表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/16

3-2: スポンサーの命令でも聞きたくないね。

「待て、アポロ」


いつの間にか、オーウェル辺境伯が従者を伴って現れていた。


「うげ・・辺境伯閣下……」

「うげとはなんだ。うげとは。しかし汚いとこだな。」

「汚いところで悪かったわね」後ろに案内してきたシルクがマジお怒りだった。


「おっほん。エステル殿の申し出、聞き届けよ。彼女たちの覚悟は本物だ。それに、彼女の治癒魔法と、その少年の森の知識は、確かに貴様の助けとなるだろう。」


アポロは、苦虫を噛み潰したような顔で辺境伯を見、それからエステルとフィンに視線を移しながら、

「スポンサーの命令でも聞きたくないね。」


それを聞いたエステルは絶望的な状況にあっても、神が杖と鞭で導き、守ってくれるから恐れないと、アポロの目を見て、

「死の陰の谷を歩むときも わたしは災いを恐れない。あなたがわたしと共にいてくださる。あなたの銃、あなたの剣 それがわたしを力づける。」

この女神官の妙な迫力と、少年の瞳の奥の炎が、彼の琴線を揺さぶったところへ辺境伯が、

「リスクを前にじっとしてたら可愛い子ちゃんを口説くこともできないんだろ。」


「……チッ。地獄耳めどこでそんなことを・・。わかったよ。だがな、俺の指示には絶対に従ってもらう。勝手な行動は一切許さん。いいか、足手まといになったら、容赦なく放置プレイだ。それでいいな?」


「放置プレイはよくわかりませんが・・はい、結構です。ありがとうございます、アポロ殿」

エステルは、安堵の表情を浮かべ、再び深く頭を下げた。

フィンも、小さな声で「ありがとう」と呟いた。


「ちょっとぉ「可愛い子ちゃんを口説くこともできないって(キラッ)」余所でそんなこと言ってんの~」アポロの口真似しながらシルクはさらにお怒りだった。


こうして、隻眼の元騎士、若き女神官、そして森の民の少年という、奇妙で、どこか不釣り合いな三人のパーティが結成された。

今はまだ互いに不信と警戒心を抱えたまま、隻眼と聖女と森の子、彼らは未知なる旅路へと踏み出す準備を始めた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ