぁ……」


「正直、男だったら誰でもいい。 私がバイトを掛け持ちしていっぱい稼いで、一生養ってあげるのに……!


「妄想…乙!」

「死ね」




『ピンポーン……』




突然、静かな居間に間抜けなインターホンの音が鳴り響いたのだった。



「ちょっとかなめ、また変な本買ったでしょ。自分で出なさいよ」

「私じゃない。今月はもうお小遣い尽きた」


ソファから顔も上げずに返される。もう使い切った?早すぎる…


「えー? じゃあまり先輩の?」

「私は何も注文してないぞ」


だとしたら、新聞勧誘かどっかのセールスだろう。



…誰も動こうとしない。



それどころか、一番近い私に行けという顔で見ている。ため息をつきながら、重い腰を上げ壁に取り付けられた古いインターホンの受話器を取りに向かう。




「はい、星魅寮ですけどー?」



出会いは突然。そんなものはドラマや漫画だけだと思っていた。



『あー、すみません。今日からこちらでお世話になる、藤堂りょうと申しますが。引っ越しの挨拶に伺いました』



退屈が、今までの日常が変わる予感がした。



2026.3.4 修正

・プロローグ1.1を削除してこちらに差し替えました。

・本文によりキャラクターが詳細になるよう変更しました。

・文章が多かったため、キャラクターの掛け合いになるように変更しました。

・誤字の修正をしました。


2026.3.6

・藤堂りょうのセリフを変更して次の話に繋がるように変更しました。

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